Dify を開発する LangGenius が公開したオープンソースのエージェント基盤。Claude Agent SDK(Claude Code)や OpenAI Codex、OpenCode といったコーディングエージェントを、隔離されたサンドボックス上で動かし、統一された HTTP API 経由で呼び出せるようにする。手元で動かしていたエージェントを「アプリから叩ける API」に引き上げるのが役割で、Web コンソール・公開 API・CLI の 3 つの入り口を持つ。自分の Cloudflare アカウントにセルフホストでき、モデルの API キーは自分で持ったまま(BYOK)運用する。ライセンスは Apache 2.0。2026 年 7 月に v0.1.0 がアルファ公開された。
主な特徴
- 複数のコーディングエージェントを 1 つの API に統一: Claude Agent SDK・OpenAI Codex・OpenCode などハーネスごとに異なる実行方式を共通のランタイムプロトコルで吸収し、呼び出し側は同じ API で扱える
- 隔離サンドボックスでの実行: エージェントの実行はサンドボックス内で行われ、ツール実行イベントのストリーミングや権限確認(パーミッション)のやり取りも API 経由で受け取れる
- Thread と Run による永続化: 会話単位の Thread、実行単位の Run、生成されたファイルがセッションをまたいで保持される。中断した作業に再接続して続きを流せる
- 自分の Cloudflare にセルフホスト: コントロールプレーンは Cloudflare Workers / D1 / R2 などのリソース上で動く構成で、本番向けのマイグレーションとデプロイ経路が用意されている
- アプリ単位の運用ビュー: プロバイダー・モデル・スキル・MCP サーバー・ファイル・実行履歴・利用コスト・デプロイを「App」という境界でまとめて管理できる
- Skills と MCP サーバーに対応: エージェントに手順をパッケージ化した Skills を持たせたり、MCP サーバー経由で外部ツールに接続したりできる
料金
| プラン | 料金 | 主な内容 |
|---|---|---|
| セルフホスト(OSS) | ソフトウェア自体は無料(Apache 2.0) | 自分の Cloudflare アカウントに配置。実費は Cloudflare の利用料とモデル提供元への API 料金(BYOK) |
| ホスト版(cloud.mosoo.ai) | 公式サイトで要確認 | 公開 API のエンドポイントとして提供。料金体系は本記事執筆時点で公開情報が確認できなかった |
料金は2026年8月時点の情報です。最新の料金は公式サイトをご確認ください。
メリット・デメリット
✅ メリット
- ローカルで試したコーディングエージェントを、アプリから呼べる API として公開できる
- ハーネスが違っても呼び出し側のコードを共通化できるため、エージェントの乗り換え・併用がしやすい
- セルフホストなので、コードもデータもモデルの API キーも自分の管理下に置ける
- App・エージェント・モデルの単位で利用状況とコストを追える
- Apache 2.0 のオープンソースで、内部実装を読んで挙動を確認できる
⚠️ デメリット
- アルファ段階であり、API・データモデル・デプロイ方法が後方互換なく変わる可能性が公式に明言されている
- セルフホストには Cloudflare アカウントの用意と運用の知識が必要で、完全なノーコードではない
- ローカル開発には Bun・Just・Docker といった前提ツールが要る
- モデル利用料と Cloudflare の従量課金は自己負担になる
- 日本語のドキュメントやコミュニティ情報はまだ少ない
類似サービスとの比較
| 比較項目 | Mosoo | Dify | E2B | Cloudflare Agents SDK |
|---|---|---|---|---|
| 主な役割 | コーディングエージェントの実行基盤と API 化 | LLM アプリ・ワークフローの構築基盤 | コード実行用サンドボックスの提供 | エージェントを Cloudflare 上に実装するための SDK |
| 提供元 | LangGenius | LangGenius | E2B | Cloudflare |
| 対象 | エージェントをアプリに組み込みたい開発者 | 非エンジニアを含むアプリ開発チーム | 実行環境だけ欲しい開発者 | Cloudflare 上で自作する開発者 |
| セルフホスト | 可(Cloudflare) | 可 | 一部可 | 自前実装が前提 |
| ライセンス | Apache 2.0 | オープンソース版あり | オープンソース版あり | オープンソース |
こんな人におすすめ
- Claude Code や Codex での自動化を、自分のアプリやサービスから呼び出せる形にしたい開発者
- エージェントの実行環境を SaaS に預けず、自分のクラウドアカウント内に置きたいチーム
- 複数のコーディングエージェントを比較・併用したいが、呼び出し側の実装を分けたくない人
- エージェントごと・モデルごとの利用コストを把握したい運用担当者
- オープンソースのエージェント基盤の実装を読んで学びたい人
まとめ
Mosoo は、ローカルで動かすコーディングエージェントと、実際のプロダクトに組み込める API との間を埋めるオープンソースの基盤である。サンドボックス実行・Thread と Run の永続化・利用コストの可視化といった、運用に回したときに必要になる部分を最初から備えている点が特徴になる。一方でアルファ段階であり、仕様変更を前提に付き合う必要がある。まずはローカルで動かして API の形を確かめ、自分の Cloudflare アカウントへの配置を検討するとよい。