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Supermemory ─ AIエージェントに長期記憶を与えるメモリレイヤー。多形式データをベクトルグラフで一元管理

AIエージェント向けの「メモリレイヤー」を提供するサービス。チャットの履歴やドキュメント、PDF・Webページ・画像・音声といった多形式のデータをひとつの基盤にまとめて記憶させ、必要なときに検索して呼び出せる。公式サイトでは「AIエージェントのためのコンテキストインフラ」と位置づけられており、独自のベクトルグラフとハイブリッド検索によって、単なる保存庫ではなくユーザーの意図や選好まで抽出する点が特徴になっている。Notion・Google Drive・Gmailなどのコネクタ、TypeScript / Python SDK、REST API、MCPサーバーが揃っており、開発者が自分のアプリやアシスタントに記憶機能を組み込める。

ChatGPTやClaudeのようなAIアシスタントを使っていると、「前に話した内容をまた説明し直す」場面が出てくる。会話をまたいで文脈を保つ仕組みは各サービスが独自に持っているが、それを自分のアプリやチームの資料に対して用意しようとすると、ベクトルデータベースの構築から検索の実装まで自前で作ることになる。Supermemoryはその部分を丸ごと肩代わりする基盤である。

主な特徴

  • 多形式データの取り込み(Extractors): PDF、Webページ、画像、音声など、形式の異なるデータをそのまま投入できる。テキストへの変換や分割といった前処理を自分で書く必要がない
  • メモリグラフによる記憶の構造化: 独自のベクトルグラフエンジンを備え、記憶同士の関係を意味づけしたエッジで結ぶ。単純な類似度検索だけでは拾えない、関連する情報のつながりを辿れる
  • ハイブリッド検索: ベクトル検索とキーワード検索を組み合わせた検索方式を採用。公式サイトでは300ミリ秒未満の応答速度を掲げており、対話の途中で呼び出しても待たされにくい
  • ユーザープロファイルの自動構築: 蓄積された行動から、ユーザーの意図・選好・文脈を抽出してプロファイル化する。「この人は簡潔な回答を好む」といった傾向を、明示的に設定しなくても記憶側が持てる
  • 外部サービスのコネクタ: Notion、Google Drive、OneDrive、Gmail、S3、Webクローラーなどと接続し、既存の資料をそのまま知識源にできる(利用できるコネクタはプランによって異なる)
  • SDK・REST API・MCPサーバー: TypeScript / Python のSDKとOpenAPI仕様のREST APIに加え、MCPサーバーを提供。ClaudeやClaude Codeなどのコーディングエージェントから直接記憶を読み書きできる
  • セルフホスト対応: 自社インフラ上での運用にも対応する。上位プランではエアギャップ環境での自己ホスティングも選択肢に入る

料金

プラン月額料金主な内容
Free$0月あたり約$5相当の利用枠、Supermemory MCP、コミュニティサポート
Pro$19月あたり約$20相当の利用枠、メンバー2名、Google Drive / Notion / OneDrive コネクタ、Claude Code プラグイン、メールサポート
Max$100月あたり約$130相当の利用枠、Pro の機能に加えて Gmail / Granola コネクタ、優先サポート
Scale$399月あたり約$600相当の利用枠、メンバー最大10名、全コネクタ(Gmail / GitHub / S3 / Webクローラー)、SOC 2、HIPAA BAA、セルフホストオプション
Enterprise要問い合わせ利用量無制限、エアギャップ環境でのセルフホスト、SOC 2 / HIPAA / GDPR、専任担当、稼働率SLA

Pro以上では従量分の自動チャージ(オートトップアップ)が利用でき、Scale以上では利用上限の設定もできる。年額プランは公式の料金ページに記載がない。

料金は2026年8月時点の情報です。最新の料金は公式サイトをご確認ください。

メリット・デメリット

メリット

  • 記憶基盤をゼロから作らずに済む。ベクトルデータベースの選定・分割処理・検索チューニングを自前で抱え込まなくてよい
  • PDF・画像・音声まで同じ入口から投入でき、形式ごとに別のパイプラインを用意しなくてよい
  • MCPサーバーがあるため、Claude や Claude Code などのAIアシスタントからすぐ試せる。コードを書く前に体験できる
  • 無料プランに一定の利用枠があり、小規模な検証は費用をかけずに始められる
  • セルフホストの選択肢があり、データを外部に置けない環境でも検討できる

⚠️ デメリット

  • 基本的に開発者向けのサービスで、SDKやAPIを扱う前提の場面が多い。ノーコードで完結するツールではない
  • 料金が利用量ベースのため、扱うデータ量や検索回数によって月額が読みにくい
  • コネクタがプランごとに区切られており、Gmail連携を使いたいだけでも上位プランが必要になる
  • SOC 2 や HIPAA といったコンプライアンス要件は Scale 以上が対象で、小規模チームには価格の壁がある
  • 記憶をエージェント自身に管理させたい設計(自律的な記憶編集)を求める場合は、他の選択肢のほうが噛み合うことがある

類似サービスとの比較

比較項目SupermemoryMem0ZepLetta
位置づけエージェント向けメモリ基盤汎用のメモリレイヤー時系列に強い知識グラフ記憶を自己管理するエージェント基盤
得意分野多形式データの取り込みとハイブリッド検索対話からの記憶抽出、対応フレームワークの広さ「いつ真だったか」を扱う時間的推論エージェント自身による記憶の編集
データ形式PDF・Web・画像・音声など主に対話・テキスト主に対話・イベント主に対話
外部連携Notion / Google Drive / Gmail / S3 ほか各種フレームワーク連携SDK中心SDK中心
MCP対応ありあり

いずれも「AIに記憶を持たせる」という目的は共通しているが、力点が違う。既存の資料やファイルをまとめて知識源にしたいなら Supermemory、対話ログからの記憶抽出を素早く組み込みたいなら Mem0、事実の有効期間を扱いたいなら Zep、というのがおおまかな住み分けになる。

こんな人におすすめ

  • 自作のAIアプリやチャットボットに、会話をまたいで文脈を保つ機能を組み込みたい開発者
  • 社内のNotionやGoogle Driveの資料を、AIから検索できる形にまとめたいチーム
  • PDFや音声など、テキスト以外の資料も含めて横断的に検索できる基盤がほしい人
  • Claude や Claude Code から MCP 経由で記憶を扱ってみたい人
  • 自前でベクトルデータベースを運用する手間とコストを削りたい小規模チーム

まとめ

Supermemoryは、AIエージェントに長期的な記憶を持たせるための基盤サービスである。多形式データの取り込み、ベクトルグラフによる構造化、ハイブリッド検索という3点が揃っており、記憶まわりを自前で作り込む工数を大きく減らせる。MCPサーバーがあるためClaudeなどから手軽に試せる一方、本領を発揮するのはSDKやAPIを使ってアプリに組み込む段階である。まずは無料プランで自分のデータを少量投入し、検索の手ごたえを確かめてから有料プランを検討するのがよい。

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