Google LabsとGoogle DeepMindが開発したAIマーケティングツール。自社サイトのURLを入力するだけで、ブランドカラー・フォント・写真の傾向・文章のトーンといった「ビジネスDNA」をAIが読み取り、それに沿ったキャンペーン案とSNS投稿・広告クリエイティブ・バナーなどの素材をまとめて生成する。デザイナーや専属マーケターを置きにくい中小規模のビジネスが、少ない手間でブランドの統一感を保った発信を続けられることを狙っている。2025年10月28日にパブリックベータとして公開され、その後もPhotoshoot(商品写真のスタジオ撮影風変換)やブランドブック生成、簡易ウェブサイト作成といった機能が追加されている。
主な特徴
- ビジネスDNAの自動抽出: 自社サイトのURLを入力すると、AIがサイトを解析してブランドカラー・フォント・画像の雰囲気・文章のトーンを抽出し、ブランドの「型」として保存する。以降に生成される素材はすべてこの型に沿う
- キャンペーンアイデアの提案: ビジネスDNAをもとに、そのビジネスに合ったキャンペーン案を複数提示する。自分でプロンプトを書いて方向性を指定することもできる
- ブランド統一素材の一括生成: 選んだキャンペーン案から、SNS投稿・広告クリエイティブ・バナーなどの素材を生成。文言や配色を調整したうえでダウンロードし、複数チャネルに展開できる
- Photoshootで商品写真をスタジオ品質に: 2026年2月に追加された機能。手元の商品写真をアップロードし、スタジオ風やライフスタイル風のテンプレートを選ぶと、Googleの画像生成モデル「Nano Banana」がブランドの雰囲気に合わせた仕上がりに変換する
- エージェント対話とブランドブック: 2026年5月には、資料をアップロードしたりエージェントと会話したりしながらブランドアイデンティティを組み立てる機能、ブランドの画像・フォント・カラーをまとめたブランドブックの生成、数クリックでのウェブサイト構築が追加された
料金
| プラン | 月額料金 | 主な特徴 |
|---|---|---|
| パブリックベータ | $0(無料) | Googleアカウントでログインして全機能を利用可能。ベータ終了後の料金は未発表 |
料金は2026年8月時点の情報です。最新の料金は公式サイトをご確認ください。
メリット・デメリット
✅ メリット
- サイトのURLを渡すだけで作業が始まるため、ブランドガイドラインを文書化していなくても統一感のある素材が作れる
- 現時点では無料で、Googleアカウントがあればすぐ試せる
- キャンペーン案の提案から素材生成まで一連の流れがつながっており、「何を作るか」から迷わずに済む
- Photoshootにより、商品写真の撮影コストをかけずに広告用ビジュアルを用意できる
⚠️ デメリット
- Google Labsの実験的プロジェクトであり、仕様変更や提供終了の可能性がある
- 公開当初はアメリカ・カナダ・オーストラリア・ニュージーランドの英語のみ、その後欧州(EEA・英国・スイス)へ拡大という段階的な展開で、利用できる国・言語は公式の案内を確認する必要がある
- 生成される文章・画像はそのまま使えるとは限らず、事実確認と表現の調整は人間側の作業として残る
- サイトの情報量が少ない場合、抽出されるビジネスDNAの精度が上がりにくい
- ベータ終了後の料金体系が発表されていないため、業務フローに組み込むには不確実性がある
類似サービスとの比較
| 比較項目 | Pomelli | Canva Magic Studio | Adobe Express | AdCreative.ai |
|---|---|---|---|---|
| 提供元 | Google Labs | Canva | Adobe | AdCreative.ai |
| 起点 | 自社サイトのURL | テンプレート選択 | テンプレート選択 | ブランド情報の登録 |
| 強み | ブランド解析から素材生成までの自動化 | 編集機能とテンプレートの豊富さ | Adobe素材・フォント資産との連携 | 広告クリエイティブの量産と効果予測 |
| 料金 | 無料(ベータ) | 無料枠あり/有料プラン | 無料枠あり/有料プラン | 有料 |
| 位置づけ | 実験的プロジェクト | 正式サービス | 正式サービス | 正式サービス |
こんな人におすすめ
- デザイナーや専属マーケターがおらず、SNS投稿や広告の素材を自分で用意している小規模事業者
- サイトはあるが、ブランドガイドラインを文書としてまとめられていない事業者
- 商品写真を撮影する予算や機材がなく、広告用のビジュアルに困っている物販事業者
- キャンペーンの企画段階で、方向性のたたき台をAIに出させたいマーケティング担当者
まとめ
Pomelliは、「自社サイトを読ませる」という入り口の簡単さと、キャンペーン案から素材生成までを一続きにした設計が特徴のマーケティングツールである。ブランドの統一感を保ちながら発信量を増やしたい小規模事業者にとって、無料で試せる選択肢として有力といえる。ただしGoogle Labsの実験的プロジェクトであり、提供地域・言語や将来の料金には不確実性が残るため、まずは補助的な用途から試し、業務の中心に据えるかは実際の出力品質を見て判断するのが現実的である。