ノーコードデザインツール「Studio」を開発する日本のStudio, Inc.が2025年12月に発表した、AI搭載のWeb制作プラットフォーム。チャットやフォームで要件を伝えるだけで、情報設計、ワイヤーフレーム作成、デザイン生成までを一気通貫で自動化する。生成したものはノーコードエディタのStudioへそのままエクスポートでき、仕上げから公開までを同じ環境で完結できるのが最大の特徴である。公式サイトでは、シングルページの平均制作時間を20分としている。2026年8月時点ではBeta版として提供されている。
主な特徴
- Hearing to Wireframe(ヒアリングからワイヤーフレームへ): 自然言語のチャット、またはフォーム形式で要件を入力すると、AIが最適な情報設計を提案し、そのままワイヤーフレームを生成する。ヒアリング内容はCSVで書き出し・読み込みができるため、クライアントとのやり取りの記録としても使える
- セクション単位の再生成と調整: ワイヤーフレームはページ丸ごとではなくセクション単位で追加・再生成できる。テキストと画像の比率もカスタマイズでき、ページ構成の試行錯誤がしやすい
- Design Generation(デザイン自動生成): 要件に沿ったデザイン案を自動生成する。用意されたデザインプリセットから方向性を選べるため、ゼロからプロンプトを練り上げなくても形にできる
- Style Sync(トーン&マナーの一括調整): 既存サイトやブランドに合わせて、カラー・フォントの一括置換、余白やサイズの一括調整ができる。ブランドガイドラインのあるサイトでトーンを揃える作業を短縮できる
- Magic Rewriteによるコンテンツ準備: 文言の自動リライトに対応し、指定した文字数への圧縮・拡張ができる。コンテンツはシート形式でCSVに書き出せる
- Studio Export(Studioへの直接書き出し): 生成物をノーコードエディタのStudioへ直接エクスポートできる。AIの出力を「編集可能なプロトタイプ」として扱い、細部は人が仕上げる思想で設計されている
料金
Studio.Assistantは、Beta版の提供期間中はStudioの全プランで利用できるとアナウンスされている。したがって実質的な費用は、母体となるStudio本体のプラン料金にあたる。
| プラン | 月払い(月額) | 年払い(月あたり) | 主な内容 |
|---|---|---|---|
| Free | ¥0 | ¥0 | ページ数50P、CMSモデル3件、ストレージ5GB |
| Mini | ¥1,290 | ¥590 | ページ数2P+404ページ、CMSモデル3件、ストレージ10GB |
| Personal | ¥1,720 | ¥1,190 | ページ数150P、CMSモデル5件、ストレージ10GB |
| Business | ¥5,460 | ¥3,980 | ページ数300P、CMSモデル10件、ストレージ100GB |
| Business Plus | ¥12,900 | ¥9,980 | ページ数300P、CMSモデル30件、API無制限 |
| Enterprise | 要問い合わせ | 要問い合わせ | ページ数・CMSモデル無制限、SLA99.9%保証 |
料金は2026年8月時点の情報です。Beta終了後の提供条件は変更される可能性があります。最新の料金は公式サイトをご確認ください。
メリット・デメリット
✅ メリット
- ヒアリングからデザインまでの上流工程がひとつのツールに収まっており、工程ごとにツールを乗り換える必要がない
- 生成後にStudioへエクスポートして人の手で仕上げられるため、AI任せの「触れない成果物」になりにくい
- 日本の企業が開発しており、UIもドキュメントも日本語で提供されている
- Beta期間中は無料プランを含む全プランで試せる
- Style Syncやカラー・フォントの一括置換など、生成後の調整機能が具体的に用意されている
⚠️ デメリット
- Beta版であり、精度・表現・対応範囲は継続的なアップデートの途上にある
- 現時点ではシングルページの生成が対象で、複数ページ構成は今後の対応予定とされている
- 仕上げと公開はStudio上で行う前提のため、他のCMSや自前の実装へ持ち出す用途には向かない
- Studioというプラットフォームに制作物が紐づくため、乗り換えコストは考慮しておく必要がある
類似サービスとの比較
| 比較項目 | Studio.Assistant | Wix AI サイトビルダー | Framer | v0(Vercel) |
|---|---|---|---|---|
| 提供元 | Studio, Inc.(日本) | Wix(イスラエル) | Framer(オランダ) | Vercel(米国) |
| 主な用途 | 要件ヒアリング〜情報設計〜デザイン生成 | サイト全体の自動生成 | AI支援付きのWebデザイン・公開 | プロンプトからのUIコード生成 |
| 出力先 | Studioエディタへエクスポート | Wix上のサイト | Framer上のサイト | Reactコード |
| 得意な工程 | 制作前半の設計・たたき台づくり | 立ち上げから公開まで一括 | デザインから公開まで | 実装のたたき台 |
| 日本語UI | あり | あり | 限定的 | 英語中心 |
こんな人におすすめ
- LPや小規模サイトの制作を数多く手がけ、ヒアリングとワイヤー作成に時間を取られている制作会社・フリーランス
- すでにStudioでサイトを制作・運用していて、上流工程も同じ環境に寄せたいチーム
- 社内でLPを内製したいが、情報設計から自力で組み立てるのが難しい事業会社の担当者
- クライアントへのたたき台を短時間で用意し、提案の回数を増やしたいデザイナー
- 日本語のUIとサポートで完結するWeb制作AIを探している人
まとめ
Studio.Assistantは、Web制作の「聞く・整理する・形にする」という上流工程をAIに任せ、仕上げは人がStudio上で行うという役割分担を明確にしたプラットフォームである。完成したサイトをワンクリックで吐き出すタイプのAIビルダーとは狙いが異なり、あくまで編集可能なたたき台を高速に用意することに軸足がある。2026年8月時点ではBeta版でシングルページ対応にとどまるが、Beta期間中は全プランで試せるため、Studioを使っている、あるいは導入を検討しているなら一度触れてみる価値がある。