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NeuralFabric ─ 自社データからドメイン特化の小規模言語モデル(SLM)を構築・展開する企業向けAI基盤

企業が自社に蓄積したデータを使って、業務領域に特化した「小規模言語モデル(SLM: Small Language Model)」を構築し、クラウド・エッジ・オンプレミスのいずれにも展開できるモジュラー型のAIプラットフォーム。米シアトルで2023年に創業し、元Microsoftのプラットフォームエンジニアたちが立ち上げた。汎用の大規模言語モデルでは精度・コスト・データの取り扱いの面で折り合いがつかない業務に対し、「小さく作って自分たちで持つ」という選択肢を提示したのが特徴である。2025年11月にCiscoによる買収が発表・完了し、現在は同社の企業向けAIワークスペース「Cisco AI Canvas」へ機能が統合される方向にある。単体サービスとしての公式サイトは2026年8月時点で応答しないため、これから利用を検討する場合はCisco側の提供形態を確認する必要がある。

主な特徴

  • 自社データからのSLM構築: 社内文書・履歴データ・業務ログなど独自データを学習に用い、特定の業務ドメインに絞った言語モデルを作成する。汎用モデルに広く浅く答えさせるのではなく、狭い範囲で確実に答えるモデルを目指す設計
  • モジュラー構成のエンドツーエンド基盤: データ取り込みからモデル学習、評価、デプロイまでを一連の流れとして扱えるモジュール群を備え、必要な工程だけを組み合わせて使える
  • クラウド・エッジ・オンプレを選べる展開先: SaaSとしての利用に加え、自社データセンターや現場側の機器(エッジ)への配置に対応。データを外に出せない業種でも導入の余地がある
  • モデル重みの所有とデータ主権: 学習したモデルの重みを企業側が保有できる点を打ち出しており、外部サービスへの依存を抑えたい組織に向く
  • 運用しながらの継続学習とコンプライアンス監視: 実運用で得られるデータのパターンからモデルを更新し続ける仕組みと、規制対応の観点でのモニタリングを備える
  • 小さいモデルによるコスト低減: 巨大な汎用モデルを常時呼び出す構成に比べ、推論コストと必要な計算資源を抑えられる点を主要な訴求としている

料金

プラン料金主な内容
企業向け(買収前の単体提供)要問い合わせSLM構築・学習・デプロイの基盤一式。個別見積もり型で、公開価格表は提示されていなかった
Cisco AI Canvas 経由(現在の提供形態)対象のCiscoライセンスに含まれるCiscoの企業向けAIワークスペースの一部として提供。詳細な条件はCiscoへの確認が必要

料金は2026年8月時点の情報です。NeuralFabric単体の公式サイトは現在応答しないため、最新の提供条件はCisco AI Canvas の公式ページをご確認ください。

メリット・デメリット

メリット

  • 業務ドメインを絞った小さいモデルのため、汎用モデルより推論コストと計算資源を抑えやすい
  • 自社データを学習に使うので、社内用語や独自の業務手順を前提とした応答が得やすい
  • オンプレミスやエッジへの配置に対応し、データを外部に預けられない業種でも検討できる
  • モデルの重みを自社で保有できるため、提供元の方針変更やサービス終了の影響を受けにくい
  • データ取り込みから運用までを一つの基盤で扱え、複数ツールの継ぎ接ぎを減らせる

⚠️ デメリット

  • 学習に使えるだけの量と質の自社データが前提で、データが整っていない組織では効果が出にくい
  • SLMは扱える範囲が意図的に狭く、想定外の話題への汎用的な受け答えは期待できない
  • 公開価格が示されておらず、導入規模の見積もりが事前に立てにくい
  • Ciscoによる買収でCisco製品群への統合が進み、単体プラットフォームとしての導入経路は不透明
  • 単体の公式サイトが2026年8月時点で応答せず、一次情報の入手先がCisco側に移っている

類似サービスとの比較

比較項目NeuralFabricCisco AI CanvasNVIDIA NeMoDatabricks Mosaic AI
提供元Cisco(買収により)CiscoNVIDIADatabricks
主な用途自社データからのSLM構築・展開IT運用向けAIワークスペース独自モデルの学習・カスタマイズデータ基盤と一体のモデル構築・運用
モデル規模の狙い小規模(ドメイン特化)用途特化モデルの活用小規模〜大規模まで小規模〜大規模まで
デプロイ先クラウド/エッジ/オンプレCisco製品群と統合クラウド/オンプレ主にクラウド(データ基盤上)
想定利用者独自データを持つ企業IT運用チームAI基盤を自前で持つ組織データ基盤を運用中の企業

こんな人におすすめ

  • 汎用のAIサービスでは精度が足りず、自社の業務語彙に沿った応答を必要としている企業
  • 規制やセキュリティ方針でデータを社外に出せず、オンプレミスやエッジでの運用が要件になっている組織
  • 大規模モデルのAPI利用料が積み上がってきて、推論コストの構造を見直したいチーム
  • モデルの重みを自社資産として持ち、提供元の都合に左右されない体制を作りたい企業
  • すでにCisco製品を導入しており、AI Canvas と組み合わせた企業内AIの構成を検討している情報システム部門

まとめ

NeuralFabricは、汎用の大規模モデルに全てを任せるのではなく、自社データで小さなモデルを作って自分たちで持つという方向性を、企業向けの基盤としてまとめたサービスである。コスト・データ主権・精度という企業AIの三つの課題に対する現実的な回答であり、その考え方自体は2026年時点でも有効性を失っていない。

一方で、2025年11月にCiscoへの買収が完了し、機能はCisco AI Canvasへの統合が進んでいる。単体サービスとしての公式サイトも現在は応答しないため、これから導入を検討する場合はCisco側の製品ラインでどう提供されるかを確認するのが実際的である。「SLMを自社で持つ」という設計思想を評価するなら、同種のアプローチを取る他のプラットフォームと並べて比較検討したい。

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