Vehla ─ ホットキー1つでAI・ウィンドウ管理・クリップボードをまとめて呼び出すmacOS用コマンドセンター

Vehlaは、カナダのKaila Consulting Inc.が開発するmacOS専用のコマンドセンターアプリです。ホットキーを1つ押すとコマンドパレットが開き、アプリやファイルの検索だけでなく、AIによるテキスト生成・要約・翻訳、ウィンドウの整列、クリップボード履歴、音声入力、メモやカンバンまでその場から呼び出せます。特徴は、AI処理をMacの中だけで完結させるオンデバイス実行に対応している点と、サブスクリプションではなく買い切りライセンスで提供されている点です。ランチャー、AIチャット、クリップボードマネージャーといった単機能ユーティリティを何本も入れている人が、まとめて1本に置き換えることを狙ったアプリだと言えます。

主な特徴

  • オンデバイスAI(MLXランタイム内蔵): Apple Silicon向けのMLXランタイムを内蔵しており、ネットワークに接続していなくてもテキスト生成・要約・翻訳といったAIアクションを実行できます。ローカルモデルは無料プランで最大2Bパラメータまで、Proではより大きなモデルと独自のMLXモデルの読み込みに対応します
  • クラウドAIはBYOK方式: OpenAI・Anthropic・Google・DeepSeek・OpenRouterなどを、自分で用意したAPIキーで接続できます。キーはmacOSのキーチェーンに保存され、リクエストはMacから各プロバイダーへ直接送られるため、Vehla側のサーバーを経由しません
  • ウィンドウ管理とクリップボード履歴: SnapWheelによるキーボード操作中心のウィンドウ配置に加え、クリップボード履歴を保持します。履歴内の画像からのテキスト抽出(OCR)もオンデバイスで処理されます
  • 音声入力(Flow)とローカル検索(Recall): ローカルで動作するディクテーションで文字起こしができ、Recallは画面上で見た内容などをローカルにインデックスして後から検索できます
  • MCPクライアントとして動作: パレット内からMCPサーバー(HTTP/SSEまたはローカルのstdio)を追加して利用できます。手元のツールやデータをAIアクションから呼び出す用途に使えます
  • ワークスペースと拡張機能: メモ、キャンバス、カンバン、カラーピッカー、QRコード、ネットワークポート確認などをアプリ内に備えます。加えてSwiftUI/AppKitで書かれたサードパーティ拡張をパレットに読み込めます

料金

プラン料金主な内容
Free$0コマンドパレット、基本のウィンドウ管理、クリップボード履歴50件、メモ5件・スニペット3件、ローカルモデル(最大2B)、AIセッション/アクションは月50回まで
Pro$29.99 買い切り(2台のMacで利用可・生涯アップデート無料)全ワークスペースとインテグレーション、高度なAIアクション、Recall、Flow、MCP、より大きなローカルモデルとカスタムMLXの読み込み

7日間のPremiumトライアルがあり、カード登録なしで試せます。月額・年額のサブスクリプションは用意されていません。

料金は2026年9月時点の情報です。最新の料金は公式サイトをご確認ください。

メリット・デメリット

✅ メリット

  • ネットワークが不安定な場所や、社外に文章を出したくない場面でも、手元でAIの下書き・要約・翻訳を済ませられます
  • 買い切り $29.99 で2台まで使えるため、ランチャーやクリップボード管理に月額を払い続ける必要がなくなります
  • 呼び出し口がホットキー1つに揃うので、機能ごとに別アプリのショートカットを覚え直す手間が減ります
  • クラウドAIを使う場合もキーは自分の手元にあり、利用量と課金を自分のアカウントで把握できます

⚠️ デメリット

  • macOS 15.0以降・Apple Siliconのみの対応で、Intel Macやそれより古いOSでは利用できません
  • 無料プランはAIアクションが月50回、クリップボード履歴が50件などの上限があり、常用するにはPro前提になりがちです
  • 拡張機能のカタログはまだ小さく、Raycastのように「目的の拡張がすでに誰かに作られている」状態は期待しにくい段階です
  • 提供開始からの期間が短く、長期のサポート実績はこれから積み上がる段階です

類似サービスとの比較

サービスVehla との違い
Raycast拡張機能のエコシステムが最も大きく、AIはホスト型をサブスクリプションで提供します。Vehlaはオンデバイス実行と買い切り課金を選んでいる点が異なります
AlfredWorkflowによる自動化の作り込みで長い実績があります。VehlaはAI・ウィンドウ管理・クリップボードなど複数の機能面を最初から1本に束ねている点が異なります
SuperCmd同じくAPIキー持ち込み(BYOK)の方針ですが、VehlaはオンデバイスのMLXランタイムを標準で内蔵します

こんな人におすすめ

  • ランチャー・クリップボード管理・AIチャットなどを別々のアプリで入れていて、本数を減らしたいMacユーザー
  • 原稿や社内文書をクラウドに送らずに、手元で要約・翻訳を済ませたい人
  • 自分のAPIキーでOpenAIやAnthropicなどを使い分けたいパワーユーザー
  • 毎月の課金を増やしたくなく、買い切りで完結するツールを選びたい人

まとめ

オンデバイスAIと買い切りライセンスという2点が、数あるmacOSランチャーの中でのVehlaの立ち位置を決めています。手元で処理が完結するぶんネットワークや月額課金に縛られにくい一方、対応環境がmacOS 15以降・Apple Siliconに限られ、拡張機能の層の厚さでは先行するRaycastやAlfredに及びません。まずは7日間のトライアルで、ふだん使っているユーティリティを本当に置き換えられるかを確かめてから判断するのが堅実です。

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