TinyFish ─ 検索・取得・Web操作・クラウドブラウザを単一APIキーで扱えるAIエージェント向けWebインフラ

AIエージェントに「Webを見て、調べて、操作してもらう」ための土台をまとめて引き受けるサービスです。検索(Search API)、URLからのコンテンツ取得(Fetch API)、フォーム入力やログインを伴う自律的なWeb操作(Agent API)、Bot対策を回避できるクラウドブラウザ(Browser API)の4つを、同じAPIキーで呼び分けられます。レンダリングやレジデンシャルプロキシ、Bot対策への対応といった面倒な部分をインフラ層が吸収してくれるため、動的に変わるページやログインが必要なサイトからでも構造化データを取り出せます。提供元は米国のTiny Fish, Inc.で、2025年8月に公開されました。

主な特徴

  • Search API ─ ライブ検索結果を構造化JSONで: 実際のブラウザでレンダリングした検索結果を、そのまま扱えるJSON形式で返します。30リクエスト/分・500リクエスト/時の無料枠があり、課金なしで試せます
  • Fetch API ─ 任意のURLをきれいなテキストに: 指定したURLをレンダリングしたうえで、Markdown・JSON・HTMLのいずれかでコンテンツを返します。こちらも150URL/分・1,000URL/日の無料枠が用意されています
  • Agent API ─ 多段階のWeb操作を自律実行: ログイン、フォーム入力、複数ページをまたぐ手順といった操作を自律的にこなし、結果を構造化データとして抽出します。公式はMind2Webベンチマークでの精度を訴求しています
  • Browser API ─ Bot対策を越えるクラウドブラウザ: レジデンシャルプロキシとBot対策回避を備えたブラウザセッションをクラウド上で借りられます。自前でヘッドレスブラウザ群を運用する必要がありません
  • MCP・CLI・SDKでの統合: 公式のMCPサーバーとCLIが提供されており、Claude・Cursor・Codex・WindsurfといったMCP対応クライアントから直接呼び出せます

料金

プラン課金主な内容
Search無料30リクエスト/分・500リクエスト/時
Fetch無料150URL/分・1,000URL/日
Agent$0.016/ステップ(従量課金・Wallet制)同時実行2runs
Browser$0.002/分(従量課金・Wallet制)同時セッション5
Enterprise要問い合わせISO 27001、SSO、監査ログ、VPCデプロイ、99.99% uptime SLA

料金は2026年9月時点の情報です。最新の料金は公式サイトをご確認ください。

AgentとBrowserは事前入金したWalletから使った分だけ引かれる方式です。同時実行数の上限はEnterprise契約で引き上げられます。

メリット・デメリット

✅ メリット

  • 検索用・スクレイピング用・ブラウザ自動化用にそれぞれ別サービスを契約して回る手間がなくなり、請求もキー管理も1本にまとまります
  • SearchとFetchの無料枠だけで実用的な検証ができるため、社内の稟議を通す前に「本当に欲しいデータが取れるか」を自腹なしで確かめられます
  • Bot対策やプロキシの運用が不要になり、サイト側の仕様変更に追われる保守コストを外部に預けられます
  • MCP対応のおかげで、コードを書かずにClaudeやCursorの会話から直接Webを操作させる使い方も選べます

⚠️ デメリット

  • AgentとBrowserは従量課金のため、実行回数が読みにくいワークロードでは月々のコストが見積もりづらくなります
  • 無料枠があるのはSearchとFetchだけで、Web操作の自動化を試す段階からWalletへの入金が必要です
  • アカウント初期状態では同時実行数がAgent 2・Browser 5に制限されており、大量並列を前提とする用途では最初から営業とのやり取りが発生します

類似サービスとの比較

サービスTinyFishとの違い
Exa検索特化のAPIが主軸。TinyFishは検索に加えてWeb操作・ブラウザ自動化まで一括で提供します
Firecrawlページ抽出が中心。TinyFishはより広いカバレッジに加え、エージェントによる操作機能を持つと公式が訴求しています
ParallelWeb検索APIが主軸。TinyFishはカバレッジと操作(インタラクション)機能で上回ると訴求しています
Tavily検索・抽出APIが中心。TinyFishはログインやBot対策のある操作系ワークフローまで対応します

こんな人におすすめ

  • ECサイトの価格や在庫を定期的に巡回して監視したい事業者
  • 保険・金融など、複数のポータルから相見積もりを自動で集めたい業務の担当者
  • ログインが必要な社内外システムから、定型のデータ抽出を自動化したいエンジニア
  • リサーチや監視のパイプラインを組むにあたって、検索と取得と操作を別々に調達したくない開発チーム
  • ヘッドレスブラウザやプロキシの自前運用に時間を取られている小規模チーム

まとめ

Webからデータを取る仕事は、検索・取得・操作・ブラウザ運用という4種類の技術課題が絡み合いがちです。TinyFishはその4つを1つのAPIキーの裏側にまとめ、サイト側の防御やレンダリングへの対応を肩代わりしてくれます。まずは無料枠のあるSearchとFetchで、狙ったサイトから実際に欲しい形のデータが返ってくるかを確認し、そこから先の自動操作が必要になった段階でAgentとBrowserに進むのが無理のない順序です。大量並列を前提にするなら、同時実行数の上限について早めに問い合わせておくとよいでしょう。

関連リンク

← ブログ