Inkeep, Inc. が開発するオープンソース(GPL-3.0)の Markdown エディタ兼ナレッジベース。「人間とAIエージェントの両方が読み書きする第二の脳」をコンセプトに、Notion のようなリッチな WYSIWYG エディタを備えながら、中身はプロジェクト内の普通の Markdown / MDX ファイルとして Git でバージョン管理される。MCP(Model Context Protocol)サーバーと Agent Skills を内蔵し、Claude Code・Cursor・Codex などのエージェントや IDE に検索・編集・整理を直接任せられるのが最大の特徴だ。2026年6月に公開された。
主な特徴
- WYSIWYGエディタ + 素のMarkdown: コールアウト・アコーディオン・タブ・表・Mermaid 図・LaTeX・動画や PDF の埋め込みまで扱えるリッチエディタでありながら、保存されるのはプレーンな Markdown / MDX ファイル。エディタを介さずテキストとして直接編集してもよい
- MCPサーバーとAgent Skillsを内蔵: エージェントがナレッジベースを検索・編集・拡充・整理できる MCP サーバーと、エージェントのワークフローに組み込むための Agent Skills を標準装備。Claude Code・Cursor・Codex・OpenCode・OpenClaw など多数のエージェント/エディタに対応する
- エージェント検索(agentic search): 埋め込みベクトルと階層的な検索を組み合わせ、エージェントが大きなナレッジベースから必要な文書を効率よく引き当てられる
- Gitベースのチーム同期: 変更は Git で自動同期され、履歴と所有権が保たれる。ドキュメント単位・ワークスペース単位のワンクリック共有や、AIで解決できるコメント注釈も備える
- ローカルファースト設計: データは手元のファイルとして保持され、セルフホストも可能。プライバシーを重視する組織でも導入しやすい
- グラフ表示とバックリンク: Wikiリンクのグラフ可視化・バックリンクでノート間のつながりを辿れる。オンコールガイドや障害ポストモーテム、Runbook などのテンプレートも用意されている
料金
| プラン | 料金 | 主な特徴 |
|---|---|---|
| オープンソース | 無料 | 全機能利用可能。GPL-3.0 ライセンス、セルフホスト可 |
料金は2026年8月時点の情報です。最新の情報は公式サイトをご確認ください。
メリット・デメリット
✅ メリット
- 中身が普通の Markdown + Git のため、ベンダーロックインがなく既存の開発ワークフローにそのまま乗る
- MCP と Agent Skills が最初から組み込まれており、エージェント連携のセットアップが軽い
- ローカルファーストでデータを手元に置けるため、機密情報を扱うチームでも使いやすい
- オープンソースで無料。macOS / Windows / Linux のデスクトップアプリに加え、ローカル Web アプリと CLI も提供される
- リッチエディタと素のテキスト編集を行き来でき、非エンジニアとエンジニアが同じ基盤を共有できる
⚠️ デメリット
- 2026年6月公開の新しいツールで、エコシステムやコミュニティの蓄積はまだ少ない
- 同期・共有の基盤が Git のため、非エンジニアだけのチームでは運用の設計に工夫が要る
- エージェント連携を活かすには MCP や Agent Skills の基本的な理解が必要で、多少の学習コストがかかる
- クラウド完結型の SaaS ではないため、モバイル中心の利用や「どこでもブラウザから」という使い方には向かない
類似サービスとの比較
| 比較項目 | OpenKnowledge | Obsidian | Notion | Logseq |
|---|---|---|---|---|
| データ形式 | Markdown / MDX(Git 管理) | Markdown(ローカル) | 独自形式(クラウド) | Markdown / Org(ローカル) |
| AIエージェント連携 | MCP + Agent Skills を標準内蔵 | プラグイン・外部 MCP で対応 | Notion AI・MCP(公式) | プラグインで対応 |
| 同期方法 | Git 自動同期 | 有料の Obsidian Sync 等 | クラウド同期 | Git 等を自前設定 |
| 料金 | 無料(GPL-3.0) | 無料(同期等は有料) | 無料枠あり/有料プラン | 無料(オープンソース) |
| 主な想定ユーザー | 人間 + エージェントのチーム | 個人のノート・PKM | チームのドキュメント全般 | 個人のアウトライナー派 |
こんな人におすすめ
- Claude Code や Cursor などのエージェントに、チームのドキュメントの検索・更新まで任せたい開発チーム
- ナレッジを Git で管理し、コードと同じレビュー・履歴のフローに載せたい人
- Notion のような編集体験は欲しいが、データはローカルの Markdown として持ちたい人
- オンコールガイド・Runbook・ポストモーテムなど、運用ドキュメントをエージェントと共同管理したい SRE・インフラチーム
- オープンソースかつセルフホスト可能なナレッジ基盤を探している組織
まとめ
OpenKnowledge は、「AIエージェントが読み書きすること」を前提に設計された点で、従来のノートアプリと一線を画すナレッジベースである。素の Markdown + Git という開発者に馴染み深い土台の上に、リッチエディタと MCP / Agent Skills を載せた構成は、エージェントを日常的に使うチームにとって自然な選択肢になる。公開から日が浅いぶん成熟度はこれからだが、無料のオープンソースなので、まずは手元のドキュメントで試してみる価値は十分にある。