Tokentap は、Claude Code や OpenAI Codex といった AI コーディング CLI が実際に送受信しているトークン量を、ターミナル上のダッシュボードでリアルタイムに表示するオープンソースツールである。開発者は Juan Munoz 氏(GitHub: jmuncor)。ローカルに立てた HTTP プロキシを経由させて API リクエストを覗き見る仕組みで、証明書のインストールも設定ファイルも必要ない。tokentap claude のように普段のコマンドを包むだけで動き始める。PyPI への初回公開は 2026年2月、ライセンスは MIT。リポジトリでは「formerly Sherlock」と記載されており、開発途中で改名した経緯を持つ。
AI コーディングエージェントを使っていると、「今どれくらいコンテキストを食っているのか」「さっきの一往復でいくら消費したのか」が見えないまま作業が進みがちになる。Tokentap はその不透明さを、色付きのゲージと 1 行ずつのログで埋めるツールだと考えると分かりやすい。
主な特徴
- ライブダッシュボードと燃料計ゲージ:
tokentap startで起動したダッシュボードに、コンテキスト使用率がバーで表示される。50% 未満は緑、50〜80% は黄、80% 超は赤と色が変わるため、上限が近づいていることを目視で判断できる - リクエスト単位のログ表示: 時刻・プロバイダー・モデル名・トークン数が 1 行ずつ積み上がる。どのやり取りが重かったのかを後から追える
- プロンプトの自動アーカイブ: 傍受したリクエストを Markdown(メタデータ付きの人間向け)と JSON(生の API リクエストボディ)の 2 形式で、起動時に指定したディレクトリへ保存する。エージェントが裏で何を送っているかを検証したいときに使える
- ゼロコンフィグのラッパー方式:
tokentap claudeはANTHROPIC_BASE_URLをローカルプロキシに向けたうえでclaudeを起動する。MITM 用の証明書を入れる必要がなく、使い終われば環境変数ごと消える - 複数プロバイダー対応: Anthropic(Claude Code)と OpenAI(Codex)に加え、MiniMax などの OpenAI 互換 API を
tokentap run --provider <名前> <コマンド>で計測できる。Gemini CLI 向けのサブコマンドも用意されている - セッションサマリー: 終了時に「合計トークン数 / リクエスト数」がまとめて表示される。1 セッションの重さを振り返るのに向く
起動オプションは最小限で、tokentap start にはプロキシポート(-p、既定 8080)とゲージの上限トークン数(-l、既定 200,000)を渡せる。自分が使っているモデルのコンテキスト長に合わせて上限を変えると、ゲージの意味が正確になる。
料金
| プラン | 料金 | 主な内容 |
|---|---|---|
| オープンソース(MIT ライセンス) | $0 | 全機能。pip install tokentap で導入、Python 3.10 以上が必要 |
Tokentap 自体は無料で、有料プランやクラウドサービスの提供は公開情報の範囲では確認できない。ただし計測対象となる Claude Code や Codex の利用料は当然ながら別途かかる。
料金は2026年8月時点の情報です。最新の情報は公式リポジトリをご確認ください。
メリット・デメリット
✅ メリット
- 導入が軽い。
pip install tokentapと既存コマンドのラップだけで、設定ファイルも証明書も不要 - ログの後追いではなく実際の API 通信を見るため、リアルタイム性が高い
- プロンプトが Markdown と JSON で残るので、エージェントの挙動デバッグやプロンプト改善の材料になる
- MIT ライセンスのオープンソースで、中身を読んで検証できる。プロキシもローカルで完結する
- Claude Code・Codex・OpenAI 互換 API と、複数のツールを同じ見方で計測できる
⚠️ デメリット
- Gemini CLI は現時点で計測できない。Gemini CLI 側が OAuth 認証時にカスタム base URL を無視する既知の問題があり、上流の修正待ちと明記されている
- 対応プラットフォームは macOS と Linux。Windows はリポジトリのバッジに含まれていない
- バージョンはまだ 0.1 系で、機能・仕様が変わる可能性がある
- ダッシュボード用とツール実行用でターミナルを 2 枚使う構成のため、画面が狭い環境では扱いにくい
- プロンプトがそのままローカルに保存されるため、業務データを扱う場合は保存先ディレクトリの管理が必要になる
類似サービスとの比較
| 比較項目 | Tokentap | tokentab | toki | tokscale |
|---|---|---|---|---|
| 計測方式 | API 通信をローカルプロキシで傍受 | セッションログ(JSONL)を解析 | セッションログ(JSONL)を解析 | セッションログを解析 |
| リアルタイム性 | 高い(送信の都度反映) | 事後集計が中心 | 常駐デーモンによる高速レポート | 事後集計が中心 |
| プロンプト保存 | Markdown / JSON で自動保存 | 対象外 | 対象外 | 対象外 |
| 主な出力 | 実行中のコンテキスト使用率ゲージ | モデル別・プロジェクト別・日別のコスト | 使用量レポート | 使用量の集計とグローバルランキング |
| 実装 | Python(3.10 以上) | ─ | Rust | ─ |
大まかに言えば、Tokentap は「今このセッションで何が起きているか」を見るツール、他の 3 つは「これまでにどれだけ使ったか」を集計するツールという住み分けになる。コスト管理の月次集計が目的ならログ解析型、コンテキスト溢れの回避やプロンプトの検証が目的なら Tokentap が向く。
こんな人におすすめ
- Claude Code や Codex を長時間動かしていて、コンテキストが埋まるタイミングを事前に察知したい人
- AI エージェントが裏で実際に何を送っているのかを、生のリクエストで確認したい人
- 自作のプロンプトやツール定義がどれだけトークンを食っているかを、数字で比べながら削りたい人
- OpenAI 互換 API を使った自作スクリプトの消費量も、同じ道具で見たい人
- 依存を増やしたくないので、証明書やクラウド連携が不要な軽いツールを探している人
まとめ
Tokentap は、AI コーディング CLI のトークン消費という「見えないコスト」をターミナルに引き出す小さなツールである。プロキシ経由という仕組み上、ログ解析型のツールでは得られないリアルタイム性とプロンプトの原本が手に入る一方、Gemini CLI 非対応や 0.1 系というバージョンの若さは割り切って使う必要がある。まずは普段の claude を tokentap claude に置き換えて、1 セッション分のゲージを眺めてみるところから試すとよい。