Verdentは、複数のAIエージェントを同時に動かしてソフトウェア開発を進めるプラットフォームである。「こういうものを作りたい」と自然言語で伝えると、要件の整理・タスク分解・実装・テスト・ドキュメント生成までをエージェントが分担して進める。特徴的なのはGitのワークツリー機能を使った作業領域の分離で、各エージェントが独立したブランチと作業ディレクトリを持つため、複数の作業が同時に走ってもファイルの取り合いが起きない。Mac向けデスクトップアプリ(Apple Silicon / Intel)に加え、VS CodeとJetBrains系IDEの拡張としても使える。2025年9月に登場した比較的新しいサービスで、開発元は米国のVerdent。
主な特徴
- 複数エージェントの並列実行: 依頼を受けたエージェントがタスクを分解して優先度を決め、複数のワーカーが同時に作業する。フロントエンドの修正とバックエンドのロジック変更、テスト作成を並行して進められる
- Gitワークツリーによる作業分離: ワーカーごとに独立したワークツリー(同一リポジトリの別作業ディレクトリ)とブランチが割り当てられる。作業が混ざらず、mainブランチが壊れるリスクを避けられる。差分を確認して納得したものだけをマージする流れになる
- Verdent Deckによる俯瞰: 複数のプロジェクトとエージェントを一画面で管理するダッシュボード。タスクの進行状況・差分・生成されたドキュメントをまとめて確認できる
- プロジェクト文脈の保持: セッションをまたいでプロジェクト全体のコンテキストを保持し、使用パターンや好みを記憶する。機能を追加するたびに前提から説明し直す必要がない
- 複数モデルとBYOKに対応: Claude・GPT・Gemini・GLM・Kimi・DeepSeekなど複数の主要モデルを切り替えて使える。自分のAPIキーを持ち込むBYOK(Bring Your Own Key)にも対応する
- IDEとチャットツールからの利用: VS Code / JetBrains の拡張として既存の開発環境に組み込めるほか、SlackやTelegramから非同期でタスクを投げる使い方もできる。VS Code拡張はMCP(Model Context Protocol)による外部ツール連携にも対応する
料金
| プラン | 月額料金 | 主な内容 |
|---|---|---|
| Free | $0 | 7日間のトライアル、100クレジット、BYOK/BYOA対応 |
| Lite | $5 | 従量課金でクレジットを都度追加、軽量モデル中心、Eco Mode |
| Starter | $19 | 月480クレジット、主要モデル全般、Eco Mode |
| Pro | $59 | 月1,500クレジット、クラウドアプリ枠とストレージ拡大 |
| Max | $179 | 月4,500クレジット、クラウドアプリ枠とストレージ最大 |
| Teams | 1人あたり$20 | 1人あたり月480クレジット、一括請求、優先サポート |
| Enterprise | 要問い合わせ | 割り当ての個別調整、組織管理機能、専用サポート |
クレジットが足りない場合は都度購入(トップアップ)でき、$20で340クレジットからの複数の単位が用意されている。クレジットの消費はモデル提供元の料金に基づき、上乗せはしないと公表されている。
料金は2026年8月時点の情報です。最新の料金は公式サイトをご確認ください。
メリット・デメリット
✅ メリット
- 並列実行が前提の設計なので、独立した複数の作業を同時に片付けられる
- ワークツリーによる分離で、エージェントの作業が互いを壊さない。差分レビューを挟んでからマージできるため安全性が高い
- 複数のモデルベンダーを切り替えられ、BYOKで自分の契約を使い回せる
- Macアプリ・VS Code・JetBrainsと選択肢が広く、既存の開発環境を大きく変えずに導入できる
- クレジット消費に上乗せがなく、コストの見通しを立てやすい
⚠️ デメリット
- 無料プランは7日間・100クレジットのトライアルであり、無期限に使える無料枠ではない
- 実質的な常用にはStarter(月$19)以上が必要で、使用量が多いと上位プランやトップアップの費用がかさむ
- 並列エージェントの価値を活かすにはGitのブランチ運用やレビューの習慣が前提になり、初心者にはハードルがある
- デスクトップアプリはMac向けで、Windows / Linuxユーザーの選択肢はIDE拡張が中心になる
- 2025年秋に登場した新しいサービスで、実績や日本語の情報はまだ多くない
類似サービスとの比較
| 比較項目 | Verdent | Claude Code | Cursor | Devin |
|---|---|---|---|---|
| 提供元 | Verdent | Anthropic | Anysphere | Cognition |
| 形態 | Macアプリ + IDE拡張 | ターミナルCLI | 独立エディタ | クラウド型エージェント |
| 並列エージェント | ワークツリー分離で標準対応 | 対応(サブエージェント等) | 対応 | 対応 |
| モデル選択 | 複数ベンダーから選択 | Claudeシリーズ | 複数ベンダーから選択 | 内部で選定 |
| BYOK | 対応 | ─ | 一部対応 | ─ |
| 主な価格帯 | 月$5〜$179 | 月$20〜 | 月$20〜 | 高価格帯 |
こんな人におすすめ
- 複数の機能追加やバグ修正を同時並行で進めたい個人開発者・小規模チーム
- AIエージェントに任せたいが、mainブランチを直接触らせるのは避けたい開発者
- モデルを用途ごとに使い分けたい、あるいは既存のAPI契約をBYOKで活用したい人
- VS CodeやJetBrainsの環境を変えずにエージェント開発を試したい人
- 進捗と差分を一覧で把握しながら、レビューして取り込む運用を組みたいチーム
まとめ
Verdentは、「AIエージェントを1体使う」から「複数体を並べて回す」への移行を、Gitワークツリーによる作業分離という現実的な仕組みで支えるプラットフォームである。差分を確認してからマージする流れが組み込まれているため、エージェントに任せる範囲を広げても手綱を握り続けられる。一方で無料枠はトライアルのみであり、常用には月額プランが前提になる。まずは7日間のトライアルで、自分のリポジトリでどこまで並列実行が機能するかを確かめるのがよい。