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Orchids ─ 手持ちのAIサブスクでアプリを構築できたフルスタックAIビルダー(2026年7月にサービス終了)

Orchids は、Guse Inc.(米国)が 2025 年 9 月に公開した「AI フルスタックエンジニア」を掲げるアプリ構築プラットフォームである。チャットで作りたいものを伝えるだけで Web アプリ・モバイルアプリ・Chrome 拡張・Slack ボットなどを生成し、コードをまるごとダウンロードしたり GitHub に push したりできる点が特徴だった。手持ちの ChatGPT・Claude・Gemini・GitHub Copilot のサブスクリプションや API キーをそのまま使える「持ち込み型」の設計も、同種のサービスの中では珍しい立ち位置だった。

重要 ─ 現在は利用できない: 2026 年 7 月 7 日、Orchids(開発チームは後に Bud へブランド変更)は Figma へ参画することを発表し、サービスは 2026 年 7 月 18 日に終了した。ホスティングされていたアプリはすべて公開停止となっており、新規登録もできない。以下は、どんなサービスだったのかを記録として残すとともに、代替サービスを探す際の判断材料として整理したものである。

主な特徴

  • チャットからフルスタックのアプリを生成: 「どんなスタックのどんなアプリでも作ってデプロイできる最初の AI アプリビルダー」を掲げ、Web だけでなくモバイルアプリ・Chrome 拡張・Slack ボット・AI エージェントまで生成対象に含めていた
  • 既存の AI サブスクリプション・API キーを持ち込める: ChatGPT・Claude・Gemini・GitHub Copilot といった契約済みのサブスクリプションや、自前の API キーを接続してアプリを構築できた。すでに AI ツールに課金しているユーザーにとって、二重課金を避けやすい設計だった
  • コードの完全ダウンロードと GitHub 連携: 生成物をプラットフォームに閉じ込めず、ZIP でのローカル保存や GitHub リポジトリへの push に対応。ロックインを避けたいユーザー向けの逃げ道が用意されていた
  • ブランドガイド・デザインシステムとの同期: 既存のブランドカラーやコンポーネントの定義に沿った見た目で生成できるため、社内ツールや LP を既存のトーンに揃えやすかった
  • クラウドデプロイとデータベース: 生成したアプリをそのまま公開できるホスティングと、データを保持するためのデータベース機能を備えていた。終了時には Vercel・Supabase 側への引き継ぎ手順が案内された
  • Enterprise 向けの管理機能: SSO、細かな権限管理、監査ログ、利用上限の設定など、組織で配布する際に必要な統制機能が用意されていた

料金

プラン月額料金現在の状況
全プラン2026 年 7 月 18 日のサービス終了に伴い、新規契約・継続利用とも不可

料金は2026年8月時点の情報です。公式の料金ページ(https://www.orchids.app/pricing)はサービス終了により削除されており、終了時点のプラン構成・金額は確認できませんでした。最新の状況は公式サイトをご確認ください。

メリット・デメリット

メリット

  • 手持ちの AI サブスクリプションや API キーを使い回せるため、AI ビルダーのために別途トークン課金を積み増す必要が薄かった
  • 生成したコードを ZIP または GitHub で持ち出せるため、プラットフォームに縛られにくかった
  • Web に限らずモバイル・拡張機能・ボットまで守備範囲が広く、小さな社内ツールを一気に形にする用途に向いていた
  • ブランドガイドとの同期により、生成物の見た目が「いかにも AI 生成」になりにくかった
  • SSO・監査ログなど、組織導入に必要な管理機能が最初から用意されていた

⚠️ デメリット

  • 2026 年 7 月 18 日でサービスが終了し、現在は新規利用ができない
  • 終了の告知から停止まで 11 日しかなく、移行の猶予が極端に短かった
  • ホスティングとデータベースをサービス側に預けていた場合、Vercel・Supabase などへの引き継ぎ作業が発生した
  • 公開から終了まで約 10 か月と短命で、長期運用の実績を積む前に幕を閉じた

類似サービスとの比較

比較項目OrchidsLovableBolt.newv0 (Vercel)
提供状況終了(2026年7月18日)提供中提供中提供中
生成対象Web・モバイル・拡張・ボット主に Web アプリWeb・モバイル(Expo)主に Web の UI とアプリ
モデルの持ち込み対応(自前のサブスク・APIキー)非対応非対応非対応
コードの持ち出しZIP / GitHubGitHub 連携ZIP / GitHubコードのコピー・GitHub
デプロイ自前ホスティング(終了)内蔵ホスティング内蔵ホスティングVercel

比較対象の各サービスの詳細な料金・機能は変動するため、導入前に各公式サイトで確認してください。

こんな人におすすめ

Orchids は現在利用できないため、次のような目的で Orchids を検討していた人は、上記の代替サービスを見るとよい。

  • すでに ChatGPT や Claude に課金しており、AI ビルダー側で追加のトークン課金をしたくない人 ─ 現時点で「モデル持ち込み」に対応するビルダーは少ないため、API キー接続の可否を各サービスで確認する
  • 生成したコードを必ず手元に残したい人 ─ GitHub 連携とコードエクスポートの有無を最優先で見る
  • ブランドの見た目に沿った社内ツールを量産したい人 ─ デザインシステムの取り込み機能があるかを確認する
  • Orchids を使っていて移行先を探している人 ─ 終了時に案内された Vercel・Supabase への引き継ぎ構成が、そのまま代替サービス選びの基準になる

まとめ

Orchids は、「手持ちの AI サブスクリプションをそのまま使ってフルスタックのアプリを作る」という、この分野では珍しい設計を採用したプラットフォームだった。コードの持ち出しやブランド同期など、実務での使い勝手に配慮した機能も揃っていたが、2026 年 7 月にチームが Figma へ参画し、サービスは同月 18 日に終了した。

AI アプリビルダーは統合・買収が続く領域であり、突然の終了は起こりうる。この事例から得られる実務的な教訓は明快で、生成したコードを GitHub などプラットフォーム外に定期的に退避しておくこと、そしてホスティングとデータベースの移行先をあらかじめ想定しておくことである。ツールを選ぶ際は、機能の多さと同じくらい「出口が用意されているか」を見ておきたい。

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