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Prelint ─ AIが書いたコードが仕様どおりかをプルリクエストごとに検証するプロダクトレビューツール

Prelint, Inc. が開発する、プルリクエスト単位で「コードがチームの合意した仕様どおりに作られているか」を検証するレビューツール。AIコーディングエージェントの普及で書かれるコードの量は増えたが、そのぶん仕様書やADR(アーキテクチャ決定記録)との食い違いが人の目を通らずマージされやすくなった。Prelintはこの「プロダクトドリフト」を対象にしており、リポジトリ内に置かれたMarkdownの仕様書・決定ログを読み込み、プルリクエストの変更内容と突き合わせて逸脱を指摘する。GitHub・GitLabにアプリを入れるだけで動き、料金はレビュー1件ごとの従量課金。シート課金やサブスクリプションはなく、公開リポジトリのレビューは無料になっている。

主な特徴

  • 仕様書との突き合わせによるドリフト検出: リポジトリ内のMarkdownで書かれた仕様書・決定ログ・アーキテクチャドキュメントを自動でインデックスし、プルリクエストの変更が文書化された意図から外れていないかを検証する。コンテキストはプロジェクト単位の仕様 → リポジトリ単位の仕様 → 一般ドキュメントの順で優先される
  • ビジネスロジックとコンプライアンスの逸脱を指摘: 価格・請求・為替などの業務ロジック、データ保存や同意フロー・保持期間といったコンプライアンス上の取り決めについて、コードが合意内容と矛盾していないかを見る
  • ツール選定とドメイン用語の一貫性チェック: すでに採用されているライブラリやインフラと重複する導入、社内で定義したドメイン用語からのズレを検出する。AIが「知っている一般的なやり方」に引き寄せられて起きる不整合を拾う
  • コードレビューツールとは守備範囲が違う: コードスタイル、バグ検出、セキュリティスキャン、型安全性は対象外と公式に明言されている。あくまでプロダクト層(仕様・意思決定・スコープ)に絞り込んだレビューを担う
  • 設定不要でPRに自動反応: GitHubアプリをインストールしてリポジトリを選び、仕様のMarkdownを置くだけ。カスタムのCIワークフローを書く必要はなく、プルリクエストを開くと数秒でレビューが走り、インラインの指摘とサマリコメントが付く
  • 再レビューの差分表示とスタックドブランチ対応: 新しいコミット後の再レビューでは「前回のレビュー以降」のセクションで指摘の状態変化を追える。スタックしたブランチでも正しいターゲットブランチに対して評価される(2026年8月に追加)
  • ステークホルダー向けのQ&A: 仕様について知りたいことを、エンジニアの作業を止めずに問い合わせられるインターフェースを備える

料金

プラン料金主な内容
無料クレジットサインアップ時に $10 分クレジットカード登録不要。10レビュー分に相当
従量課金完了レビュー 1 件につき $1仕様チェック、決定への準拠確認、インライン指摘、サマリコメントを含む
公開リポジトリ無料パブリックリポジトリのレビューは課金対象外、設定も不要

補足として、失敗・キャンセル・タイムアウトしたレビューは課金されず、Dependabot・Renovate・GitHub Actions・SnykなどのCIボットによるコミットもレビュー課金の対象外とされている。クレジットは最低 $10 から最大 $1,000 までチャージでき、有効期限はない。残高が $10 を下回ったときに $20 を自動チャージする設定が既定で、月間の上限額も設定できる。公式サイトは「多くのチームは月 $40〜$80 程度」という目安を示している。

料金は2026年8月時点の情報です。最新の料金は公式サイトをご確認ください。

メリット・デメリット

メリット

  • レビューの単位が「1件 $1」と分かりやすく、人数が増えても固定費が膨らまない。試すときも $10 の無料クレジットだけで10件試せる
  • 仕様書をリポジトリ内のMarkdownで管理するため、ドキュメントがコードと同じレビュー・バージョン管理の流れに乗る
  • 導入がGitHub/GitLabアプリのインストールとMarkdownの配置だけで済み、CI設定を書かなくてよい
  • 既存のリンターやコードレビューAIと守備範囲が重ならないため、置き換えではなく追加として入れやすい
  • 公開リポジトリが無料なので、オープンソースプロジェクトが実運用で試しやすい

⚠️ デメリット

  • 効果が仕様書の質に強く依存する。仕様やADRを書く習慣がないチームでは、まず文書を整えるコストが先に来る
  • 読み込めるコンテキストは 80,000 文字の予算が上限とされており、ドキュメントが大量にあるリポジトリでは何を優先させるかの設計が要る
  • コードスタイル・バグ・脆弱性・型の検査はしないため、これ1本でレビューを賄うことはできない
  • 従量課金は使うほど積み上がる。プルリクエストが多く再レビューを繰り返すリポジトリでは事前に上限額を決めておきたい
  • サービスとしては2026年に立ち上がったばかりで、長期運用の実績はこれから積まれる段階にある

類似サービスとの比較

比較項目PrelintCodeRabbitGreptileQodo Merge
主な守備範囲仕様・意思決定への準拠(プロダクト層)コード品質・バグ・スタイル全般コードベース全体の文脈を踏まえたレビューPR要約・レビュー・テスト補助
判断の拠り所リポジトリ内のMarkdown仕様書・ADR差分と静的解析・コード規約リポジトリのコードグラフ差分とPRの記述
課金方式レビュー1件ごとの従量課金開発者シート単位の月額開発者シート単位の月額無料枠+有料プラン
公開リポジトリ無料無料枠あり条件付きの無料枠ありオープンソース向けの無料利用あり
コードスタイル・脆弱性検査対象外(明言)対象対象対象

各社の料金体系は変更されることがあるため、比較検討時は各公式サイトの最新情報を確認してほしい。

こんな人におすすめ

  • AIコーディングエージェントに実装を任せる比率が高く、レビューでの見落としが不安なチーム
  • 仕様書やADRを書いているのに、実装が徐々にそこから離れていく感覚があるプロダクト開発の現場
  • 規制や社内ルール(データの扱い、同意取得、価格・請求のロジック)が絡み、実装のズレがそのままリスクになる領域
  • レビューツールにシート課金を払うほどの規模ではないが、要所だけ機械的に見てほしい小規模チームや個人開発者
  • オープンソースプロジェクトのメンテナーで、コントリビューションの意図と設計方針の整合を保ちたい人

まとめ

Prelintは、コードの良し悪しではなく「合意したとおりに作られているか」を見るレビューツールである。既存のコードレビューAIやリンターとは対象が重ならないため、置き換えではなく上に重ねる使い方になる。効き目は仕様書の充実度に比例するので、まずはリポジトリに仕様と決定ログを置くところから始めたい。無料クレジット $10 分で10件試せ、公開リポジトリなら無料で運用できるため、導入判断のハードルは低い。

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