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YomiToku ─ 手書き・縦書きにも強い、日本語文書に特化したオープンソースのAI-OCR&文書解析エンジン

MLism株式会社が開発する、日本語ドキュメントに特化したAI-OCR&文書解析エンジン。文字位置の検出、文字列認識、レイアウト解析、表構造認識という4つの独自学習モデルを組み合わせ、帳票や報告書の文字情報を高精度に抽出して構造化する。単に文字を読み取るだけでなく、見出し・段落・表・図といった文書の意味的な構造と読み順を保ったまま、HTML・Markdown・JSON・CSV・サーチャブルPDFへ変換できるのが特徴である。2024年11月に公開され、PythonパッケージおよびCLIツールとして提供されている。海外製OCRが苦手としがちな手書き文字や縦書きレイアウトに正面から対応している点で、日本語の紙資料をデジタル化したい現場に向く。

主な特徴

  • 4つのAIモデルによる文書解析: 文字位置検知・文字列認識・レイアウト解析・表構造認識の4モデルを組み合わせ、文字の中身だけでなく「どこに何が書かれているか」まで解析する。表はセル結合を含む構造として復元される
  • 日本語に特化した認識精度: 7,000文字を超える日本語文字種に対応し、手書き文字と縦書きレイアウトも認識できる。日本語データセットで学習した独自モデルのため、和文帳票や古い書式の書類に強い
  • 読み順の推定とレイアウト保持: 段組みや図表が混在するページでも文書要素の論理的な順序を判定し、レイアウトの意味的構造を壊さずに情報を抽出する。生成AIに渡す前処理として扱いやすい
  • 多様な出力フォーマット: HTML、Markdown、JSON、CSV、サーチャブルPDFに出力可能。文書内の図表や画像の切り出しにも対応する
  • ローカル環境で完結: PythonパッケージとCLIツールとして提供され、クラウドに文書をアップロードせずに手元で処理できる。軽量モデルはCPUでも動作し、GPU利用時もVRAM 8GB以内で動く構成が用意されている
  • MCP対応: Model Context Protocol サーバーとしても動作し、対応するAIアシスタントから文書解析機能を呼び出せる

料金

提供形態料金主な内容
オープンソース版無償(CC BY-NC-SA)Pythonパッケージ/CLI。非商用利用に限定
YomiToku-Pro要問い合わせ商用ライセンス版の文書解析AIエンジン
YomiToku-Pro for AWS要問い合わせ(AWS Marketplace)SageMakerベースの文書解析API
個別学習・開発支援要問い合わせ独自データでの追加学習・導入支援

オープンソース版のライセンスは CC BY-NC-SA(表示・非営利・継承)で、無償で使えるのは自社内で完結する精度検証や技術評価、大学・研究室など教育機関での利用、無償かつ本番投入しない外部PoCに限られる。有償のPoC、業務システムへの組み込み、再販・OEM・SaaS提供、受託開発、社内業務の効率化、出力結果の外部提供などは商用ライセンスの対象となる。判断に迷う場合は開発元のMLismへの問い合わせが案内されている。

料金は2026年8月時点の情報です。最新の料金は公式サイトをご確認ください。

メリット・デメリット

メリット

  • 日本語の手書き文字・縦書きレイアウトに対応し、和文特有の書類に強い
  • 表構造やレイアウトを保ったまま構造化データとして出力できるため、後段のRAGや生成AI処理に載せやすい
  • ローカル実行が前提で、機密文書を外部クラウドに送らずに処理できる
  • 軽量モデルはCPUでも動作し、GPU環境でもVRAM 8GB以内で完結する
  • CLIとPythonパッケージの両方が用意され、単発の変換からバッチ処理まで扱える

⚠️ デメリット

  • オープンソース版は非商用ライセンスで、業務利用には商用ライセンスの取得が必要
  • 商用ライセンスの料金が公開されておらず、導入コストの見積もりに問い合わせが必要
  • Python環境のセットアップが前提で、ノーコードで使えるWebサービスではない
  • 日本語特化のため、多言語混在文書の処理は主要用途から外れる
  • 精度は原稿の状態(かすれ、傾き、低解像度)に左右され、あらゆる帳票で一律の結果が出るわけではない

類似サービスとの比較

比較項目YomiTokuGoogle Document AIAzure AI Document IntelligenceAmazon Textract
提供元MLism株式会社(日本)GoogleMicrosoftAmazon Web Services
実行環境ローカル/オンプレミス/AWS Marketplaceクラウドクラウド(コンテナ提供あり)クラウド
日本語手書き・縦書き対応を明示言語により差がある言語により差がある言語により差がある
出力形式HTML/Markdown/JSON/CSV/検索可能PDFJSON中心JSON中心JSON中心
料金体系OSSは無償(非商用)/商用は要問い合わせ従量課金従量課金従量課金

クラウド型の3サービスはフォーム抽出や請求書テンプレートなど周辺機能が充実する一方、文書を外部に送信する前提になる。YomiTokuは日本語特化とローカル完結という2点で性格が異なる。

こんな人におすすめ

  • 手書きの申請書や縦書きの報告書など、日本語特有の紙資料をデジタル化したい担当者
  • 機密文書を外部クラウドにアップロードできず、オンプレミスでOCRを完結させたい組織
  • PDFや紙の資料を構造化してRAGや生成AIの入力に使いたいエンジニア
  • OCRの精度をまず自社データで検証したい研究・技術評価チーム
  • 日本語文書解析の実装を学びたい学生・研究者

まとめ

YomiTokuは、日本語の帳票・書類を「読める形」ではなく「使える構造」に変換することに焦点を当てた文書解析エンジンである。手書きと縦書きへの対応、レイアウトと読み順を保った出力、ローカル完結という3点が中心的な価値で、生成AIに紙資料を渡すための前処理として使いやすい。まずはオープンソース版で自社データの精度を検証し、業務に組み込む段階で商用ライセンスやYomiToku-Proの導入を検討する流れが現実的である。

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