Google Labsが提供する実験的なノーコードツール。「こういうものを作りたい」と自然言語で伝えるだけで、プロンプト・AIモデルの呼び出し・各種ツールをつないだ多段階のワークフローが組み上がり、そのまま「ミニアプリ」として動かせる。組み上がった処理はビジュアルエディタ上でステップの箱として表示され、ドラッグ&ドロップでつなぎ替えたり、個々のプロンプトを手で書き直したりできる。完成したアプリはリンクで共有でき、ギャラリーに並ぶ既存アプリをリミックスして自分用に作り替えることも可能。2025年7月に米国限定で公開され、その後段階的に対象国が広がり、現在は160を超える国と地域で利用できる。
主な特徴
- 自然言語からワークフローを生成: やりたいことを文章で書くと、入力の受け取り・AIによる処理・出力までの流れが自動で組まれる。作った後も「この部分をこう変えて」と話しかけるだけで、複数のステップをまとめて修正できる
- ビジュアルエディタでの手動編集: 生成されたワークフローはステップの連なりとして図示される。ステップを追加・削除・並べ替えしたり、接続を引き直したりでき、処理の全体像を見ながら調整できる
- 3種類の基本ステップ: ユーザーからの入力を受け取る「User Input」、選んだAIモデルにプロンプトを渡す「Generate」、結果の見せ方(Webページ・表形式など)を決める「Output」を組み合わせて作る。画像のアップロードやYouTube動画のリンクを参照素材として持たせることもできる
- エージェントステップ: 2026年に追加された、より自律的な処理を担うステップ。あらかじめ手順を固定せず、状況に応じて使うツールやモデルを選び、必要なら利用者に確認の質問を返しながら進める
- 共有と公開、ギャラリーのリミックス: 特定の相手に閲覧・編集権を渡す「共有」と、リンクを知っている人が使える形にする「公開」の2通り。ギャラリーの見本アプリは複製して自由に改造でき、元のアプリには影響しない
- バージョン履歴とコンソール: 編集は自動保存され、過去の状態に戻せる。実行時はコンソールで各ステップの入出力やモデルの思考過程を追えるため、意図した通りに動かないときの原因を絞り込みやすい
料金
| プラン | 料金 | 主な特徴 |
|---|---|---|
| 無料(Google Labsの実験的提供) | $0 | Googleアカウントがあれば全機能を利用可能。有料プランは提供されていない |
料金は2026年8月時点の情報です。Google Labsの実験的プロダクトのため、提供形態が変更される可能性があります。最新の情報は公式サイトをご確認ください。
メリット・デメリット
✅ メリット
- コードを一行も書かずに、複数ステップのAI処理を組み立てられる
- 自然言語での指示とビジュアル編集を行き来できるため、「ざっくり作って細かく直す」という進め方がしやすい
- ギャラリーのアプリをリミックスできるので、ゼロから考えなくても動く見本から始められる
- 作ったアプリをリンクで配れる。社内やチームに配布して使ってもらう形が取りやすい
- 現時点では無料で、Googleアカウントさえあればすぐ試せる
⚠️ デメリット
- Google Labsの実験的プロダクトであり、仕様変更や提供終了の可能性を織り込んで使う必要がある
- 複雑な分岐や大量データの処理といった、本格的な業務システム的な用途には向かない
- 利用にはGoogleアカウントが必要で、共有相手にもGoogleアカウントが求められる場面がある
- 生成されるワークフローの品質はプロンプト次第で、意図通りに組まれないこともある
- サポート体制は正式プロダクトと同等ではなく、不具合時の対応を期待しにくい
類似サービスとの比較
| 比較項目 | Opal | Dify | n8n | Zapier |
|---|---|---|---|---|
| 提供元 | Google Labs | LangGenius | n8n | Zapier |
| 主な用途 | AIミニアプリの作成・共有 | LLMアプリ/エージェント構築 | 業務自動化ワークフロー | SaaS間の自動連携 |
| 組み立て方 | 自然言語+ビジュアル編集 | ビジュアル編集中心 | ノードベースのエディタ | トリガーとアクションの設定 |
| 対象ユーザー | 非エンジニア中心 | 開発者〜プロダクト担当 | 技術寄りの実務者 | 一般的なビジネス利用者 |
| 外部サービス連携 | 限定的 | プラグイン等で拡張 | 豊富 | 非常に豊富 |
| 料金 | 無料(実験的提供) | 無料枠あり/有料プラン | セルフホスト可/有料プラン | 無料枠あり/有料プラン |
こんな人におすすめ
- 「AIで自動化したい作業」はあるが、コードを書くのは避けたい人
- 複数のプロンプトを毎回コピペで使い回している人。手順ごとまとめてアプリ化できる
- 社内向けの小さなツールを、まずは試作して反応を見たいチーム
- Geminiなどのモデルを組み合わせた処理の流れを、図として理解しながら学びたい人
- 見本を触りながら「AIワークフローとは何か」を掴みたいAI活用の初心者
まとめ
Opalは、AIを使った多段階の処理を「アプリ」という形にまとめ、他人に渡せるところまで持っていけるノーコードツールである。自然言語での指示とビジュアル編集を自由に行き来できる設計は、作り始めのハードルを大きく下げてくれる。一方でGoogle Labsの実験的プロダクトである以上、業務の基幹に組み込むよりは、試作・社内共有・アイデア検証といった用途から始めるのが現実的だ。無料で試せるので、まずはギャラリーのアプリをひとつリミックスしてみると、できることの範囲が掴みやすい。