Stability AI(英国)が開発する、テキストから画像を生成する拡散モデル。2022年8月の初公開以降、オープンにウェイト(モデルの重みデータ)が公開されてきたことが最大の特徴で、Stability AI Community License のもと、年間収益100万ドル未満の個人・組織は商用利用も含めて無償で使える。自分のPCやサーバーにモデルをダウンロードして動かす「自己ホスティング」ができるため、生成枚数の制限やクラウドへの画像アップロードを気にせず使えるのが、クラウド専用の画像生成サービスとの大きな違いである。現行世代の Stable Diffusion 3.5 は Large / Large Turbo / Medium の複数バリエーションが提供され、API・クラウドサービス経由の利用にも対応。画像に加え、動画・音声・3Dコンテンツの生成モデルも展開している。
主な特徴
- ウェイト公開による自己ホスティング: モデルの重みが Hugging Face 等で公開されており、対応GPUを積んだ手元のPCやサーバーでローカル実行できる。生成した画像が外部に送信されない構成を組める
- Community License で商用利用も無償: 年間収益100万ドル未満の個人・組織は、研究・非商用に加え商用利用も無償。収益基準を超える組織は別途 Enterprise License が必要
- 現行世代 Stable Diffusion 3.5: MMDiT-X(改良版マルチモーダル拡散トランスフォーマー)採用で、プロンプト追従性や人体描写の精度が向上。用途と計算資源に応じて Large / Large Turbo / Medium を選べる
- API・クラウド経由の利用にも対応: 自己ホスティングせずとも、Stability AI の Developer Platform(クレジット制API)や AWS Bedrock、NVIDIA NIM などのクラウド経由で利用できる
- 豊富なエコシステム: ComfyUI や AUTOMATIC1111 WebUI などのコミュニティ製ツール、LoRA による追加学習、ControlNet による構図制御など、オープンモデルならではの拡張手段が充実している
- 画像以外のモデルも展開: Stability AI は動画(Stable Video Diffusion 系)・音声(Stable Audio)・3D生成のモデルも公開しており、同じライセンス体系で横断的に扱える
料金
| 利用形態 | 料金 | 主な特徴 |
|---|---|---|
| 自己ホスティング(Community License) | 無料 | 年間収益100万ドル未満なら商用利用も無償。ローカルGPUで実行、生成枚数の制限なし |
| API(Developer Platform) | クレジット制(1クレジット=$0.01、前払い) | モデル・機能ごとに消費クレジットが異なる。GPU不要でAPI経由で生成 |
| Enterprise License | 要問い合わせ | 年間収益100万ドル以上の組織向け。サポート・カスタム条件を含む |
なお stability.ai/pricing は現在、チーム向け製品「Brand Studio」のプラン一覧(Trial 無料・Creator $19/月・Core $50/月・Enterprise 要問い合わせ)へリダイレクトされる。Brand Studio は上表の開発者向けの利用形態とは別建ての製品なので、モデルを自分で動かしたい場合・API を叩きたい場合は開発者向けの窓口(platform.stability.ai)を見ることになる。API のクレジット単価は 2026 年 8 月時点で一次情報を取得できなかったため、実際に課金する前に公式サイトで確認してほしい。
料金は2026年8月21日時点の情報です。最新の料金は公式サイトおよび開発者プラットフォームをご確認ください。
メリット・デメリット
✅ メリット
- 自己ホスティングなら生成枚数に上限がなく、ランニングコストは電気代とハードウェアのみ
- 画像を外部サーバーへ送らない構成が組めるため、機密性の高い素材も扱いやすい
- LoRA・ControlNet・ComfyUI などエコシステムが厚く、画風の学習や構図の細かい制御ができる
- 年間収益100万ドル未満なら商用利用も無償という、明快でゆるやかなライセンス
- ローカル実行が難しい場合も、API やクラウドサービス経由で同じモデルを使える
⚠️ デメリット
- ローカル実行には相応のGPU(VRAM)を積んだマシンが必要で、環境構築の学習コストもかかる
- ChatGPT や Midjourney のような「登録してすぐ使える」完成品のチャットUIは公式には提供されず、ツール選びから自分で行う必要がある
- プロンプトだけで狙い通りの絵を出すには、モデルや設定に関する知識と試行錯誤が要る
- 年間収益100万ドル以上の組織は Enterprise License の契約が必要
類似サービスとの比較
| 比較項目 | Stable Diffusion | Midjourney | DALL·E(ChatGPT) | FLUX |
|---|---|---|---|---|
| 提供元 | Stability AI | Midjourney | OpenAI | Black Forest Labs |
| 提供形態 | ウェイト公開・自己ホスティング/API | クラウド専用(Web/Discord) | クラウド専用(ChatGPT/API) | ウェイト公開モデルあり/API |
| ローカル実行 | 可能 | 不可 | 不可 | 一部モデルで可能 |
| 無料利用 | 自己ホスティングなら無償(収益基準あり) | なし(有料サブスク) | ChatGPT無料枠で制限付き | 開発者向け無償モデルあり |
| 拡張性 | LoRA・ControlNet 等きわめて高い | 低い | 低い | 高い |
こんな人におすすめ
- 生成枚数を気にせず大量に画像を作りたい個人クリエイターや開発者
- 機密性の高い素材を外部クラウドに送らずに画像生成したい組織
- LoRA での画風学習や ControlNet での構図制御など、生成過程を細かくコントロールしたい人
- 自社サービスに画像生成を組み込みたく、ライセンス条件が明確なモデルを探している開発者
- 手元にGPUがなくても、API 経由でオープンモデルを使いたい人
まとめ
Stable Diffusion は、ウェイト公開と自己ホスティングという選択肢を画像生成にもたらした代表的なオープンモデルである。環境構築やプロンプト調整に学習コストはかかるものの、生成枚数の自由・データの手元保持・エコシステムの厚さは、クラウド専用サービスにはない強みだ。まずは API や ComfyUI などのツールで Stable Diffusion 3.5 を試し、本格運用の段階でローカル環境やライセンス条件(年間収益100万ドルの基準)を確認するとよい。