AIエージェントを外部のツールやサービスにつなぐための「入り口」をまとめたディレクトリサービス。Model Context Protocol(MCP)に対応したサーバーと Agent Skills を検索し、そのまま自分のエージェントやAIクライアントに接続できる。Web検索・データベース照会・ブラウザ操作・業務ツール連携といった機能を、個別に実装せず既製の連携として取り込めるのが特徴である。接続時に必要となる OAuth 認証、APIキーなどの認証情報の保管、セッションの維持といった面倒な部分をプラットフォーム側が肩代わりする。2024年12月に登場した米国発のサービスで、開発者が自作の MCPサーバーを公開・収益化する場としても機能する。
主な特徴
- MCPサーバーと Agent Skills のディレクトリ: 多数の連携が一覧・検索できるレジストリを備える。Web検索、ブラウザ操作、ドキュメント参照といった用途ごとに既製のサーバーを探し、そのまま利用できる
- OAuth 設定が不要な接続: 「リダイレクトURI もクライアントID もシークレットも設定不要」を掲げており、接続作成時にホスト型のセットアップ画面が用意される。トークンの自動更新にも対応する
- 認証情報の安全な保管: APIキーなどの機密値は暗号化して保存され、書き込み専用(保存後は読み出せない)として扱われる。ブラウザやモバイルからの利用向けに、権限と有効期限を絞った短命のサービストークンも発行できる
- CLI・REST API・SDK の3経路: コマンド1つで接続を追加する CLI、プログラムから接続を管理する REST API、型付きの TypeScript SDK(
@smithery/api)が揃っており、用途に応じて選べる - ネームスペース単位の集約URL: 自分のネームスペースに紐づけた連携をまとめて1つの URL として公開でき、Claude・Cursor・ChatGPT・MCP Inspector などのクライアントからアプリごとの再設定なしで使える
- 接続状態の可視化とセッション管理: 接続は「接続済み」「認証が必要」「入力が必要」「エラー」といった状態を持ち、ユーザーとの紐づけ用のメタデータも保持できるため、複数ユーザーを抱えるアプリでも管理しやすい
- 開発者向けの公開・収益化: 自作の MCPサーバーをレジストリに公開して他の利用者に見つけてもらえるほか、収益化の導線も用意されている
料金
| プラン | 料金 | 主な内容 |
|---|---|---|
| 無料枠 | $0 | レジストリの閲覧・検索、接続の作成といった基本機能を試せる |
| 有料プラン | 要確認 | 利用量の拡大と追加機能。金額は公式サイトの料金ページを参照 |
料金は2026年8月時点の情報です。有料プランの具体的な金額はページの読み込み方によって表示されない場合があるため、最新かつ正確な条件は公式の料金ページで直接ご確認ください。
メリット・デメリット
✅ メリット
- MCPサーバーを探す・つなぐという作業が一箇所で完結し、個別に接続コードを書く手間が減る
- OAuth の設定やトークン更新といった、実装すると地味に重い部分をプラットフォームに任せられる
- ネームスペースの集約URL により、複数のツールを1つの接続先としてAIクライアントに登録できる
- CLI・REST API・SDK が揃っており、手作業の試行からプロダクション組み込みまで同じ仕組みで移行できる
- 認証情報が書き込み専用で保管されるため、アプリ側に平文の鍵を持たせずに済む
⚠️ デメリット
- 有料プランの料金体系が分かりにくく、コストを見積もるには公式ページや問い合わせでの確認が必要
- MCP という仕組みそのものへの理解が前提となるため、AIエージェント開発の経験がないと最初のハードルがある
- 外部サービスへの接続を仲介する性質上、認証情報を預ける先が1つ増える。機密性の高い業務では取り扱い方針の確認が要る
- レジストリに並ぶサーバーの多くは第三者製であり、品質やメンテナンス状況はサーバーごとに差がある
- 日本語のドキュメントや解説記事はまだ少ない
類似サービスとの比較
| 比較項目 | Smithery | MCP公式レジストリ | Composio | Zapier MCP |
|---|---|---|---|---|
| 主な役割 | MCPサーバー/スキルの検索とホスト型接続 | MCPサーバーの公式な一覧 | エージェント向けツール連携基盤 | 既存の自動化サービスをMCP経由で提供 |
| 認証の代行 | OAuth・トークン更新を自動化 | 提供しない(一覧が主目的) | 認証管理を提供 | サービス側アカウントに準拠 |
| 接続方法 | CLI / REST API / SDK / 集約URL | 各サーバーの手順に従う | SDK・API中心 | 生成されたMCP URL |
| 開発者の公開 | 公開・収益化に対応 | 公開に対応 | 連携の追加に対応 | 対象外 |
| 向いている人 | 複数のMCPを束ねて使いたい開発者 | 素性の確かなサーバーを探したい人 | 業務SaaS連携を厚くしたい開発者 | ノーコード中心の自動化利用者 |
こんな人におすすめ
- 自作のAIエージェントやチャットボットに、Web検索・ブラウザ操作・業務ツール連携を短時間で足したい開発者
- 複数の MCPサーバーを扱っており、クライアントごとの設定が煩雑になってきた人
- OAuth の実装やトークン更新を自前で抱えたくない、少人数のプロダクトチーム
- どんな MCPサーバーが存在するのかをまず一覧で眺めたい、MCP を学習中のエンジニア
- 自作の MCPサーバーを公開して、使ってもらう導線を作りたい開発者
まとめ
Smithery は、MCPサーバーと Agent Skills を「探す」「つなぐ」「管理する」の3点で支えるディレクトリ基盤である。とりわけ OAuth や認証情報の扱いを肩代わりする点は、エージェント開発で後から効いてくる部分を先に片付けてくれる。一方で有料プランの条件は公式ページでの確認が必要で、預ける認証情報の範囲も含めて導入前に整理しておきたい。まずは無料枠でレジストリを眺め、使いたいサーバーを1つ接続してみるところから始めるとよい。