シンガポールのSTREAMOYE PTE. LTD.が2025年10月に公開したAIプラットフォーム。DeepSeek・Llama・Qwenなど20以上のオープンソースモデルを、エンドツーエンド暗号化されたひとつのワークスペースから使える「Secure Chat」を出発点とし、現在はSEO・Reddit・X・LinkedInなどを担当する自律型マーケティングエージェント群「AI CMO」を前面に打ち出している。会話データをAIの学習に使わない方針を掲げ、弁護士・医師・金融など機密性の高い情報を扱う職種の利用も想定されている。
主な特徴
- 20以上のオープンソースモデルを1画面で: DeepSeek、Llama、Qwen、Mistralなど複数のオープンソースモデルを切り替えながら利用できる。会話のコンテキストを保ったままモデルを変えられるため、「下書きは軽いモデル、仕上げは推論に強いモデル」といった使い分けがしやすい
- エンドツーエンド暗号化とゼロアクセス設計: Secure Chatモードでは、鍵の生成をクライアント側で行い、会話や添付データを暗号化して保存する。復号はユーザーの端末上で行われ、運営側が中身を読めない構成を掲げている
- 学習に使われない前提のモデル運用: モデルは自社ホストか、データ保持を行わない設定のAPI経由で提供されるとされ、会話がモデル提供元の学習に回らないことを前提としている
- 暗号実装の公開: 暗号処理の実装をオープンソースとして公開し、第三者が検証できるようにしている。仕組みの詳細はホワイトペーパーで説明されている
- AI CMO ─ 10種類以上のマーケティングエージェント: SEO Agent(キーワードギャップの発見と記事生成)、Reddit Agent(関連スレッドの発見と返信の下書き)、GEO Agent(AI検索での言及・引用の追跡)、X/LinkedIn Agent(投稿案の生成)、Writer Agent、UGC Videos Agent、Coding Agent(技術的SEO修正のPR作成)などを備える
- 公開ツールとの連携: WordPress、Webflow、Framer、Wix、Sanity、GitHub、Google Search Console、Google Analytics、LinkedIn、Xなどに接続し、生成物をそのまま公開・反映できる
料金
| プラン | 月額料金 | 年額料金 | 主な特徴 |
|---|---|---|---|
| Free AI CMO | $0 | ─ | サイト分析、プロダクト情報ドキュメント、ポジショニングとICPメッセージ、30日間のマーケティング戦略 |
| AI CMO Lite | $129 | $1,290(月額換算 約$108) | SEO/GEO/Influencer/X/Reddit/Coding Agent、競合分析、月次のコンテンツ戦略更新 |
| AI CMO Pro | $249 | $2,490(月額換算 約$208) | Liteの全機能に加え、Writer Agent、LinkedIn Agent、UGC Videos Agent、全連携先 |
| Agency | 要問い合わせ | 要問い合わせ | 複数クライアントサイトの運用向け。サイトあたりの単価を抑えた設定 |
料金は2026年8月時点の情報です。公式の料金ページに掲載されているのはAI CMO系のプランで、チャット単体の有料プランについては掲載を確認できませんでした。最新の料金は公式サイトをご確認ください。
メリット・デメリット
✅ メリット
- 複数のオープンソースモデルを個別に契約せず、ひとつの画面から使い分けられる
- 暗号化とゼロアクセス設計を前面に出しており、守秘義務のある業務でも検討しやすい
- 暗号実装が公開されているため、社内でセキュリティ評価を行う際の材料がある
- マーケティング業務については、調査から下書き作成、公開までを一連のエージェントに任せられる
- 無料プランがあり、サイト分析と初期の戦略ドキュメントまでは費用をかけずに試せる
⚠️ デメリット
- AI CMOの有料プランは月額$129からで、個人利用の水準としては安くない
- チャット単体で使いたい場合の料金体系が公式サイト上で分かりにくい
- 提供元がシンガポールの比較的新しい企業で、長期的な運営実績はこれから積み上がる段階
- 大手ベンダーの独自モデル(GPT系・Claude系など)を使いたい用途には向かない
- エージェントが生成する記事や投稿は、そのまま公開せず人の確認を挟む前提で使う必要がある
類似サービスとの比較
| 比較項目 | Okara | Venice AI | Poe | Jasper |
|---|---|---|---|---|
| 主な用途 | 秘匿性の高いAIチャット+マーケティング自動化 | プライバシー重視のAIチャット | 複数AIモデルの集約利用 | マーケティング向けコンテンツ生成 |
| 扱うモデル | オープンソースモデル中心(20以上) | オープンソースモデル中心 | 商用・オープンソース双方の多数モデル | 独自+提携モデル |
| 暗号化の訴求 | エンドツーエンド暗号化・ゼロアクセスを明示 | ローカル保存・非ログを明示 | 一般的なサービス水準 | 一般的なサービス水準 |
| エージェント機能 | SEO/Reddit/X/LinkedInなど多数 | 限定的 | ボット作成が中心 | ブランド運用向け機能あり |
| 無料プラン | あり(AI CMO Free) | あり | あり | なし(トライアルのみ) |
こんな人におすすめ
- 顧客情報や案件情報をAIに入力する必要があり、データの取り扱いを重視する弁護士・医師・金融関係などの専門職
- 複数のオープンソースモデルを比較しながら使いたいが、個別にAPIを契約する手間は避けたい人
- 専任のマーケターを置けず、SEO記事やSNS投稿の下書きづくりを仕組みで回したい個人開発者・小規模チーム
- 既存のWordPressやWebflowのサイトに対し、記事の作成から公開までをまとめて自動化したい運営者
まとめ
Okaraは、オープンソースモデルを暗号化された環境で使えるチャット基盤に、マーケティング業務を担う自律エージェント群を重ねたプラットフォームである。守秘性を重視する専門職向けのチャット用途と、人手の足りないチームのマーケティング自動化という、性格の異なるふたつの入口を持つ点が特徴といえる。まずは無料プランでサイト分析と戦略ドキュメントの品質を確かめ、エージェントの生成物が自社の水準に届くかを見てから有料プランを検討するのが現実的である。