Google Labs / Google DeepMind が手がけるAI音楽エージェント。オープンソースの音楽生成プロジェクト Riffusion を出自とし、Producer.ai として育ったのち、2026年2月に Google が買収、同年4月に「Google Flow Music」へ名称を変えて公開されている。旧ドメイン producer.ai は現行サイト flowmusic.app に転送される。中核にあるのは DeepMind の音楽生成モデル Lyria 3 系で、チャットで「こんな曲がほしい」と伝えるだけで、作詞・作曲・ボーカル・ミキシングまでが一続きに進む。さらに Veo によるミュージックビデオ生成、ステム分離、オーディオエフェクトまで同じ画面に載っており、楽器やDAWの経験がなくても曲を形にできるのが最大の特徴である。
主な特徴
- チャット指示だけで曲が仕上がる: 「夏の終わりの切ないシティポップ、女性ボーカルで」のように言葉で伝えると、対話を取りまとめる Gemini が意図を解釈し、歌詞・アレンジ・ボーカルまで含めた楽曲を返す。気に入らない箇所は会話を続けて直していく
- Lyria 3系によるフル尺・ボーカル対応の生成: 初期の数十秒プレビューから拡張され、数分規模のフル尺トラックを生成できる。歌入りにも対応し、後継の Lyria 3.5 ではより表現豊かな歌唱、自然なアレンジ、BPM の指定、フル尺曲のステム書き出しが可能になっている
- Replace / Extend による部分リミックス: 曲全体を作り直さずに、テキスト指示で特定のセクションだけを差し替える Replace と、曲の続きをスタイルを保ったまま伸ばす Extend を備える。「サビだけ変えたい」という編集がやり直しなしで済む
- ステム分離とオーディオエフェクト: 生成した曲をボーカル・ドラムなどのパートに分離して書き出せる。DAW に持ち込んで自分で仕上げたい人や、カラオケ用のインスト音源が欲しい人にも使える
- Veo によるミュージックビデオ生成: 曲に合わせた映像を同じサービス内で作れる。アルバムアートの生成にも画像モデルが組み込まれており、音源・ジャケット・映像を一箇所で揃えられる
- 無料枠から試せる: サインアップすればクレジット制の無料枠で生成を試せる。Google のAIサブスクリプション契約者は追加費用なしで利用できる旨が案内されている
料金
クレジット制で、上位プランほど1か月に生成できる曲数が増える構成になっている。
| プラン | 概要 | 生成量の目安 |
|---|---|---|
| 無料 | サインアップのみで利用可。日次クレジットが付与される | 1日あたり数十曲規模 |
| Starter | 有料の入門プラン | 月あたり数百曲規模 |
| Plus | 中位プラン | Starter の数倍 |
| Member | 最上位プラン | Plus の数倍 |
料金は2026年8月時点の情報です。公式の料金ページは自動取得できなかったため、各プランの正確な金額とクレジット数は公式サイトの料金ページで確認してください。
メリット・デメリット
✅ メリット
- 音楽理論やDAWの知識がなくても、日本語を含む自然文の指示だけで歌入りの曲を作れる
- 生成 → 部分修正 → ミュージックビデオ → 共有までを1つのサービス内で完結でき、ツールを行き来しなくてよい
- Replace / Extend により、気に入った部分を残したまま一部だけ作り直せる
- ステム書き出しに対応するため、AI生成を「たたき台」として自分の制作に取り込める
- 無料枠が用意されており、課金前に品質を確かめられる
⚠️ デメリット
- クレジット制のため、試行錯誤を重ねると無料枠はすぐ尽きる
- 買収・改称を経てサービス名とドメインが変わっており、古い記事やブックマークの情報が現状と食い違いやすい
- 細かなミックスやマスタリングの追い込みは、専用のDAWやプラグインには及ばない
- 生成物の商用利用可否や権利の扱いはプランと規約に依存するため、業務利用の前に利用規約の確認が要る
- 日本語詞の発音やイントネーションは、英語詞に比べると不自然になる場合がある
類似サービスとの比較
| 比較項目 | Google Flow Music(旧 Producer.ai) | Suno | Udio | Stable Audio |
|---|---|---|---|---|
| 提供元 | Suno | Uncharted Labs | Stability AI | |
| 中核モデル | Lyria 3系(DeepMind) | 自社モデル | 自社モデル | 自社モデル |
| ボーカル生成 | 対応 | 対応 | 対応 | 主にインスト向け |
| 部分編集 | Replace / Extend | 対応(拡張・カバー等) | 対応(リミックス等) | 限定的 |
| 映像生成 | Veo によるMV生成に対応 | 非対応 | 非対応 | 非対応 |
| 無料枠 | あり | あり | あり | あり |
音源だけなら Suno や Udio も完成度が高いが、ミュージックビデオまで同じサービスで作れる点は Flow Music の明確な差別化要素になっている。効果音やループ素材など制作素材寄りの用途では Stable Audio が向く。
こんな人におすすめ
- 動画やゲームに使うオリジナル曲を、権利関係をシンプルに保ったまま自分で用意したい制作者
- 楽器もDAWも触ったことがないが、頭の中のイメージを曲にしてみたい人
- SNS投稿用に、曲とミュージックビデオをセットで短時間に用意したい発信者
- 作曲のたたき台をAIに任せ、ステムを書き出して自分のDAWで仕上げたい既存のトラックメイカー
- Google のAIサブスクリプションを契約していて、追加費用なしで使えるツールを増やしたい人
まとめ
Producer.ai は、Riffusion から Producer.ai、そして Google Flow Music へと名前を変えながら、「チャットで曲ができる」という体験を一貫して磨いてきたサービスである。Lyria 3系による歌入りフル尺の生成に、Replace / Extend の部分編集、ステム分離、Veo によるMV生成が加わり、音楽制作の入口から出口までを1つの画面でカバーする。まずは無料枠で自分のイメージがどこまで音になるかを確かめ、生成量が足りなくなった段階で有料プランを検討するとよい。なお、サービス名とドメインが変わっているため、情報を調べる際は現行の公式サイトを起点にすることをすすめる。
関連リンク
旧ドメイン
producer.aiの各ページは現行サイトへ転送される(2026年8月時点で料金ページの転送を確認)。