Octen ─ AIエージェント向けに設計し直したリアルタイムWeb検索・抽出API基盤

Octenは、検索エンジンを人間ではなくAIエージェントやLLM向けに設計し直したリアルタイムWeb検索基盤です。ひとつの質問を多数のサブクエリへ自動分解して並列に検索するBroad Search、任意のURLを構造化データへ変換するExtract、自社開発の埋め込みモデル、複数のLLMを単一APIで呼び出せるModel Gatewayを、ひとつのAPIキーでまとめて使えます。2026年3月に公式ローンチし、MCPサーバー・CLI・SkillとしてClaude CodeやCursor、LangChain、LlamaIndexなどの開発環境へ直接組み込めます。運営はアメリカのOcten Inc.です。

主な特徴

  • Web Search API: LLMが扱いやすい形にランキングされた検索結果とハイライトを低遅延で返します。1コールあたり10件まではページのフルコンテンツ取得も追加料金なしで利用できます
  • Broad Search: ひとつの質問を多数のサブクエリへ自動で分解し、並列に検索して結果を集約します。「あるテーマを多角的に調べる」という調査の型をAPI側が肩代わりしてくれます
  • Extract: 任意のURLをクリーンなMarkdownへ変換し、意図に応じたハイライトやページ分類を付けて返します。スクレイピングと本文抽出を自前で書かずに済みます
  • Embedding / VL Embedding: 自社開発のテキスト埋め込みモデルとマルチモーダル埋め込みモデルをAPI経由で提供します。検索や類似度計算を同じ基盤の中で完結させられます
  • Model Gateway: 主要なLLM・マルチモーダルモデルへ単一のAPIでアクセスできます。検索結果を組み込んだ推論をそのまま実行でき、利用額の一部が毎月クレジットとして還元されます
  • アプリケーション層: Answer(回答生成)、Deep Research、Multimodal Chat、Grounded Generationが用意されています。このうち画像・動画検索とMultimodal Chat、Grounded GenerationはEarly Access扱いです

料金

基本は固定の基本料金がない従量課金(Pay-As-You-Go)です。新規登録時に$5分の無料クレジットが自動付与されるため、初期費用なしで試せます。

機能料金の目安
Web Search$1〜$5 / 1,000コール
Broad Search$1〜$5 / 1,000サブクエリ
Extract$1 / 1,000 URL
Embedding$0.01〜$0.07 / 100万トークン
VL Embedding$0.05〜$0.25 / 100万トークン
Deep Research$0.20〜$3.00 / リクエスト
Grounded Generation$0.25〜$1.00 / 出力

検索スループット(QPS)を予約したい場合は、従量課金とは別会計のQPS Planを追加します。

QPS Plan月額上限QPS
Free$0最大20 QPS(初期10 QPS)
Builder$2,099最大50 QPS
Pro$13,999最大200 QPS
Max$33,999最大500 QPS
Enterprise要問い合わせ1,000,000+ QPS

Builder以上には専用の優先キュー、スループットとSLAの保証、メールサポートが付きます。EnterpriseではZero Data Retention(ゼロデータ保持)と専用Slackチャンネルでのサポートを選べます。

料金は2026年9月時点の情報です。Web Searchの単価やBuilder以上のQPS Planには期間限定の割引表記が付いていたため、正規料金と実際の請求額は変動する可能性があります。最新の料金は公式サイトをご確認ください。

メリット・デメリット

✅ メリット

  • 多角的な調査をAPI側が並列で片づけてくれるため、エージェントの「調べている時間」を短くできます
  • 検索・抽出・埋め込み・モデル呼び出しをひとつのAPIキーで賄えるので、契約先と鍵の管理が増えません
  • MCPサーバー・CLI・Skillが用意されており、Claude CodeやCursorなど普段の環境にそのまま差し込んで評価を始められます
  • $5分の無料クレジットが自動付与されるため、稟議を通す前に自分の用途で実測できます
  • SOC 2 Type 2に準拠し、Enterpriseではデータを保持しない設定も選べるため、社内のセキュリティ審査で話を進めやすくなります

⚠️ デメリット

  • 画像検索・動画検索・Multimodal Chat・Grounded GenerationはEarly Access扱いで、これらを前提に設計すると提供状況に左右されます
  • 月額固定の一般的なSaaSプランがなく、利用量次第で請求額が動くため、費用の見通しを立てにくい面があります
  • 高いスループットを継続して必要とする場合、QPS Planが従量課金とは別に月額で乗ってきます
  • 検索精度のベンチマークは自社が公開した数値で、第三者による独立検証は確認できませんでした。採用判断は自分のクエリでの実測に寄せるのが安全です

類似サービスとの比較

サービスOctenとの違い
ExaAI向けWeb検索APIの先行プレイヤーで、実績と情報量で優位です。Octenは自社公開のベンチマークでExa instantを上回る正答率を主張しています
Parallel同じくAIエージェント向けの検索API。Octenは自社サイトでturbo版との比較ベンチマークを掲載しています
TavilyLLMエージェント向け検索APIとして早くから使われてきたサービス。Octenの自社ベンチマークでは比較対象の中で最も差が大きいとされています

いずれも「検索結果をLLMが扱いやすい形で返す」点は共通しています。Octenの差別化は、サブクエリへの自動分解と、埋め込みモデル・Model Gatewayまで同じ基盤に載せている点にあります。

こんな人におすすめ

  • AIエージェントやコパイロットに、最新のWeb情報を踏まえた回答をさせたい開発者
  • 静的なベクトルDBでは情報が古くなるため、都度Web規模の情報を取りにいくRAGを組みたいチーム
  • ディープリサーチやレポート生成など、1リクエストの裏で大量の検索を走らせるアプリケーションを作っている人
  • 検索・抽出・埋め込みを別々のベンダーで契約していて、管理コストを減らしたい人

まとめ

検索・抽出・埋め込み・モデル呼び出しを別々のベンダーで組み合わせる必要がなくなる点が、Octenを検討する一番の理由になります。とくにエージェントに調査をさせるアプリでは、Broad Searchによる並列検索が体感速度に効いてきます。一方で一部機能はEarly Access、料金は従量課金が基本、精度の根拠は自社ベンチマークという状態なので、まずは$5の無料クレジットで自分のクエリを実際に投げ、精度と費用の両方を確かめてから本採用を判断するのが確実です。

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