All Hands AI が開発するオープンソースのソフトウェア開発エージェント基盤。自律型 AI エンジニア Devin に触発されて 2024 年 3 月に OpenDevin として公開され、その後 OpenHands に改称した。ブラウザ上の GUI、ターミナル向けの CLI、自作ツールに組み込むための SDK が揃っており、コード修正・レビュー・移行といった作業をエージェントに任せられる。GitHub リポジトリは MIT ライセンスで公開され、スター数は 8.5 万を超える。ローカルやクラウドで自分のインフラ上で動かせる点と、特定の LLM に縛られない「モデル非依存」の設計が最大の特徴である。
主な特徴
- GUI・CLI・SDK の 3 つの入り口: ブラウザ上の対話画面でエージェントの作業を追いながら指示を出せるほか、ターミナル完結の CLI、そして自社ツールにエージェント機能を埋め込む SDK が用意されている。用途に応じて同じ基盤を使い分けられる
- セルフホスト前提のオープンソース: MIT ライセンスで全コードが公開されており、Docker イメージや npm パッケージからローカルで起動できる。ソースコードを外部サービスへ預けたくないチームでも導入しやすい
- モデル非依存(BYOK): 利用する LLM を自分で選び、自分の API キーを持ち込む方式。特定ベンダーのモデルに固定されないため、コストや性能の変化に合わせて乗り換えられる
- 複数のコーディングエージェントを束ねる: 自前の OpenHands エージェントに加え、Claude Code・Codex・Gemini といった外部のコーディングエージェントもローカル/リモート/クラウドの各バックエンドで動かせる管理画面として設計されている
- 開発ワークフローとの連携: Git 連携を標準で備え、クラウド版では Jira や Slack との連携、自動化のための API も利用できる
- エンタープライズ向けの配備オプション: SaaS だけでなく自社 VPC 内での自己ホストに対応し、SAML/SSO や大規模コードベース向けの SDK、専任担当者によるサポートが提供される
料金
| プラン | 料金 | 主な内容 |
|---|---|---|
| Open Source(ローカル) | 無料 | 1 ユーザー・ローカル実行、GUI/ターミナル UI/CLI、Git 連携、コミュニティサポート、モデル持ち込み |
| Individual(クラウド) | 無料 | 上記に加えクラウド版(PC・モバイル)、自動化用 API、Jira/Slack 連携。1 ユーザー・1 日あたり最大 10 会話まで |
| Enterprise(SaaS/自己ホスト) | 要問い合わせ | ユーザー数・同時会話数とも無制限、自社 VPC への配備、SAML/SSO、大規模コードベース向け SDK、優先サポート |
BYOK(自分の LLM キーを使う方式)は全プランで利用できる。Individual プランでは OpenHands 側が用意するモデルを上乗せなしの従量課金で使うこともできるが、その場合は選んだモデルの利用量に応じた実費が別途かかる。
料金は2026年8月時点の情報です。最新の料金は公式サイトをご確認ください。
メリット・デメリット
✅ メリット
- MIT ライセンスのオープンソースで、無料かつ無期限に自分の環境で動かせる
- モデル非依存のため、価格や性能の変化に応じて使う LLM を柔軟に差し替えられる
- ソースコードを外部の SaaS に送らずに済む構成を取れるため、機密性の高いプロジェクトでも検討しやすい
- GUI・CLI・SDK が揃っており、試用から自社ツールへの組み込みまで同じ基盤で完結する
- 開発が活発で、スター 8.5 万超のコミュニティによる情報やノウハウが得やすい
⚠️ デメリット
- セルフホストでは Docker や Node.js などの実行環境を自分で整える必要があり、初期のハードルがある
- LLM の利用料はプランと別に自分持ちになるため、エージェントを長時間動かすほど API コストが積み上がる
- クラウドの無料枠は 1 日 10 会話までと限定的で、本格利用ではエンタープライズ契約か自己ホストが前提になる
- 更新が速く、バージョン間で構成や推奨手順が変わることがある
- エージェントの出力は必ずしも正しいとは限らず、コードレビューとテストは従来どおり欠かせない
類似サービスとの比較
| 比較項目 | OpenHands | Devin | Claude Code | Aider |
|---|---|---|---|---|
| 提供元 | All Hands AI | Cognition | Anthropic | オープンソースコミュニティ |
| ライセンス | オープンソース(MIT) | プロプライエタリ | プロプライエタリ | オープンソース |
| 主な使い方 | GUI・CLI・SDK | クラウド上の自律エージェント | ターミナル委任型 | ターミナル委任型 |
| 使用モデル | 自由に選択(BYOK) | 提供元指定 | Claude | 自由に選択(BYOK) |
| 自己ホスト | 可能 | 不可 | 不可 | 可能 |
| 無料利用 | あり(自己ホストは無制限) | なし | Claude の無料枠内で限定的 | あり(LLM 費用は別) |
こんな人におすすめ
- ソースコードを外部サービスに預けられず、自社インフラ内でコーディングエージェントを動かしたいチーム
- 使用する LLM を自分で選びたい、あるいは複数のモデルを比較しながら運用したい開発者
- サブスクリプション費用を抑え、LLM の実費だけでエージェント開発を試したい個人開発者
- 自社のツールやサービスにエージェント機能を組み込みたく、SDK レベルで制御したい開発チーム
- コーディングエージェントの内部構造を読んで学びたい、あるいは改造して使いたいエンジニア
まとめ
OpenHands は、コーディングエージェントを「他社のクラウドで動く箱」ではなく「自分で組み立てて動かせる基盤」として提供する点に価値がある。MIT ライセンスのオープンソースであること、モデル非依存であること、GUI・CLI・SDK の 3 つの入り口があることが、商用のエージェントサービスとの主な違いになる。まずはクラウドの無料枠か Docker でのローカル起動で挙動を確かめ、継続利用が見込めるならセルフホスト構成を整えるのが現実的な進め方である。