米国発のAIベクターグラフィックス生成ツール。テキストプロンプトや参考画像を渡すと、ロゴ・イラスト・アイコンなどを「そのまま編集できるSVG」として出力する。独自の基盤モデル「Arrow」シリーズを自社開発しており、生成だけでなくラスター画像のベクター化(ベクトライズ)やリカラーにも対応する。Webアプリのほか、REST APIとMCPサーバーを備え、AIエージェントやデザインツールから呼び出す使い方もできる。2026年8月時点でパブリックベータとして公開されている。
一般的な画像生成AIが出力するPNGと違い、SVGは拡大しても劣化せず、色や形をあとから部分的に変えられる。ロゴやUIアイコンのように「作ったあとに直す前提」の素材と相性がよいのが、このツールの立ち位置である。
主な特徴
- テキストからSVGを生成: プロンプトを入力するだけでベクター形式のロゴやイラストを生成する。参考画像を添えてテイストを寄せることもできる
- 画像のベクター化(Image-to-SVG): 手持ちのラスター画像(PNG・JPEGなど)を編集可能なベクターに変換する。既存ロゴのSVG化などに使える
- 編集とリカラー: 生成後のベクターを、色の差し替えや形状の調整といった単位で編集できる。用途ごとに配色違いのバリエーションを作りやすい
- 独自モデル「Arrow」シリーズ: Arrow 1.0 / 1.1 / 1.1 Max を用途と品質に応じて選べる。モデルごとに消費クレジットが異なる
- REST APIとMCPサーバー:
https://api.quiver.ai/v1のAPIに加え、リモートMCPサーバー(https://app.quiver.ai/mcp)を提供。Claude Code・Cursor・VS Code・Codexなどから、生成・ベクター化・一覧取得といったツールを直接呼び出せる - 外部ツールとの連携: Rive・Timbal AI・Paper・Linearity・Branda・Flora などとの連携が公表されている
- タイポグラフィとアニメーション(近日提供): 可変ウェイトのレターフォーム生成、SVGアニメーション機能が予告されている
料金
| プラン | 月額料金 | 主な内容 |
|---|---|---|
| Free | $0 | 週200クレジット、週10回程度の生成、Arrow 1.0 / 1.1、基本的なSVGエクスポート、コミュニティサポート |
| Basic | $20 | 週1,000クレジット、週50回程度の生成、Arrow 1.1 Max、全エクスポート形式(PNG / JPEG / WebP / SVG)、メールサポート |
| Pro | $40 | 週3,000クレジット、週150回程度の生成、Basicの全機能、優先サポート |
| Enterprise | 要問い合わせ | クレジット枠のカスタマイズ、SSO / SAML、専任担当、カスタムモデル学習、オンプレミス導入、データレジデンシー、SLA |
クレジットは操作とモデルによって消費量が変わる(例: Arrow 1.0 は1操作30クレジット、Arrow 1.1 は生成20 / ベクター化15、Arrow 1.1 Max は生成25 / ベクター化20)。なお、API経由の利用分はプランのクレジットに含まれず、別途購入が必要と案内されている点に注意したい。
料金は2026年8月時点の情報です。最新の料金は公式サイトをご確認ください。
メリット・デメリット
✅ メリット
- 出力がSVGなので、拡大しても劣化せず、あとから色や形を編集できる
- 生成とベクター化の両方を1つのツールで扱え、既存素材のSVG化にも使える
- 無料プランでも週200クレジットが付き、試用してから判断できる
- APIとMCPが用意されており、エージェントやアプリへの組み込みがしやすい
- Enterpriseプランでオンプレミス・SSO・データレジデンシーに対応しており、企業導入の受け皿がある
⚠️ デメリット
- 2026年8月時点でパブリックベータであり、機能追加や仕様変更の可能性がある
- API利用分のクレジットが別購入となるため、プログラムから多用する場合はコストが読みにくい
- 無料プランは週10回程度の生成に制限され、試行錯誤を繰り返す用途には足りにくい
- タイポグラフィ生成とアニメーションは「近日提供」の段階で、現時点では使えない
- 商用ロゴとして使う場合は、既存商標との類似チェックなど人間側の確認が別途必要
類似サービスとの比較
| 比較項目 | QuiverAI | Recraft | Vectorizer.AI | Adobe Illustrator(テキストからベクター生成) |
|---|---|---|---|---|
| 主な用途 | SVG生成 + ベクター化 | 画像・ベクター生成全般 | ラスター画像のベクター化専用 | プロ向けベクター制作 |
| 出力形式 | SVG中心(有料プランでPNG / JPEG / WebPも) | SVG / ラスター | SVG / EPS / PDF など | AI / SVG / EPS など |
| テキストからの生成 | 対応 | 対応 | 非対応 | 対応 |
| API / エージェント連携 | REST API + MCPサーバー | API あり | API あり | 主にアプリ内・Adobe連携 |
| 無料で試せるか | 無料プランあり | 無料枠あり | 無料プレビューあり | 体験版のみ |
こんな人におすすめ
- ロゴやアイコンのたたき台を、編集できる形式で素早く量産したい個人開発者・小規模チーム
- 手持ちのPNGロゴをSVG化して、Webサイトやアプリで使い回したい人
- AIエージェント(Claude Code・Cursorなど)から画像素材の生成を呼び出したい開発者
- デザイン案の配色バリエーションを短時間で比較検討したいマーケター・デザイナー
- 社内利用でSSOやオンプレミス配置が求められる企業のデザイン部門
まとめ
QuiverAIは、「生成した後に直せる」ことを前提に設計されたAIベクターグラフィックスツールである。PNGを出力する汎用の画像生成AIとは目的が異なり、ロゴ・アイコン・イラストのように編集と再利用が前提の素材で強みが出る。APIとMCPを備えているため、デザイン作業だけでなく、開発フローに素材生成を組み込む用途にも向く。一方でパブリックベータ段階であり、API利用のクレジットが別建てになっている点は、本格導入前に確認しておきたい。まずは無料プランでArrowモデルの出力品質を確かめ、生成頻度に応じてBasic・Proを検討するとよい。