Celonis, Inc.が提供する、ノーコードでワークフローを構築できるビジュアル自動化プラットフォーム。旧名はIntegromatで、2022年にMakeへとリブランドされた。3,000以上のアプリ・サービスをドラッグ&ドロップで接続し、複雑な業務プロセスを「シナリオ」と呼ばれるフローチャート状の画面で自動化できる。近年はAI機能の拡充が著しく、自然言語で自動化を組み立てられるアシスタント「Maia」や、シナリオに組み込めるAIエージェント機能(ベータ)を搭載。ビジュアル・コード・プロンプトのいずれの手法でも構築・管理が可能で、2025年8月からはモジュール呼び出しごとに消費するクレジット制の従量課金へ移行している。
主な特徴
- ビジュアルシナリオビルダー: モジュール(各アプリの操作)を丸いアイコンとして配置し、線でつなぐだけでワークフローが完成する。データの流れが視覚的に把握でき、分岐・繰り返し・エラー処理も画面上で設計できる
- 3,000超のアプリ連携: Google Workspace、Slack、Notion、Shopifyなどの定番から、OpenAI・Anthropic・Googleの生成AIを含む350以上のAIアプリまで幅広く接続。HTTPモジュールを使えば未対応のAPIとも連携できる
- AIエージェント機能(ベータ): 自然言語での指示と事前定義シナリオを組み合わせ、状況に応じて判断・行動するエージェントをシナリオに組み込める。有料プランではOpenAI等の自前APIキーを持ち込んでコストを抑えることも可能
- Maiaによる自然言語構築: 「○○を自動化したい」と対話するだけでシナリオの叩き台を生成してくれるAIアシスタント。ノーコードの学習コストをさらに下げる
- 柔軟なデータ変換・制御: 数百の組み込み関数、ルーター(分岐)、イテレーター/アグリゲーター(配列処理)を備え、Zapierより一段複雑な処理をノーコードで表現できる
- クレジット制の従量課金: 通常のモジュール実行は1回=1クレジットが基本。使った分だけ消費する仕組みで、無料プランでも月1,000クレジットまで試せる
料金
| プラン | 月額料金 | クレジット/月 | 主な特徴 |
|---|---|---|---|
| Free | $0 | 1,000 | 基本機能、AIアプリ・AIエージェント(ベータ)利用可 |
| Core | $9〜 | 10,000〜 | 無制限のアクティブシナリオ、基本的な自動化向け |
| Pro | $16〜 | 10,000〜 | 優先実行、カスタム変数、フル テキスト実行ログなど |
| Teams | $29〜 | 10,000〜 | チーム・権限管理、シナリオテンプレートの共有 |
| Enterprise | 要問い合わせ | カスタム | カスタム関数、24/7サポート、超過保護など |
年払いにすると15%程度割安になり、クレジットの有効期限も月次から12ヶ月に延びる。AIエージェントを使うシナリオは1実行で数十クレジットを消費することがあるため、AI中心の用途では余裕を持ったプラン選びが必要。
料金は2026年8月時点の情報です。最新の料金は公式サイトをご確認ください。
メリット・デメリット
✅ メリット
- フローチャート状のビジュアルエディターで、複雑な分岐・繰り返しを含む自動化も直感的に設計できる
- 同等の処理をZapier等で組むより料金が割安になりやすく、無料プランの範囲も広い
- 3,000超のアプリと350以上のAIアプリに対応し、HTTPモジュールでほぼ任意のAPIと連携できる
- AIエージェント・Maiaなど、AI活用の選択肢が全プランで使える
- 実行ログが詳細で、各モジュールを通過したデータを1件ずつ確認しながらデバッグできる
⚠️ デメリット
- Zapierに比べると概念(シナリオ・モジュール・バンドル等)が多く、初学者には最初の学習コストがある
- 2025年8月のクレジット制移行により、AI機能を多用すると消費量が読みにくくなった
- 無料プランはクレジットが月1,000で、実運用にはすぐ足りなくなる
- 日本語のドキュメント・情報はまだ英語に比べて少ない
類似サービスとの比較
| 比較項目 | Make | Zapier | n8n | Power Automate |
|---|---|---|---|---|
| 提供元 | Celonis, Inc. | Zapier | n8n GmbH | Microsoft |
| 構築スタイル | ビジュアルシナリオ | ステップ型(直線的) | ノードベース(自己ホスト可) | ビジュアルフロー |
| 連携アプリ数 | 3,000超 | 8,000超 | 数百+任意ノード | Microsoft製品中心+コネクタ |
| 料金の傾向 | 割安(クレジット制) | やや高め(タスク制) | 自己ホストなら無料も可 | Microsoft 365と親和 |
| 向いている人 | 複雑な自動化を安く | とにかく手軽に | エンジニア・自社運用 | Microsoft環境の企業 |
こんな人におすすめ
- Zapierでは物足りない分岐・繰り返し・データ変換を、コードを書かずに実現したい人
- 業務アプリ間の連携を安く大量に回したい個人事業主・スタートアップ
- 生成AIを組み込んだワークフロー(要約・分類・自動返信など)を試したい人
- 自動化の処理内容を視覚的に把握・共有したいチーム
まとめ
Makeは、ビジュアルなシナリオビルダーと割安な従量課金を武器に、「Zapierより複雑なことを、エンジニアを頼らずやりたい」層の定番となった自動化プラットフォームである。近年はMaiaやAIエージェントの搭載でAIワークフロー基盤としての色も濃くなった。まずは無料プランの1,000クレジットで身近な作業の自動化を1本組んでみて、クレジット消費の感覚をつかんでから有料プランを検討するとよい。