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Syncthing ─ クラウドを介さず手元のデバイス同士を直接つなぐ、オープンソースの P2P ファイル同期ツール

Syncthing は、クラウドを経由せず、手元の複数のデバイス同士を直接つないでフォルダをリアルタイム同期する P2P 型の同期ツール。中央サーバーを介さず、認証された端末同士が直接通信し、ブロック単位の差分転送で効率よく更新を伝播する。データが自分のデバイス以外のどこにも保存されないため、クラウドに預けたくないファイルの同期に向く。2013 年に初版が公開されたオープンソースプロジェクト(MPL-2.0)で、スウェーデン発の Syncthing Foundation が開発を主導している。2025 年にはメジャーバージョンとなる 2.0 系がリリースされ、現在も活発に開発が続いている。

主な特徴

  • クラウド不要の P2P 同期: 中央サーバーにデータを置かず、自分のデバイス同士が直接通信して同期する。ファイルは自分の管理下から出ないため、プライバシーを最優先したい用途に適する
  • ブロック単位の差分転送: ファイルをブロックに分割し、変更された部分だけを転送する。大きなファイルの一部を編集した場合も転送量を最小限に抑えられる
  • TLS 暗号化と証明書認証: デバイス間の通信は TLS で暗号化され、暗号学的な証明書で端末を相互認証する。中継サーバーを経由する場合も内容は復号されない
  • ブラウザベースの管理画面: 同期フォルダや接続デバイスの管理は Web GUI から行える。IP アドレスの指定や複雑なネットワーク設定は原則不要で、デバイス ID を交換するだけでつながる
  • REST API / CLI からの操作: Web 画面に加えて REST API と CLI が用意されており、スクリプトによる自動化やサーバー運用にも組み込みやすい
  • 幅広いプラットフォーム対応: Mac / Windows / Linux のほか FreeBSD 等でも動作する。NAS(Synology / QNAP 等)へ導入する事例も多い

料金

プラン料金主な特徴
無料(オープンソース)$0全機能利用可能。デバイス数・フォルダ数・容量の制限なし

Syncthing はオープンソースソフトウェアで、すべての機能を無料で利用できます。企業向けの商用サポートは関連会社の Kastelo が別途提供しています。料金は2026年8月時点の情報です。最新の情報は公式サイトをご確認ください。

メリット・デメリット

メリット

  • データがクラウドに保存されず、プライバシーとデータ主権を完全に自分の手元に置ける
  • 完全無料で容量制限がなく、クラウドストレージの月額費用がかからない
  • 差分転送と LAN 内直接通信により、同一ネットワーク内では高速に同期できる
  • オープンソースでプロトコルも公開されており、透明性が高い
  • バージョニング機能により、誤って上書き・削除したファイルを復元できる

⚠️ デメリット

  • 同期にはデバイス同士が同時にオンラインである必要がある(クラウド型のような「常時どこかにある」状態にはならない)
  • 公式の Android アプリは開発が終了しており、モバイルはコミュニティのフォーク版(F-Droid 等で配布)や、iOS ではサードパーティ製アプリに頼ることになる
  • 初期設定の概念(デバイス ID・フォルダ共有・競合処理)に若干の学習コストがある
  • 誰かとの「共有リンク発行」のような、不特定多数へのファイル配布用途には向かない

類似サービスとの比較

比較項目SyncthingResilio SyncDropboxNextcloud
方式P2P(サーバーレス)P2P(サーバーレス)クラウドセルフホスト型クラウド
料金完全無料無料版あり / Pro 有料無料枠あり / 有料プラン無料(サーバー費用は自己負担)
オープンソース✅(MPL-2.0)─(プロプライエタリ)
データの保存場所自分のデバイスのみ自分のデバイスのみクラウド自分のサーバー
オフライン端末への同期双方オンライン時のみ双方オンライン時のみクラウド経由で可サーバー経由で可
モバイル対応フォーク版 / サードパーティ公式アプリあり公式アプリあり公式アプリあり

こんな人におすすめ

  • 機密性の高いファイルをクラウドに預けず、自分のデバイス間だけで同期したい人
  • 複数の PC・NAS 間で作業フォルダや写真・音楽ライブラリを自動同期したい人
  • クラウドストレージの容量課金を避けて、大容量データを無料で同期したい人
  • REST API / CLI で同期をスクリプト化・自動化したい開発者やサーバー管理者
  • オープンソースで中身が検証できるツールを選びたい人

まとめ

Syncthing は、「データを自分の手元から出さない」ことを徹底したオープンソースの P2P ファイル同期ツールである。完全無料・容量無制限で、TLS 暗号化とブロック単位の差分転送により安全かつ効率的に複数デバイスを同期できる。クラウド型のような常時アクセス性やリンク共有はないため用途を選ぶが、プライバシーとデータ主権を重視するなら第一候補になる。まずは 2 台の PC に入れてデバイス ID を交換し、1 フォルダの同期から試してみるとよい。

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