Alibaba Groupが提供するAIエージェント型のコーディングプラットフォーム。2025年8月にプレビュー公開され、2026年5月にバージョン1.0としてWindows・macOS・Linux向けに正式リリースされた。チャットで対話しながら書く「Agent Mode」に加え、タスクを預けると計画から実装・検証までを自走する「Quest Mode」を持つのが特徴で、リポジトリ全体の知識を蓄える「Repo Wiki」が長い作業のあいだ文脈を保つ。専用IDEのほかJetBrainsプラグインとCLIからも使え、CursorやWindsurfと同じ土俵に立つ製品として位置づけられている。
主な特徴
- Quest Mode(自律タスク実行): 「この機能を実装して」といった粒度の大きい依頼を預けると、計画立案・複数ファイルにまたがる編集・動作確認までをエージェントが続けて進める。人間は途中経過を確認して方向を修正する役割に回れる
- Agent Mode(対話型のペアプログラミング): チャットで指示しながら少しずつ書き進めるモード。チェックポイントが用意されており、気に入らない変更は前の状態へ戻せる
- Repo Wiki(リポジトリ全体の理解): コードベースを解析してリポジトリの構造や設計意図をWiki形式で蓄積する。セッションをまたいでも文脈が残るため、大規模プロジェクトで毎回説明し直す手間が減る
- 複数モデルの使い分け: Claude・GPT・Geminiなどの外部モデルに加え、Alibaba自社のQwen系モデルも選択できる。タスクに応じてモデルを切り替えられる
- JetBrainsプラグインとCLI: 専用エディタに移行しなくても、IntelliJ IDEAなどのJetBrains製IDEやターミナルからエージェントを呼び出せる。CLIは旧iFlow CLIを統合したもの
- MCP(Model Context Protocol)対応: 外部サービスやローカルツールをエージェントに接続でき、社内APIやデータベースを参照させる使い方ができる
料金
| プラン | 料金 | 主な内容 |
|---|---|---|
| Free | $0 | 軽量な無料モデルのみ利用可。1日あたり・1か月あたりの利用上限あり |
| Pro | 月額$20 | 購読額に相当するプレミアムモデル利用枠(クレジット)+ボーナス分 |
| Pro+ | 月額$60 | Proより多いクレジット枠 |
| Ultra | 月額$200 | 最上位のクレジット枠 |
| Teams | 1席あたり月額$40 | 1席あたり月3,000クレジット、チーム向けの管理機能 |
新規ユーザーは初回サインイン時に14日間のProトライアル(300クレジット付与)を利用できる。Pro以上のプランでは、枠を使い切った場合にクレジットパックを追加購入できる。なお、Qoderは期間限定の割引キャンペーンやモデル別の割引レートを頻繁に実施しているため、実際の請求額は時期によって変動する。
料金は2026年8月時点の情報です。最新の料金は公式サイトをご確認ください。
メリット・デメリット
✅ メリット
- Quest Modeにより、指示の粒度を大きくしたまま複数ファイルの変更をまとめて任せられる
- Repo Wikiがコードベースの前提知識を保持するため、既存の大規模プロジェクトでも説明コストが低い
- JetBrainsプラグインとCLIがあり、エディタを乗り換えずに導入を試せる
- 複数のモデルを選べるので、精度を優先する場面とコストを抑える場面を切り替えられる
- 14日間のProトライアルがあり、有料機能を試してから判断できる
⚠️ デメリット
- 無料プランは軽量モデルに限定され、エージェント機能を本格的に使うには有料プランが前提になる
- クレジット制のため、消費量が読みにくく月々のコストが見積もりづらい
- 割引施策の入れ替わりが激しく、公開されている価格情報が時期によって食い違いやすい
- 自律実行は便利な反面、変更範囲が広くなりやすいのでレビュー体制が必要になる
- Alibaba提供のサービスであるため、扱うコードの機密性については社内ポリシーとの確認が要る
類似サービスとの比較
| 比較項目 | Qoder | Cursor | Windsurf | GitHub Copilot |
|---|---|---|---|---|
| 提供元 | Alibaba Group | Anysphere | Cognition | GitHub(Microsoft) |
| 形態 | 専用IDE+JetBrainsプラグイン+CLI | 専用IDE(VS Codeベース) | 専用IDE+プラグイン | 各種IDEの拡張機能 |
| 自律実行 | Quest Modeで計画から検証まで | Agentモード | Cascade | Coding Agent |
| コードベース理解 | Repo Wikiで永続化 | インデックス+コンテキスト参照 | インデックス+コンテキスト参照 | リポジトリ検索連携 |
| 無料プラン | あり(軽量モデルのみ) | あり | あり | あり(制限付き) |
こんな人におすすめ
- 大きめの機能追加やリファクタリングを、指示を細かく刻まずにAIへ預けたい開発者
- 既存の大規模リポジトリを扱っていて、AIに毎回コードベースを説明し直す手間を減らしたい人
- JetBrains製IDEを使い続けたまま、エージェント型の開発を試したいチーム
- 使うモデルを状況に応じて切り替え、精度とコストのバランスを自分で調整したい人
- まず無料トライアルでエージェント型IDEの実力を確かめたい人
まとめ
Qoderは、Alibabaがエージェント型の開発ワークフローに正面から取り組んだコーディングプラットフォームである。Quest Modeによる自律実行とRepo Wikiによる長期的な文脈保持という2点が、他のAIコーディングツールとの違いを分かりやすくしている。一方でクレジット制の料金は消費量が読みづらく、割引施策の変動も大きいため、まずは14日間のProトライアルで自分のプロジェクトに対する実効性を測ってから、プランを選ぶのが現実的だろう。