Trellis 2 は、Microsoft の研究プロジェクトとして公開された 3D 生成モデル「TRELLIS.2」をベースにした image-to-3D サービスである。用意するのは画像 1 枚だけで、そこからテクスチャ付きの立体メッシュを生成し、GLB 形式でダウンロードできる。ブラウザだけで完結するためローカルに GPU を用意する必要がなく、Blender・Unity・Unreal Engine への取り込みを前提としたアセット作りに使える。基盤モデルの TRELLIS.2 は 4B パラメータの flow-matching transformer で、最大 1536³ ボクセルの解像度に対応する。サービスとしての提供元は trellis2.com、カタログ上のリリース日は 2025 年 12 月 24 日となっている。
主な特徴
- 1 枚の画像から 3D メッシュを生成: 複数アングルの写真や 3D スキャンを用意しなくても、単一画像からメッシュを起こせる。ゲームのプロトタイプや商品モックアップのように「形さえあればよい」段階の素材作りに向く
- O-Voxel によるトポロジーの保持: TRELLIS.2 が採用するスパースボクセル表現(O-Voxel)は、開いた面(オープンサーフェス)・非多様体形状・内部に閉じた構造を破綻させずに扱える。布や葉のような薄い形状、内側に空洞を持つ形状で効きやすい
- PBR マテリアル対応: 出力にはベースカラー・ラフネス・メタリック・不透明度が含まれる。金属や半透明の質感をそのまま DCC ツール側で再現しやすく、テクスチャを描き直す手間が減る
- ブラウザ内での GLB プレビュー: 生成した GLB のジオメトリとマテリアルを、アップロードなしでブラウザ上で確認できる。Blender などに取り込む前に破綻の有無をチェックできる
- 生成パラメータの調整: シード値、デシメーション(ポリゴン削減)、テクスチャサイズなどを指定できる。用途に応じて軽量なメッシュと高精細なメッシュを作り分けられる
- 無料デモと有料プランの二段構え: 無料デモは Hugging Face 上のインフラを使うため順番待ちが発生する。有料プランではキュー待ちなしで生成でき、生成物はクラウドに保存される
料金
| プラン | 月額料金 | 主な内容 |
|---|---|---|
| 無料デモ | $0 | Hugging Face 上で試用。順番待ちあり |
| Basic | $15.9 | 700 クレジット/月(約 23 モデル)、全解像度、標準キュー優先度、GLB ダウンロードとクラウド保存、メールサポート |
| Standard | $29.9 | 1,500 クレジット/月(約 50 モデル)、全解像度、高キュー優先度、優先サポート |
| Premium | $49.9 | 3,000 クレジット/月(約 100 モデル)、全解像度、最高キュー優先度、専任サポート、新機能への早期アクセス |
年払いを選ぶと 25% 割引になる。いずれの有料プランでも生成物の権利はユーザーに帰属すると明記されている。
料金は2026年8月時点の情報です。最新の料金は公式サイトをご確認ください。
メリット・デメリット
✅ メリット
- ローカルに GPU を用意しなくても、ブラウザだけで高解像度の 3D 生成を試せる
- 基盤となる TRELLIS.2 は Microsoft がコードを公開している研究プロジェクトで、モデルの中身を確認できる
- PBR マテリアル込みで出力されるため、DCC ツールに取り込んだ直後から見た目が整いやすい
- 開いた面や非多様体形状に強く、一般的な image-to-3D が苦手とする薄い形状でも崩れにくい
- 無料デモがあり、課金前に生成品質を自分の素材で確かめられる
⚠️ デメリット
- 公式サイトも「メッシュのアーティファクト(破綻)が起こりうる」と明記しており、そのまま製品品質で使える保証はない
- クレジット制のため、試行錯誤を重ねると想定より早く消費する。1 枚で決まらない素材ではコストが読みにくい
- 出力は GLB が中心で、FBX や USD をそのまま求める制作フローでは変換の一手間が必要になる
- 無料デモは共有インフラのため、混雑時は待ち時間が長くなる
- リギング・アニメーション機能は持たないため、キャラクターを動かすには別ツールが必要
類似サービスとの比較
| 比較項目 | Trellis 2 | Meshy | Tripo | Hunyuan3D |
|---|---|---|---|---|
| 基盤モデル | Microsoft TRELLIS.2(コード公開) | 自社モデル | 自社モデル | Tencent 製(モデル公開) |
| 主な入力 | 画像 1 枚 | 画像・テキスト | 画像・テキスト | 画像・テキスト |
| PBR マテリアル | 対応 | 対応 | 対応 | 対応 |
| 最大解像度の公表 | 1536³ ボクセル | 非公表 | 非公表 | 非公表 |
| リギング/アニメーション | なし | あり | あり | 限定的 |
| 無料で試せるか | 無料デモあり | 無料枠あり | 無料枠あり | 無料で試せる環境あり |
Meshy や Tripo は 3D 制作パイプライン全体(テキストからの生成、リトポロジー、リギング)をカバーする総合型で、Trellis 2 は「画像 1 枚からの形状生成の質」に寄った構成といえる。作りたいものがキャラクターアニメーションなら前者、静物や小物の形を素早く起こしたいなら Trellis 2 が候補になる。
こんな人におすすめ
- ゲームやアプリのプロトタイプで、仮のアセットを大量に用意したい個人開発者
- 商品写真から 3D モックアップを起こして、AR 表示や資料に使いたい EC・製造の担当者
- 3D モデリングの経験は浅いが、手描きイラストや写真から立体を作ってみたい人
- 薄い形状や内部構造を含むモデルで、既存の image-to-3D の破綻に困っていた人
- ローカルに高性能 GPU を持たず、クラウド側で 3D 生成を回したい人
まとめ
Trellis 2 は、Microsoft の研究モデル TRELLIS.2 をそのまま使える形にしたサービスで、1 枚の画像から PBR テクスチャ付きのメッシュを取り出せる点が持ち味である。スパースボクセル表現によってオープンサーフェスや非多様体形状に強く、一般的な image-to-3D が苦手とする素材でも形が保たれやすい。一方でメッシュの破綻は起こりうるとサービス側も認めており、最終品質は人の手による修正が前提になる。まずは無料デモで自分の素材を通してみて、待ち時間や生成回数が足りなくなったら有料プランを検討するのが現実的な進め方だろう。