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OmniHuman ─ 一枚の写真と音声から全身が動く人物動画を生成する、ByteDance の研究フレームワーク

ByteDance の研究チーム(Intelligent Creation)が公開している、人物動画生成の研究フレームワーク。顔写真を一枚と音声を用意するだけで、口の動きだけでなく表情・手振り・全身の動きまで含んだ写実的な動画を作り出す。最初のバージョン OmniHuman-1 の論文は 2025 年 2 月 3 日に arXiv へ投稿され、ICCV 2025 に採択された。2025 年 8 月には後継の OmniHuman-1.5 が発表され、音声の意味内容を解釈して文脈に合った動きを付ける仕組みと、複数人物の会話シーン生成が加わっている。重要な前提として、これは製品ではなく研究プロジェクトであり、公式サイトは「現時点でサービスの提供もモデルの配布も一切行っていない」と明記している。

主な特徴

  • 一枚の画像から全身アニメーション: 顔のクローズアップ、上半身、全身のいずれの構図でも扱える。従来の「顔まわりだけが動く」タイプのリップシンク技術と違い、肩から下や手の動きまで自然につながる
  • 音声・動画のどちらでも駆動できる: 入力は音声だけ、動画だけ、あるいは両方の組み合わせに対応する。歌唱やさまざまな音楽ジャンルにも追従する
  • 意味を踏まえたジェスチャー生成(1.5): 音声のリズムや抑揚だけでなく、話している内容の意味まで解釈して、その場面に合った身振りや感情表現を組み立てる。単純な口パク合わせから一歩踏み込んだ設計になっている
  • テキストプロンプトによる制御(1.5): 「どう動くか」「カメラをどう動かすか」「何を登場させるか」を文章で指示できる。研究チームはプロンプト追従性の高さを成果として挙げている
  • 複数人物の会話シーン(1.5): 一つの画面に複数の人物がいる場合に、別々の音声トラックをそれぞれの人物へ割り当てて、対話や合唱のような掛け合いを生成できる
  • 実写以外のスタイルにも対応: アニメ調のイラスト、3D キャラクター、動物など、写実的な人物以外の入力でも動かせる

料金

プラン料金内容
提供なし研究プロジェクトのため、有償・無償を問わずサービス提供やモデル配布は行われていない

料金は2026年8月時点の情報です。最新の状況は公式サイトをご確認ください。

公式サイトには「サービスやダウンロードはどこでも提供しておらず、このプロジェクトの SNS アカウントも持っていない」という趣旨の注意書きがある。OmniHuman の名前を掲げて有料サービスを案内するサイトを見かけた場合、それが公式のものかどうかは慎重に確認したほうがよい。

メリット・デメリット

メリット

  • 顔写真一枚と音声という、非常に少ない材料から全身の動きまで生成できる
  • 口の動きだけでなく、話の内容に沿った表情やジェスチャーまで一貫して作られる
  • 実写・アニメ・3D・動物と入力の幅が広く、用途を人物動画に限定しない
  • 論文とデモ動画が公開されており、技術の考え方や到達点を無料で確認できる

⚠️ デメリット

  • 誰でも使える製品版が存在しないため、今すぐ自分の素材で試すことはできない
  • モデルの重みが配布されておらず、自前環境での再現やカスタマイズもできない
  • 公開されているデモは研究チームが選んだ素材によるもので、どんな写真でも同じ品質が出るとは限らない
  • 実在人物の顔写真を動かせる技術であるため、悪用リスクへの配慮が利用側にも求められる

類似サービスとの比較

比較項目OmniHumanHeyGenHedraSynthesia
提供元ByteDance(研究)HeyGenHedraSynthesia
提供形態論文・デモ公開のみWeb サービスWeb サービスWeb サービス
主な入力画像+音声/動画画像・アバター+台本画像+音声台本+アバター
一般ユーザーの利用不可
得意分野全身・ジェスチャー・複数人物ビジネス動画・多言語吹替表情豊かなキャラクター動画企業研修・社内向け動画

OmniHuman は「今すぐ使える道具」として他社サービスと並ぶものではなく、この分野の技術がどこまで到達したかを示す指標として見るのが実態に近い。実務で人物動画を作る必要があるなら、上の表の右側にあるような製品化済みのサービスが選択肢になる。

こんな人におすすめ

  • AI による人物動画生成が今どこまでできるのかを、一次情報で把握しておきたい人
  • アバター動画サービスの導入を検討していて、技術の上限と限界を知ったうえで判断したい人
  • 動画生成モデルの研究・開発に携わっていて、手法や評価の考え方を参照したい人
  • ディープフェイク関連のリスクを、実際の到達点を踏まえて社内に説明する必要がある人

まとめ

OmniHuman は、一枚の画像と音声から全身が自然に動く人物動画を作り出す ByteDance の研究フレームワークである。OmniHuman-1.5 では音声の意味を踏まえたジェスチャー生成、テキストによる演出指示、複数人物の会話シーンまで射程が広がった。一方で、製品としては提供されておらず、モデルの配布もない。使うための道具ではなく、この分野の現在地を知るための資料として押さえておくのが妥当な位置づけになる。実際に人物動画を作りたい場合は、製品化されたアバター生成サービスを検討したい。

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