Webページ上の欲しい情報をクリックで指定するだけで、表形式のデータとして取り出せるノーコードのスクレイピングツール。Chrome拡張機能でページ内のリスト構造を自動検出し、CSV・JSON・Markdownでダウンロードできる。取り出し手順は「スクレイプレシピ」として保存でき、クラウド実行・複数ページ処理・定期実行にそのまま流用できる。Google スプレッドシートやAirtable、Zapier、Makeとの連携に加え、抽出結果をAPI経由で取得することも可能で、集めたデータをそのまま業務フローに載せられる。リトアニア発、2019年12月の公開以来、AIによるデータ整形やAIエージェント向けのMCPサーバー提供など機能を広げてきた。
主な特徴
- クリックだけでデータを選択: ブラウザ拡張機能を起動してページ上の要素をクリックすると、同じ構造の項目をまとめて検出する。商品一覧・求人一覧・検索結果のようなリストページであれば、CSSセレクタの知識がなくても列単位でデータを取り出せる
- スクレイプレシピの保存と再利用: 一度作った抽出設定はレシピとして保存され、同じサイトの別ページや後日の再取得にそのまま使い回せる。レシピはブラウザ拡張から作るほか、AIが構造を推測する Smart Extract 経由でも作成できる
- 複数ページ・無限スクロールへの対応: ページネーションのある一覧や、スクロールで追加読み込みされるページも設定で追える。クラウド実行では1レシピあたり最大5,000件のURLをまとめて処理できる
- クラウド実行とスケジュール: ブラウザを開いていなくてもクラウド側でスクレイプが走る。定期実行を設定すれば、価格や在庫の変化を日次・週次で自動収集できる
- AIによるデータ整形と補強: 取得後のデータをAIで整形・補強する機能があり、カラム名の自動生成や表記ゆれの整理に使える。ページ全体をMarkdownに変換する出力にも対応する
- API・連携・MCPサーバー: 抽出APIとスクリーンショットAPIを備え、非同期実行とカーソル方式のページネーションに対応する。Google スプレッドシート・Airtable・Zapier・Make・Webhook・メールへの送出に加え、AIエージェントから呼び出すためのMCPサーバーも提供されている
料金
無料プランがあり、有料プランは月間のスクレイプクレジット数で段階分けされている。
| プラン | 月額料金 | 主な内容 |
|---|---|---|
| Free | $0 | 月100クレジット、基本的な抽出機能 |
| Plus | $35 | 月6,000クレジット、レシピ保存、優先メールサポート |
| Pro | $70 | 月15,000クレジット、Google スプレッドシート/Airtableの同期、スケジュール実行 |
| 上位プラン | $249まで | 月100,000クレジットまでの拡張 |
| Premium | 要問い合わせ | 大規模利用向けのカスタムプラン |
料金は2026年8月時点の情報です。クレジットの消費単位やプランの区分は変更されることがあるため、最新の料金は公式サイトの料金セクションをご確認ください。
メリット・デメリット
✅ メリット
- プログラミングの知識がなくても、クリック操作だけで一覧ページをデータ化できる
- レシピとして保存できるため、同じ抽出を何度も繰り返す作業と相性がよい
- クラウド実行とスケジュールにより、定点観測のような継続的なデータ収集を自動化できる
- スプレッドシートやAirtable、Zapier、Makeへ直接流し込めるので、集めた後の手作業が少ない
- APIとMCPサーバーがあり、開発者やAIエージェントからの利用にも道が開かれている
- 無料プランで使い勝手を試してから有料へ移行できる
⚠️ デメリット
- クレジット制のため、大量ページを扱うと上位プランが必要になり費用が読みにくい
- 対象サイトのHTML構造が変わると、保存したレシピの修正が必要になる
- ログインが必要なページや高度なボット対策が施されたサイトは、扱いが難しい場合がある
- 日本語のドキュメントやサポートは用意されておらず、英語での操作・問い合わせが前提になる
- スクレイピングの可否はサイトの利用規約や法令に左右されるため、利用者側での確認が欠かせない
類似サービスとの比較
| 比較項目 | Simplescraper | Octoparse | Browse AI | Apify |
|---|---|---|---|---|
| 主な操作方法 | ブラウザ拡張でクリック選択 | デスクトップアプリのビジュアル設定 | ブラウザ操作の記録(ロボット) | 既製アクターの実行+コード開発 |
| 対象ユーザー | 非エンジニア〜開発者 | 非エンジニア中心 | 非エンジニア中心 | 開発者中心 |
| クラウド実行 | 対応 | 対応 | 対応 | 対応 |
| 定期実行 | 対応(有料プラン) | 対応 | 対応 | 対応 |
| API連携 | 抽出API・スクリーンショットAPI・MCPサーバー | API提供あり | API提供あり | 充実(プラットフォーム全体がAPI前提) |
| 無料プラン | あり | あり | あり | あり(クレジット制) |
軽く始めたい場合はSimplescraperやBrowse AIが扱いやすく、複雑なクローリングや独自ロジックが必要になるとApifyのような開発者向け基盤が向く。
こんな人におすすめ
- 競合の価格や商品一覧を定期的に集めたいが、開発リソースをかけられないマーケター・EC担当者
- 求人情報や不動産情報など、一覧ページから機械的にデータを集めたいリサーチ担当者
- 集めたデータをGoogle スプレッドシートやAirtableで管理し、そのまま分析につなげたい人
- 簡易なデータ取得をAPI化して、自作ツールやAIエージェントから呼び出したい開発者
- まず無料枠でスクレイピングの実現性を検証したい人
まとめ
Simplescraperは、ブラウザ拡張のクリック操作という入口の低さと、レシピ・クラウド実行・API・MCPサーバーという運用面の広さを両立したノーコードスクレイピングツールである。一覧ページから繰り返しデータを取り出す用途では、コードを書かずに定型作業を自動化できる。一方で従量課金のクレジット制と、対象サイトの構造変化・利用規約への配慮は前提になる。まずは無料プランで対象サイトが問題なく取得できるかを確かめ、運用に乗せる段階で必要なクレジット数に合わせてプランを選ぶとよい。