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SubQ ─ 数百万トークンを線形に近い計算量で読み切る、Subquadratic 発のロングコンテキスト特化LLM

米 Subquadratic Inc. が 2026年5月5日に公開した大規模言語モデル。独自のアテンション機構「Subquadratic Sparse Attention(SSA)」を採用し、入力が長くなるほど爆発的に増える計算量を抑えることで、リポジトリ全体や数年分の書類をまとめて 1 回のプロンプトに入れて推論することを狙っている。一般的な Transformer が「すべての単語の組み合わせ」を計算するのに対し、SSA は関連度の高い組み合わせだけを選んで計算する。2026年8月時点では一般公開はされておらず、公式サイトのフォームからの早期アクセス申請制になっている。

主な特徴

  • 数百万トークン規模のコンテキスト: 公式は研究モデルで最大1,200万トークン、提供中の API では100万トークン規模を掲げている。デモとして Python 標準ライブラリ全体(約510万トークン)や数年分の財務報告書(約290万トークン)を、分割(チャンク分け)せずに 1 回で処理する例を示している
  • SSA による計算量の削減: すべてのトークン同士を突き合わせる密なアテンションではなく、各トークンごとに関連の強いトークンだけを選んで計算する方式。公式は 2Mトークン処理時の計算量を 7.8 PFLOP とし、フロンティアモデルの 1,008 PFLOP と比べて約128分の1になるとしている
  • 長文での処理速度: 1Mトークン時点で FlashAttention 比 52倍高速という数値が公表されている。長文になるほど、既存方式との差が開く設計
  • 長文精度のベンチマーク: RULER 128K の多事実検索で 99.12%、1〜2Mトークンでの単一事実検索(needle-in-a-haystack)で 100%。加えて GPQA Diamond 85.4%、LiveCodeBench 89.7% を公表している(いずれも公式公表値)
  • OpenAI 互換 API と開発者向けツール: API は OpenAI 互換の形式で提供され、CLI エージェント「SubQ Code」、検索向けの「SubQ Search」も早期アクセスの対象として案内されている
  • 継続的なモデル更新: 2026年6月には軽量版「SubQ 1.1 Small」を公開するなど、リリース後もモデル系列を更新している

料金

プラン料金主な内容
早期アクセス(API)非公開・要問い合わせ公式サイトのフォームから申請。審査を経て API・SubQ Code・SubQ Search を利用
エンタープライズ要問い合わせ大規模なリポジトリ・契約書・財務資料の処理を想定した法人向け提供

料金は2026年8月時点の情報です。公式サイトに公開されたレートカード(トークン単価表)は存在せず、価格は申請後の個別案内となります。最新の情報は公式サイトをご確認ください。

なお公式・報道では「128Kのロングコンテキスト評価を $8 程度のコストで実行できた」といったコスト比較が示されているが、これはベンチマーク実行時の試算であり、実際の従量課金の単価として公開されているものではない。

メリット・デメリット

メリット

  • 数百万トークンを分割せずに扱えるため、RAG のようなチャンク分割・検索の作り込みを省ける場面がある
  • 長文になるほど計算量の優位が効くため、大規模コードベースや長期の文書アーカイブの一括分析でコストを抑えやすい
  • OpenAI 互換 API のため、既存のクライアントコードからの移行コストが小さい
  • 長文検索系ベンチマークで高い数値を公表しており、「入れたが読めていない」問題への対策として設計されている

⚠️ デメリット

  • 2026年8月時点で一般提供されておらず、早期アクセスの申請と審査が必要
  • 公開されたトークン単価がなく、導入前にコストを自分で見積もりにくい
  • 掲げられている1,200万トークンは研究モデルの数値で、API 側の上限とは異なる
  • 汎用チャット用途というより長文処理特化であり、画像生成や日常的な対話用途の情報は乏しい
  • 新興ベンダーのため、長期的な提供体制やモデル更新の頻度は未知数

類似サービスとの比較

比較項目SubQGeminiClaude
提供元Subquadratic Inc.GoogleAnthropic
主眼超ロングコンテキストの効率的処理汎用マルチモーダル + 長文自然な文章生成・長文処理
公称コンテキスト研究モデル1,200万 / API 100万規模100万トークン規模100万トークン規模
アーキテクチャの特徴疎なアテンション(SSA)で計算量を削減密なアテンション中心密なアテンション中心
入手性早期アクセス申請制一般提供一般提供
料金の公開非公開公開公開

こんな人におすすめ

  • モノレポや大規模コードベース全体を、分割せずに 1 回で読ませて分析したい開発チーム
  • 契約書アーカイブや有価証券報告書など、長大な文書群をまとめて横断分析したい業務担当者
  • RAG の検索精度チューニングに手間をかけるより、コンテキストに全部入れて解かせたいエンジニア
  • 長文処理の推論コストが運用上のボトルネックになっている法人

まとめ

SubQ は「長い入力をどう安く速く読み切るか」という一点に照準を合わせたモデルである。SSA によって入力長に対する計算量の増え方を抑え、リポジトリ全体や数年分の資料を分割せずに扱う使い方を提案している。一方で 2026年8月時点では早期アクセス段階で料金も非公開のため、実際の採用判断には申請後の個別条件を確認する必要がある。長文処理がコスト面で行き詰まっている場合に、選択肢として検討する価値がある。

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