Rindlerは、APIを持たないサイトも含め、あらゆるWebサイトを「AIエージェントやプログラムが呼び出せる決定的なAPI」へと変換するWeb自動化基盤である。タスクは平易な言葉で記述するだけでよく、複雑なワークフロービルダーやフローチャートの構築は不要。実際のブラウザを操作してログイン、ワンタイム認証コードの処理、画面遷移、フォーム入力やレコード取得を代行し、呼び出し側が定義したスキーマに沿った構造化データとして結果を返す。2026年7月に公開された米国発のサービスで、銀行、採用、ヘルスケアなど、いまだ手作業が残る業務領域の反復作業を置き換えることを狙っている。
主な特徴
- 平易な言葉でタスクを定義: 「このサイトにログインして請求書の一覧を取得する」のように、やりたいことを普通の文章で書くだけ。ビルダーでのフロー組み立てやセレクタの指定は必要ない
- API がないサイトも API 化: 実際のブラウザを裏で操作するため、公式 API を提供していない業務サイトや行政サイトでも、決まった入力に対して決まった形式のデータを返す「決定的な API」として扱える
- ログインとワンタイムコードに対応: ログイン情報は暗号化してサイト単位で安全に保管され、二要素認証のワンタイムコード処理も含めて認証付きサイトの操作を代行する
- 実行過程が常に可視化される: すべての実行でステップとスクリーンショットが記録され、何にアクセスし何を行ったかを後から確認できる。アクションの種類ごとに「許可 / 毎回確認 / 禁止」の権限ルールも設定できる
- レイアウト変更を自動で検知・修復: 対象サイトのデザインが変わっても、Rindler 側が集中管理で自動化を一度修復すれば、そのサイトを使う全ユーザーに追加費用なしで反映される
- 構造化データで結果を返却: 呼び出し側が定義したスキーマどおりの構造化データが返るため、AI エージェントや既存システムからの組み込みがしやすい
料金
| プラン | 料金 | 主な内容 |
|---|---|---|
| Starter | 月額$100 | 月100ラン、ログイン必須サイト1件、メールサポート、7日間無料トライアルあり |
| Teams | 月額$1,000 | 月1,000ラン、ログイン必須サイト10件、スケジュール実行、チームワークスペース |
| Enterprise | 要問い合わせ | ラン数のカスタマイズ、ログイン必須サイト無制限、年契約(初月パイロット)、専任オンボーディング |
「1ラン = 完了した1タスク」で、完了したランに対してのみ課金される仕組み(実質$1/ラン)。
料金は2026年8月時点の情報です。最新の料金は公式サイトをご確認ください。
メリット・デメリット
✅ メリット
- API のない Web サイトを対象にできるため、従来 RPA や手作業に頼っていた業務を自動化しやすい
- 自然文でタスクを書くだけで、フローチャートやセレクタのメンテナンスが要らない
- サイトのレイアウト変更への追従を運営側が集中対応してくれるため、自前で壊れた自動化を直す負担がない
- 実行ステップとスクリーンショットが残り、権限ルールも細かく設定できるため、業務利用での監査性が高い
- 完了したタスクにのみ課金される明快な料金モデル
⚠️ デメリット
- 2026年7月公開の新しいサービスで、実績やコミュニティの情報がまだ少ない
- SOC 2・HIPAA・PCI などの認証は現時点で未取得と公式に明言されており、規制の厳しい業務ではセキュリティ評価が別途必要
- 最小プランでも月額$100からと、個人の軽い用途には割高
- ログイン情報を外部サービスに預ける形になるため、社内ポリシーとの整合確認が必要
類似サービスとの比較
| 比較項目 | Rindler | Browser Use | Skyvern | Browserbase |
|---|---|---|---|---|
| 形態 | SaaS(サイトをAPI化) | オープンソースのブラウザエージェント | ブラウザ自動化API(OSS + クラウド) | エージェント向けヘッドレスブラウザ基盤 |
| タスク定義 | 自然文 | 自然文(コードから利用) | 自然文プロンプト | 自前のエージェント実装が必要 |
| 対象ユーザー | 業務チーム〜開発者 | 開発者 | 開発者 | 開発者 |
| ログイン付きサイト | 対応(暗号化保管) | 実装依存 | 対応 | 実装依存 |
| サイト変更への追従 | 運営が集中修復 | 自前対応 | LLMが都度解釈 | 自前対応 |
こんな人におすすめ
- 公式 API のない業務サイト(銀行、行政、保険、採用媒体など)への手入力・転記作業を自動化したいチーム
- RPA のフロー保守に疲れており、サイト変更のたびに壊れる自動化から卒業したい担当者
- AI エージェントから外部 Web サイトを「決定的な API」として安全に呼び出したい開発者
- 実行ログとスクリーンショットによる監査性を重視する業務部門
まとめ
Rindlerは、「Web サイトそのものを API に変える」というアプローチで、従来の RPA やブラウザエージェントとは異なる位置を取る Web 自動化基盤である。自然文でのタスク定義、認証付きサイトへの対応、レイアウト変更の集中修復といった特徴は、壊れやすい自動化の保守に悩んできたチームに刺さる。一方で公開から日が浅く、セキュリティ認証も未取得のため、まずは7日間の無料トライアルで対象業務との相性を確かめるのがよい。