Microsoftが提供するChromiumベースのWebブラウザ。2020年1月のChromium版リリース以降、AIアシスタント「Copilot」をサイドパネルや新規タブページに深く統合し、単なる閲覧ソフトから「読む・調べる・まとめる」を手伝う作業環境へと役割を広げてきた。開いている複数のタブをまたいだ内容把握や比較、YouTube動画の要約、関連ページを自動でまとめるJourneys、詐欺サイト対策のSmartScreenなどを備え、Microsoft 365との連携も強い。Windows・Mac・Linux・iOS・Androidに対応し、ブラウザ本体は無料で使える。
2026年5月には、それまで独立した切り替え式だった「Copilot Mode」が廃止され、その機能が通常のEdgeの画面に統合された。専用モードに切り替えなくても、AI機能がそのまま使える形になっている。
主な特徴
- タブ横断でのAI要約・比較: 許可を与えると、Copilotが開いている複数のタブの内容をまとめて読み取り、比較表を作ったり要点を抜き出したりできる。商品比較や複数記事の読み比べで、タブを行き来する手間が減る
- Journeysで調べ物を再開できる: 閲覧履歴をテーマ単位のカードに自動でまとめる機能。旅行の計画や引っ越しの下調べなど、日をまたぐ調べ物を「前回どこまで見たか」から再開しやすい
- 動画・ページの要約: YouTube動画やWebページをサイドパネルのCopilotに要約させられる。長い解説動画や英語記事の概要を短時間で把握する用途に向く
- Study and Learnと小テスト: 開いているページの内容から学習セッションやクイズ、フラッシュカードを生成する学習向け機能。資格試験の勉強や技術記事の理解確認に使える
- 音声とVisionでのやり取り: 画面を共有しながら声で質問できるVision・音声機能に対応。スマートフォンでの調べ物や、手が離せない場面での操作を助ける
- セキュリティとMicrosoft 365連携: 詐欺・フィッシングサイトを警告するSmartScreen、パスワードモニターなどを標準搭載。WordやOutlookなどMicrosoft 365の利用者は、アカウント連携でそのまま業務の流れに組み込める
料金
ブラウザ本体と主要なAI機能は無料で利用できる。一部の上位機能は、Microsoft 365のサブスクリプション契約者向けに提供される。
| プラン | 月額料金 | 年額料金 | 主な特徴 |
|---|---|---|---|
| Microsoft Edge 本体 | $0 | $0 | ブラウザ全機能、Copilotの基本利用、タブ横断の要約、Journeys、Study and Learn、音声・Vision |
| Microsoft 365 Personal | $9.99 | $99.99 | Word・Excel等のデスクトップアプリでのCopilot、ポッドキャスト生成などの利用枠拡大 |
| Microsoft 365 Family | $12.99 | $129.99 | Personal相当の内容を家族向けに共有(AI機能は契約者本人のみ) |
| Microsoft 365 Premium | $19.99 | $199.99 | 上位のAI利用枠に加え、Copilotが画面を操作する「Browse with Copilot」(米国から順次提供) |
料金は2026年8月時点の米国向け表示価格です。日本円での価格や提供状況は地域によって異なります。最新の料金は公式サイトおよびMicrosoft 365の料金ページをご確認ください。
メリット・デメリット
✅ メリット
- ブラウザ本体もCopilotの基本機能も無料で、追加のアプリや拡張機能を入れずにAI支援を使い始められる
- Chromiumベースのため、Chrome向けの拡張機能やWeb標準がほぼそのまま使える
- タブ横断の要約・比較やJourneysなど、「調べ物」に的を絞った機能が実用的
- Windows標準搭載で、Mac・Linux・スマートフォンにも対応し、履歴やパスワードを同期できる
- SmartScreenによる詐欺サイト警告など、セキュリティ機能が標準で有効
⚠️ デメリット
- 新しいAI機能は米国・英語圏から先行提供されることが多く、日本ではしばらく使えない機能がある
- 「Browse with Copilot」など一部の機能はMicrosoft 365 Premium契約が前提で、無料の範囲では試せない
- AI機能やおすすめ表示がブラウザの各所に入り込むため、シンプルな閲覧環境を好む人には煩わしく感じられる
- Copilotにタブの内容を読ませる性質上、業務利用では取り扱う情報の範囲を組織のポリシーで確認する必要がある
- 機能の名称や提供形態の変更が比較的多く(Copilot Modeの廃止など)、設定画面の場所が変わることがある
類似サービスとの比較
| 比較項目 | Microsoft Edge | Google Chrome | Brave | Opera |
|---|---|---|---|---|
| 提供元 | Microsoft | Brave Software | Opera Software | |
| 標準のAI | Copilot | Gemini | Leo | Aria |
| タブ横断の要約 | 対応 | 一部対応 | 限定的 | 限定的 |
| 拡張機能 | Chrome拡張が利用可 | Chromeウェブストア | Chrome拡張が利用可 | Chrome拡張が利用可 |
| 特徴 | Microsoft 365連携・学習機能 | Googleサービス連携 | 広告・トラッカー遮断が既定 | 無料VPNなど独自機能 |
| 料金 | 無料(上位機能は有料) | 無料 | 無料 | 無料 |
こんな人におすすめ
- WordやOutlookなどMicrosoft 365を日常的に使っていて、ブラウザまで含めて環境をそろえたい人
- 複数のサイトを比較しながら調べ物をすることが多く、タブの往復を減らしたい人
- 長い動画や英語記事の要点を短時間でつかみたい人
- 資格試験や技術学習で、読んだページの理解を小テストで確認したい人
- 追加費用をかけずに、まずAI付きブラウザを試してみたい人
まとめ
Microsoft Edgeは、Chromiumベースの使い慣れた操作感を保ったまま、Copilotによる要約・比較・学習支援をブラウザ本体に組み込んだWebブラウザである。2026年にはCopilot Modeという専用モードが廃止され、AI機能が通常画面に統合されたことで、意識せずにAI支援を受けられる形になった。基本機能は無料のため導入のハードルは低く、Microsoft 365を使っている環境であれば特に相性がよい。一方で先行提供される機能の地域差や、AI要素の多さを煩わしく感じる余地はあるため、まずは無料の範囲でタブ横断の要約やJourneysを試し、自分の調べ物のスタイルに合うかを確かめるとよい。