ノルウェーのRoomSketcher ASが提供する間取り図作成サービス「RoomSketcher」に搭載されたAI機能。紙の間取り図をスマホで撮った写真や、不動産サイトからダウンロードしたPDF・JPG・PNGをアップロードすると、AIが壁・ドア・窓を自動で認識し、その場で編集できるデジタルフロアプランに変換する。手描きのトレース作業が不要になるため、不動産仲介やインテリアデザインの現場で、既存図面を作り直す手間を大きく減らせる。変換後はRoomSketcher本体の機能で家具を配置し、2D/3Dの図面や3Dパースとして書き出せる。
主な特徴
- 画像・PDFから壁・ドア・窓を自動検出: JPG・PNG・PDFに対応。紙の間取り図をスマートフォンで撮影した写真からでも変換できる。公式サイトによれば5万件以上の実際の間取り図で学習しており、変換は数秒で完了するとされる
- 変換後はそのまま編集できる: 生成されるのは画像ではなく編集可能なフロアプラン。壁の位置を直したり、部屋名・寸法・ラベルを追加したりできるため、AIの認識結果に多少のずれがあっても自分で修正できる
- 家具・素材の配置と3D化: 変換後にRoomSketcherの家具ライブラリから家具を置き、床材や壁材を差し替えられる。同じ間取りから2D平面図・3D平面図・3Dフォト・360度ビューを書き出せる
- 家具は認識対象外: AI Convertが検出するのは壁・ドア・窓といった構造要素のみ。元の図面に描かれた家具は変換されず、後から自分で配置する
- 確定前にプレビューできる: 変換結果を見てからクレジットを消費するかどうか決められるため、認識がうまくいかなかった図面で無駄が出にくい
- クライアント共有まで一貫して行える: 作成したプランはブランディング(ロゴ・配色)を付けて出力でき、物件資料や提案書としてそのまま使える
料金
AI Convertは単体で契約する機能ではなく、RoomSketcherのプランに含まれる「クレジット」を消費して使う。初回の変換は無料で、以降は1回あたり5クレジット。無料のPay As You Goプランには月次クレジットが付かないため、その場合は1フロアあたり$20の都度払いとなる。
| プラン | 料金 | 月次クレジット | プロジェクト保存数 | 主な特徴 |
|---|---|---|---|---|
| Pay As You Go | $0 | 0 | 10 | 家具ライブラリは限定、3Dスナップショットに透かしあり。AI Convertは1フロア$20 |
| Pro | 年払い 月額$12(年$144)/ 月払い $24 | 5 | 100 | 1ユーザー。家具ライブラリ全開放、2D/3D平面図、3Dフォト、360度ビュー、寸法表示、ブランディング |
| Team | 年払い 月額$35(年$420)/ 月払い $70 | 20 | 500 | 5ユーザー込み。Proの全機能に加え、複数の顧客プロファイル、共同編集、1対1のトレーニング、専任担当 |
料金は2026年8月時点の情報です。最新の料金は公式サイトをご確認ください。
メリット・デメリット
✅ メリット
- 既存の間取り図をゼロから引き直す必要がなくなり、図面作成の初速が大きく上がる
- 出力が編集可能なデータなので、AIの誤認識を後から手で直せる
- 変換から家具配置・3Dパース書き出し・共有までを1つのサービス内で完結できる
- 初回変換が無料で、以降もプレビューを見てからクレジットを使うか判断できる
- 紙の図面をスマートフォンで撮った写真から始められる
⚠️ デメリット
- 家具は認識されないため、元図面の家具レイアウトを再現したい場合は手作業になる
- 元の図面が不鮮明だったり手描きの線が粗かったりすると、認識精度が落ちる
- 無料プランでは月次クレジットが付かず、継続的に使うなら有料プランか都度払いが前提
- サービス全体・ヘルプセンターとも英語が中心で、日本語での情報は限られる
- 日本の住宅図面特有の表記(畳数、和室の記号など)にどこまで追随するかは、実際の図面で試して確かめる必要がある
類似サービスとの比較
| 比較項目 | RoomSketcher (AI Convert) | CubiCasa | magicplan | Planner 5D |
|---|---|---|---|---|
| 主な入力 | 既存の間取り図画像・PDF | スマホでの室内スキャン | スマホでのスキャン・実測 | 手動作図・画像取り込み |
| 変換の担い手 | AIによる自動処理(数秒) | スキャン送信後に図面を納品 | アプリ内で即時生成 | ユーザーによる作図が中心 |
| 主な用途 | 既存図面のデジタル化・再編集 | 物件掲載用の実測図面 | 現場調査・見積もり | 間取りとインテリアの可視化 |
| 3D表現 | 3D平面図・3Dフォト・360度ビュー | 3Dプラン(上位プラン) | 3Dビュー | 3Dレンダリング |
| 課金の考え方 | 月額+クレジット消費 | 図面1件ごと | プロジェクト単位のクレジット | 月額/買い切り |
現地に行ってスマホでスキャンするタイプ(CubiCasa、magicplan)とは出発点が違う。AI Convertは「すでに図面がある」状態から始めるツールで、既存の物件資料や古い図面をデジタル化したい場合に向く。
こんな人におすすめ
- 物件資料の間取り図を、掲載用にきれいなフロアプランへ作り直したい不動産仲介の担当者
- 顧客から受け取った既存図面をベースに、家具配置や内装の提案を作りたいインテリアデザイナー
- 紙で保管している古い図面をデジタル化して、社内で再利用できるようにしたい人
- リフォームや模様替えの検討で、自宅の間取り図から3Dイメージを作ってみたい個人
- 作図ソフトの操作を一から覚える時間はないが、見栄えのする図面が必要な人
まとめ
RoomSketcherのAI Convertは、「間取り図はあるが編集できない」という状況を解消するための機能である。壁・ドア・窓を自動検出して編集可能なプランに変換し、そこからRoomSketcher本体の家具配置や3D出力につなげられる点が強みになる。家具が認識対象外であることや、元図面の品質に結果が左右される点は前提として押さえておきたい。初回の変換は無料で試せるため、手元の図面を1枚アップロードして認識精度を確かめてからプランを検討するのが現実的な進め方といえる。