Voicenotes は、録音した音声をその場で文字起こしし、要約や ToDo の抽出、多言語への翻訳まで自動で行う音声ノートアプリ。米国の Coping Hard Inc.(Buy Me a Coffee の運営元)が 2024 年 4 月に公開した。思いついたことを話しておくだけで、あとから「先週の打ち合わせで決まった納期は?」のように自然な言葉で検索できるのが最大の特徴である。当初は個人向けのボイスメモアプリとして始まったが、その後は会議の自動記録にも軸足を広げ、Zoom・Microsoft Teams・Google Meet・Webex といった主要な会議ツールに対応している。Mac / Windows / iOS / Android のほか、Apple Watch・Wear OS・Web・Chrome 拡張からも使える。
主な特徴
- 録音するだけで文字起こしと要約: 録音を止めた時点で文字起こしが完了し、要約・アクションアイテム・次のステップが自動生成される。会議中にメモを取る必要がない
- 自然言語での検索(AI 検索): 蓄積したノート全体に対して質問を投げると、該当する箇所を横断して答えを返す。「いつ・どのノートに書いたか」を覚えていなくてもたどり着ける
- 100 以上の言語に対応: 言語の自動判定に加え、文の途中で話す言語が切り替わっても追従する。日本語と英語が混じる打ち合わせでも扱いやすい
- 会議ツールとのボット不要の連携: 会議室に参加者としてボットを招き入れる方式ではなく、端末側で音声を捉える方式のため、相手側に録画ボットが表示されない
- 外部ツール連携と MCP 対応: Zapier・Notion・ChatGPT・Claude・WhatsApp などと連携できるほか、Model Context Protocol(MCP)サーバー(
https://api.voicenotes.com/mcp)を公開しており、AI アシスタント側からノートの意味検索・取得・作成ができる - プライバシーへの配慮: 利用者のデータを AI の学習に使わない方針を掲げ、SOC 2 Type II 認証と GDPR 準拠を明示している
料金
| プラン | 料金 | 主な内容 |
|---|---|---|
| Basic(無料) | $0 | 録音は無制限。文字起こしは週 100 分まで。100 以上の言語に対応、ノートの参照は 30 日間 |
| Pro | 1 ユーザーあたり月額 $9 | 文字起こし無制限、リアルタイム文字起こしと AI ノート、履歴の無期限保存、音声のインポートとストレージ無制限、Zapier / Notion / Claude / ChatGPT / MCP 連携、チーム一括請求 |
| Enterprise | 1 ユーザーあたり月額 $24(詳細は要問い合わせ) | Pro の全機能に加え、SSO・SCIM、同意管理、共有範囲の管理機能、専任サポート、CRM 等との個別連携 |
料金は2026年8月時点の情報です。最新の料金は公式サイトをご確認ください。年払いの割引が案内される場合があるため、購入前に公式の料金ページで確認するとよい。
メリット・デメリット
✅ メリット
- 話すだけで文字起こしと要約が完成するため、議事録づくりの手間がほぼなくなる
- 過去のノートを自然な言葉で検索でき、記録が増えるほど価値が上がる
- 対応プラットフォームが広く、スマートフォン・PC・スマートウォッチのどこからでも同じノートに追記できる
- 会議ツール連携でボットが同席しないため、相手に録画ツールの存在を意識させにくい
- MCP 対応により、Claude や ChatGPT 側から自分のノートを直接参照させられる
⚠️ デメリット
- 無料プランは文字起こしが週 100 分・履歴 30 日までで、日常的に会議を記録する使い方だと早い段階で有料プランが必要になる
- インターフェースやサポート文書は英語が中心で、日本語の情報は多くない
- 文字起こしの精度は録音環境や話者の重なりに左右され、専門用語や固有名詞は手直しが必要になることがある
- 録音は相手のいる場面では同意の取得が前提になり、運用ルールを決めずに使うとトラブルの元になる
類似サービスとの比較
| 比較項目 | Voicenotes | Otter.ai | Granola | Fireflies.ai |
|---|---|---|---|---|
| 主な用途 | 個人のボイスメモ+会議記録 | 会議の文字起こしと共有 | 会議中の手書きメモの AI 補完 | 会議記録と営業向け分析 |
| 得意な場面 | 思いつきの記録から会議まで幅広く | チームでの議事録共有 | 自分のメモを残しつつ整形したい人 | 商談の記録と CRM 連携 |
| 会議へのボット参加 | 不要(端末側で取得) | 参加型が中心 | 不要 | 参加型が中心 |
| 自然言語での過去検索 | 対応 | 対応 | 対応 | 対応 |
| 対応プラットフォーム | Mac / Windows / iOS / Android / ウォッチ / Web | Web / iOS / Android など | Mac 中心 | Web 中心 |
| 無料プラン | あり(週 100 分) | あり | あり | あり |
いずれも「会議を記録して要約する」点は共通しているが、Voicenotes は会議専用ツールではなく、ひとりごとのメモや日記のような短い録音まで同じ場所にためられる点が性格の違いになる。
こんな人におすすめ
- 移動中や散歩中に思いついたことを、キーボードを使わず残しておきたい人
- 会議のたびに議事録を書き起こしていて、その時間を減らしたい人
- 日本語と英語が混ざる打ち合わせが多く、多言語の文字起こしが必要な人
- 過去のメモが増えすぎて、どこに何を書いたか分からなくなっている人
- Claude や ChatGPT から自分のノートを参照させ、AI と組み合わせて使いたい人
まとめ
Voicenotes は、「話す」を入口にした記録の道具である。録音から文字起こし・要約・ToDo 抽出までが一続きで終わり、たまったノートは自然な言葉で引き出せる。会議記録に絞ったツールと比べると用途の幅が広く、日々の思いつきと仕事の記録を同じ場所に置ける点が持ち味になる。まずは無料プランで週 100 分の範囲を試し、記録が習慣になったところで Pro プランを検討するのが現実的な始め方である。