株式会社リコーが提供する文字起こし・議事録支援サービス。会議中の「音声」「発言のテキスト」「画面」の3つを同時に記録し、あとから並べて見返せるのが最大の特徴である。2022年4月に提供を開始し、Web会議ツールへの連携設定を必要としない録音方式を採ることで、Teams・Zoom・Google Meet・Webex など会議ツールを問わず使える。個人向けの無料プラン・月額プランと、AI要約を備えた法人向けプランの2系統が用意されている。
主な特徴
- 音声・テキスト・画面の3点セットで記録: 一般的な文字起こしサービスがテキストだけを残すのに対し、toruno は録音と画面キャプチャも同時に保存する。「この発言のとき、画面には何が映っていたか」を後から突き合わせられるため、資料を見ながら議論した内容の振り返りに強い
- 会議ツールへの連携設定が不要: PC で再生されている音とマイク音声を取り込む方式のため、ボットを会議に招待したり、外部アプリの連携許可を取ったりする必要がない。社内でツール導入の承認が下りにくい環境でも使い始めやすい
- リアルタイム文字起こし: 会議中にその場で文字が流れるため、聞き逃した箇所をその場で確認できる。公式サイトでは、適切な音声環境下で95%以上の認識精度としている
- ユーザー辞書で社内用語に対応: 製品名・部署名・人名など、一般的な音声認識では誤変換されやすい語句を辞書に登録して精度を上げられる
- ファイルアップロードにも対応: IC レコーダーで録音した音声ファイルや動画ファイルをアップロードして文字起こしできる。対面での打ち合わせや過去の録音資産にも使える
- 法人向けプランは生成AIで議事録の下地を作成: ビジネス AI要約プランでは生成AI(Amazon Bedrock)が要約を作成する。用途に応じたプロンプトのテンプレートが用意されており、議事録以外の形式にも整形できる。多言語の文字起こしとリアルタイム翻訳、閲覧権限の管理にも対応する
料金
| プラン | 月額料金 | 主な内容 |
|---|---|---|
| パーソナル 無料プラン | ¥0 | 累計3時間まで記録可能。AI要約は非対応 |
| パーソナル 月額プラン | ¥1,650(税込) | 月10時間まで。超過分は1分あたり¥2.2 |
| ビジネス AI要約 30時間プラン | ¥27,000(税別) | 月30時間まで。超過分は1時間あたり¥900。AI要約・権限管理・多言語対応 |
| ビジネス AI要約 100時間プラン | ¥85,500(税別) | 月100時間まで。超過分は1時間あたり¥855。機能は30時間プランと同等 |
ビジネスプランは初期費用0円で、ユーザー数による課金ではなく、招待したメンバー全体の記録時間の合計で費用が決まる。3週間の無料トライアルが用意されている。
料金は2026年8月時点の情報です。最新の料金は公式サイトをご確認ください。
メリット・デメリット
✅ メリット
- 画面キャプチャが残るため、テキストだけでは復元しにくい「資料のどこを見ながら話していたか」まで振り返れる
- 会議ツールへの連携設定やボット招待が不要で、情報システム部門の承認が要る場面でも導入のハードルが低い
- 個人向けに無料プランがあり、まず自分の会議で精度を試してから有料プランや法人導入を検討できる
- 提供元が国内メーカーであるリコーで、日本語の会議利用と国内サポートを前提に作られている
- ビジネスプランは席数課金ではなく記録時間課金のため、参加者が多いが会議時間が短い組織では費用を抑えやすい
⚠️ デメリット
- 個人向けプランには AI要約が含まれない。要約まで自動化したい場合は法人向けプランが前提になる
- 法人向けプランは月額¥27,000からで、少人数チームや個人事業主にはやや重い価格帯
- デスクトップアプリは Windows のみで、Mac 用アプリは提供されていない
- iPhone アプリは録音とアップロードが中心で、Web 会議のリアルタイム記録には対応しない
- 記録時間の超過や保存容量の上限に達すると新規の記録ができなくなるため、利用状況の管理が必要
類似サービスとの比較
| 比較項目 | toruno | Notta | Rimo Voice | スマート書記 |
|---|---|---|---|---|
| 提供元 | リコー(日本) | Notta(日本・米国) | Rimo(日本) | エピックベース(日本) |
| 記録の対象 | 音声+テキスト+画面 | 音声+テキスト | 音声+テキスト | 音声+テキスト |
| 会議ツール連携 | 連携不要(PC音声を取得) | ボット参加・連携あり | 連携あり | 連携あり |
| AI要約 | 法人向けプランで対応 | 対応 | 対応 | 対応 |
| 無料プラン | あり(累計3時間) | あり | 無料トライアル | 無料トライアル |
各サービスとも料金体系と機能は更新されるため、比較検討時は各公式サイトで最新の内容を確認してほしい。
こんな人におすすめ
- 画面共有しながらの打ち合わせが多く、発言と資料をセットで振り返りたい人
- 会社の方針で会議ツールへの外部連携やボット参加が認められていない環境で働く人
- IC レコーダーや動画ファイルなど、既存の録音資産をまとめて文字起こししたい人
- 社内用語や製品名が多く、汎用の音声認識では誤変換が目立つ業種のチーム
- 参加人数は多いが1回あたりの会議時間は短く、席数課金だと割高になる組織
まとめ
toruno は、テキストだけを残す文字起こしサービスとは発想が異なり、「会議そのものを丸ごと残す」ことに軸足を置いたサービスである。画面キャプチャまで含めて記録できる点と、会議ツールへの連携が不要な点は、他サービスにはない実務上の強みになる。一方で AI要約は法人向けプランの機能であり、価格帯も個人利用の延長では選びにくい。まず無料プランで自分の会議の音声がどこまで正しく文字になるかを確かめ、要約や権限管理まで必要になった段階でビジネスプランの3週間トライアルを試す、という順序が現実的だろう。