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PageAgent ─ Webページに1行組み込むだけで、自然言語のGUI操作を自動化するオープンソースAIエージェント

Alibaba Groupが公開しているオープンソースのAI GUIエージェント。自分のWebページにスクリプトを1行足すだけで、「ログインボタンを押して」「この申請フォームを埋めて」といった自然言語の指示でページ上のGUI操作を自動化できる。ブラウザ拡張やヘッドレスブラウザ、Pythonのランタイムを別途用意する必要はなく、処理はすべて表示中のページ内のJavaScriptとして完結する。2025年9月に公開され、GitHubでは3万近いスターを集めている。ライセンスはMIT。

似た用途のツールの多くが「外からブラウザを操作する」設計なのに対し、PageAgentは「ページの中に住むエージェント」という発想を取る。そのため、自社SaaSにAIコパイロットを埋め込む、社内システムの入力を自動化する、といった使い方と相性がよい。

主な特徴

  • 1行のスクリプトタグで導入: CDNのスクリプトを読み込むだけで動作を試せる。本番利用では npm install page-agent でパッケージとして組み込み、モデル名・エンドポイント・APIキーを渡してインスタンス化し、agent.execute('ログインボタンをクリックして') のように自然言語で指示する
  • スクリーンショット不要のテキストベースDOM解析: 画面の画像をモデルに送るのではなく、DOMをテキスト化して解釈する。マルチモーダル対応でないモデルでも動き、通信量とトークン消費を抑えやすい
  • 多様なLLMに対応: OpenAI互換のエンドポイントを持つ主要モデル(OpenAI、Claude、DeepSeek、Alibaba自身のQwenなど)に加え、Ollamaなどローカル実行のモデルも利用できる。どのモデルを使うかは組み込む側が選ぶ
  • Chrome拡張でマルチページ操作: ページ内で完結する基本機能に加え、公式のChrome拡張を入れるとタブをまたいだ複数ページの操作にも対応する
  • MCPサーバー(Beta): Model Context Protocol経由で外部のAIクライアントからブラウザを操作させられる。Claude Codeのようなエージェントから、開いているページを触らせる用途に使える
  • browser-useの資産を継承: DOM処理とプロンプトの一部は、同じくMITライセンスのbrowser-useプロジェクトに由来すると明記されている

料金

プラン料金主な内容
オープンソース版無料(MITライセンス)全機能。npm / CDNから利用可能
デモ用CDN API無料動作確認向けのテスト用API。技術評価目的に限定される
LLMの利用料別途接続先のモデル提供元(OpenAI、Anthropic、DeepSeek等)の従量課金。ローカルモデルなら無料

料金は2026年8月時点の情報です。最新の情報は公式サイトをご確認ください。

PageAgent本体に有料プランはない。実質的なコストは、どのLLMを何回呼ぶかで決まる。ローカルのOllamaを指定すれば費用ゼロで動かすこともできる。

メリット・デメリット

メリット

  • 導入が軽い。スクリプトタグ1行から試せるため、検証のハードルが低い
  • ページ内で動くので、ログイン済みのセッションや社内システムの画面をそのまま操作できる。別プロセスのブラウザを立ち上げてログインし直す手間がない
  • モデルを選べる。コスト重視なら安価なモデル、機密性重視ならローカルモデル、という切り替えが設定だけで済む
  • スクリーンショットを使わないため、視覚モデルより低コストで動かしやすい
  • MITライセンスの完全なオープンソースで、商用利用や改変の制約が小さい

⚠️ デメリット

  • 開発者向けのライブラリであり、コードを書かずに使える製品ではない。導入には自分でページに組み込む作業が必要
  • クライアントサイドのWeb体験を強化する設計で、サーバー側のバッチ自動化やスクレイピング基盤としては想定外
  • テキストベースのDOM解析のため、canvasや画像だけで構成されたUI、DOMに情報が現れない要素は苦手
  • APIキーをフロントエンドに置く構成では鍵が露出する。本番では自前のプロキシ経由にするなど、鍵の扱いを設計する必要がある
  • MCPサーバーはBeta段階で、仕様変更の可能性がある
  • LLMが操作対象を誤って解釈するリスクは残る。取り消せない操作(送信・決済・削除)に無条件で任せる使い方には向かない

類似サービスとの比較

比較項目PageAgentbrowser-usePlaywright MCPMidscene.js
提供元Alibaba Groupbrowser-use(OSSプロジェクト)MicrosoftByteDance(web-infra-dev)
実行場所表示中のページ内(JavaScript)外部プロセスからブラウザを制御外部プロセスからブラウザを制御外部制御(Playwright / Puppeteer等と併用)
主な言語JavaScript / TypeScriptPython各種MCPクライアントJavaScript / TypeScript
画面の認識方式テキスト化したDOMDOM(視覚併用も可)アクセシビリティツリー視覚モデルの併用が前提
主な用途自社サイトへのAIコパイロット組み込み汎用のブラウザ自動化AIエージェントからのブラウザ操作UIテスト・自動化
ライセンスMITMITオープンソースオープンソース

外からブラウザを動かしたいならbrowser-useやPlaywright MCP、自分のプロダクトの中にAI操作を同梱したいならPageAgent、という住み分けになる。

こんな人におすすめ

  • 自社のSaaSや管理画面に「話しかけて操作できる」AIコパイロットを組み込みたいWeb開発者
  • 入力項目の多い社内システムのフォーム入力を、画面を作り直さずに省力化したい情シス担当
  • マウス操作が難しいユーザー向けに、自然言語での操作手段をアクセシビリティ改善として追加したい人
  • ローカルLLMで完結させたい、機密データを外部APIに出せない環境の開発者
  • MCP経由で、手元のAIエージェントに開いているページを触らせたい人

まとめ

PageAgentは、「AIにブラウザを操作させる」という定番テーマに対して、外部から制御するのではなくページの中に置くという解き方をしたライブラリである。スクリプト1行から試せる導入の軽さと、モデルを自由に選べる柔軟性が持ち味で、自社プロダクトへの組み込みを前提にするなら有力な選択肢になる。一方でコードを書く前提のツールであり、テキスト化したDOMを読む方式ゆえの不得意分野もある。まずはデモ用CDNで手元のページに当てて、対象のUIをきちんと操作できるかを確かめるところから始めるのがよい。

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