米国のスタートアップ Roger が開発した、アウトバウンド営業(新規開拓の攻めの営業)を自動化するAIエージェント。使い方は自社のWebサイトのURLを貼るだけで、そこから商材の価値提案とICP(Ideal Customer Profile=理想的な顧客像)を読み取り、条件に合う企業を探し出し、担当者へのアプローチ文面まで用意する。話題になった自律エージェントの枠組み「OpenClaw」を土台にしており、リサーチから初回接触までを人手を介さず一気通貫で走らせる点が特徴。2026年2月にY Combinatorの Launch YC で公開された。
主な特徴
- URLひとつでICPを自動生成: 自社サイトを解析して「何を売っているのか」「誰に売るべきか」を推定し、業種・規模・役職といったターゲット条件を自動で組み立てる。営業リストの設計から始める必要がない
- 求人情報を手がかりにした購買シグナル検出: 数百万件規模の求人情報や組織変更(新任の責任者採用、特定職種の増員など)を監視し、「今まさに困っていて予算がありそうな企業」を優先的に拾い上げる
- 企業ごとの深掘りリサーチ: 候補企業を機械的に並べるだけでなく、事業内容や直近の動きを調べたうえで、その会社に固有の文脈を織り込んだ文面を作る
- メールとLinkedInのマルチチャネル配信: 1つのチャネルに頼らず、メールとLinkedInを組み合わせてアプローチを実行する
- AIパワーダイヤラーによる通話支援: 電話でのアプローチについても、AIによる発信支援が用意されている(提供元の説明による)
- 60秒級のスピード: URLの入力からリサーチ・初回アプローチの開始までを数十秒で完了させることを掲げている
料金
| プラン | 料金 | 主な内容 |
|---|---|---|
| 無償で試せる範囲 | $0 | 第三者のソフトウェア紹介サイトでは「無料で使い始められる」と案内されている |
| 有料プラン | 要問い合わせ | 送信数・シート数などに応じた条件は公式サイトの価格表を参照 |
料金は2026年8月時点の情報です。公式サイトの価格表はブラウザ上で動的に描画されるため、本記事の執筆時点では具体的な金額を確認できませんでした。最新の料金は公式サイトの価格ページをご確認ください。
メリット・デメリット
✅ メリット
- 営業リストの作成・企業リサーチ・文面作成という、時間を食う工程をまとめて肩代わりできる
- URLを入れるだけで始められるため、セールス専任者がいない小規模チームでも導入しやすい
- 求人という「動きのあるシグナル」を起点にするので、静的な企業リストより当たりを付けやすい
- メール・LinkedIn・電話と複数の接点を1つのツールで扱える
⚠️ デメリット
- 公式サイトの料金が読み取りにくく、費用感を事前に把握しづらい
- 2026年2月公開の新しいサービスで、第三者によるレビューや実績の蓄積がまだ少ない
- AIが生成した文面をそのまま大量送信すると、送信ドメインの評価を落としたり、受け手の心証を損なうリスクがある
- 日本語圏での利用実績は乏しく、国内企業をターゲットにする場合はデータの網羅性を自分で検証する必要がある
- アウトバウンド営業は各国の法規制(迷惑メール・個人情報保護など)の対象になるため、運用ルールの整備は利用者側の責任になる
類似サービスとの比較
| 比較項目 | ClawGTM | Clay | Artisan | 11x |
|---|---|---|---|---|
| 位置づけ | 自律型GTMエージェント | リスト構築・データ拡張の基盤 | AI SDR(営業担当の代替) | AIデジタルワーカー |
| 起点 | 自社サイトのURL | 各種データソースの組み合わせ | ICP設定とキャンペーン設計 | ICP設定とキャンペーン設計 |
| 特徴的なシグナル | 求人情報・組織変更 | 100種類超の外部データ連携 | 意図データを含む複合シグナル | 意図データを含む複合シグナル |
| 主なチャネル | メール・LinkedIn・電話 | 他ツールへの受け渡しが中心 | メール・LinkedIn | メール・LinkedIn |
| 料金 | 公式サイト参照 | 公式サイト参照 | 公式サイト参照 | 公式サイト参照 |
こんな人におすすめ
- 営業専任者を置けないB2Bのスタートアップや小規模チームで、新規開拓の初速を上げたい人
- 手作業でのリスト作成とリサーチに時間を取られており、その工程を圧縮したい営業担当者
- 「今動いている企業」を狙い撃ちしたい、シグナルベースの営業に関心があるマーケター
- 自律型AIエージェントを実務でどこまで使えるか検証したい人
まとめ
ClawGTMは、自社サイトのURLを渡すだけでICPの特定からリード発掘・アプローチまでを走らせる、アウトバウンド営業の自動化に振り切ったAIエージェント。求人情報を購買シグナルとして使う設計は、静的な企業リストを配るタイプのツールとは狙いが違う。一方で公開から日が浅く料金体系も読み取りにくいため、まずは小さく試して自社のターゲットに対するリードの質を確かめ、送信の量とトーンは人の目で管理する運用から始めるのが現実的である。