Vaaya ─ GitHub の公開活動を与信にして、AIエージェントにカード不要のクレジット口座を発行する決済基盤

AIエージェントに有料の外部サービスを使わせようとすると、決済手段の用意で必ずつまずきます。検索APIにひとつ、データ取得にひとつ、画像生成にひとつと契約とAPIキーが増え、請求先もバラバラになるからです。Vaaya(ヴァーヤ)は、この入り口をまとめて引き受ける「エージェント向けの決済口座」です。GitHub の公開活動履歴から与信枠を算出し、クレジットカードを登録しなくてもエージェント用のクレジット口座を発行します。検索・データ・LLM推論・画像や動画の生成・スクレイピング・コンピュートといった多数のプロバイダーを、ひとつの MCP / API 接続から従量課金で呼び出せる点が特徴です。

主な特徴

  • GitHub の公開活動から与信枠を算出: 公開のコントリビューション、マージ済みプルリクエスト、issue、アカウント年数などから 300〜850 のスコアを計算し、無担保のクレジットライン(上限 $5,000)を発行します。プライベートリポジトリへのアクセスや書き込み権限は求められません
  • 多数のプロバイダーをひとつの口座に集約: LLM ルーター、Web 検索とスクレイピング、リードや企業のデータ、画像・動画・音声の生成、ブラウザ自動化、サンドボックスや GPU のコンピュート、ストレージなどを、個別契約なしで呼び出せます
  • 人間側が上限を決められる支出コントロール: キー(エージェント)ごとの月次上限、1回あたりの上限、使ってよいカテゴリを人間が設定できます。呼び出しの前に価格が提示され、失敗した呼び出しには課金されません
  • MCP と HTTP API の両対応: リモート MCP サーバー(OAuth 2.1 + PKCE)と、npx @vaaya/mcp install によるローカルの stdio 接続、直接の HTTP API 呼び出しに対応します。Claude Code や Cursor、Codex などのコーディングエージェントからそのまま利用できます
  • 決済レールの自動選択: x402(Base 上の USDC)、MPP、プロバイダーの通常アカウント経由といった複数の決済手段をバックエンドで自動的に選び、利用者には単一の残高と取引履歴だけを見せます
  • 取引台帳と返済管理の一元化: すべての呼び出しをプロバイダー・価格・結果・実行したエージェントとともに記録します。利用額は週次、または $50 を超えた時点で、登録済みのカードから回収されます

料金

月額固定のサブスクリプションはなく、呼び出しごとの実費だけがかかる従量課金です。資金の入れ方は次の3種類が用意されています。

資金の入れ方金額備考
ウェルカムクレジット個人アカウント $2 / Instinct アカウント $10カード登録なしで開始できる
プリペイドパック$10 / $30 / $100前払いで購入。失効なし
GitHub 連携クレジットラインスコアに応じて $0〜$150 程度から開始し、最大 $5,000 まで拡大利用開始にはカードの登録が必要

呼び出し単価の目安は、LLM の応答が 0.1 セント程度から、Web 検索やスクレイピングが約 1 セント、ディープリサーチが 10〜30 セント、画像などのメディア生成が 33 セント程度からで、コンピュートは秒単位の課金です。エージェントが自分で登録した場合に限り、口座の所有者が確定するまでの試用枠として $1 のスターター与信(24 時間で失効)が付きます。

料金は2026年9月時点の情報です。単価はプロバイダーごとに変動するため、最新の料金は公式サイトをご確認ください。

メリット・デメリット

✅ メリット

  • プロバイダーごとの契約・APIキー・請求書の管理から解放され、経費処理が1本にまとまります
  • 先に資金を用意しなくても、GitHub の実績だけで有料サービスを試し始められます
  • 上限とカテゴリを人間が握ったままエージェントに財布を渡せるため、暴走した課金の心配をせずに自動実行を任せられます
  • 失敗した呼び出しに課金されないので、試行錯誤の多い開発段階でも無駄な支出が出ません
  • どのエージェントが何にいくら使ったかが台帳に残り、あとから利用状況を検証できます

⚠️ デメリット

  • 与信が GitHub の公開活動に依存するため、GitHub での活動が少ない個人や組織は、ほぼ 0 の枠から始めることになります
  • クレジットラインの上限は $5,000 が天井で、大規模な法人利用には別途の相談が必要になりそうです
  • 決済の一部が x402(USDC / Base)のような暗号資産のレールを経由するため、暗号資産に馴染みがない利用者には仕組みが分かりにくく感じられます
  • 独立したテスト用のサンドボックスモードはなく、ウェルカムクレジットで実際の課金を伴う呼び出しを行う設計です
  • 会社もプロダクトも 2026 年に立ち上がったばかりで、運用実績の蓄積はこれからです

類似サービスとの比較

サービスVaaya との違い
Skyfireエージェントの身元検証(KYA)と決済(KYAPay)を軸にした agent-to-service の決済網。Vaaya が採る GitHub 与信ではなく、署名付きの ID を出発点にする
Coinbase x402USDC / Base をベースにした暗号資産ネイティブな決済プロトコル。Vaaya は x402 を内部の決済レールのひとつとして使いつつ、プロバイダーの統合カタログと与信を上に載せている
Crossmintマルチチェーンの Web3 ウォレット基盤としてエージェント決済を提供します。GitHub 与信やサービスカタログの集約は主眼ではありません

こんな人におすすめ

  • 自社のエージェントに、ベンダーごとの個別契約なしで検索・データ・生成AIなどの従量課金サービスを使わせたいAIプロダクトチーム
  • 社内エージェントにリサーチやスクレイピング、インフラ利用の予算枠を与えて統制したい開発チーム
  • 複数の有料APIキーと請求先を抱え込まずに、Claude Code や Cursor、Codex から有料ツールを試してみたい個人開発者
  • 自律的に動くエージェントに支出ポリシーを敷いたうえで、取引履歴を一元的に監査したい事業者

まとめ

エージェントに作業を任せる段階まで来ると、次に詰まるのは「支払いをどう渡すか」です。Vaaya は、GitHub の公開活動を与信の材料に変えることで、カードも前払いもなしにその一歩目を踏み出せるようにしています。上限とカテゴリを人間が握ったまま渡せる設計なので、自動実行の怖さもかなり減ります。一方で、立ち上がって間もないサービスであることと、与信が GitHub の活動量に左右される点は押さえておきたいところです。まずはウェルカムクレジットの範囲で、自分のエージェントから実際に何本か呼び出してみて、台帳の見え方と上限設定の操作感を確かめるのがよさそうです。

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