オーストリア・Linz拠点のAPICHAPが提供する、AIをAPIやデータベースにつなぐための「MCPサーバー」をコーディングなしで構築・ホスティングするサービス。ここでいうMCP(Model Context Protocol)とは、Claude・ChatGPT・Copilotなど複数のAIエージェントが外部のツールやデータに統一した方法でアクセスするための接続規格である。MCP-Builder.aiはこのMCPサーバー自体を作るための道具であり、同社自身が公式のMCPサーバーを提供しているわけではない点に注意したい。OpenAPI仕様書などをアップロードするだけでツール定義を自動生成し、REST/GraphQL APIやSQL/NoSQLデータベース、CSV/Excel/XMLファイルなどを数分でAI操作可能な状態に仕上げる。Product Huntへの掲載記事によれば2026年6月17日ごろの公開とされるが、公式サイトに明確なローンチ日の記載はなく確度は中程度である。
主な特徴
- ノーコードMCPサーバー生成: OpenAPI仕様書などをアップロードするだけでツール定義を自動生成し、数秒でMCPサーバーを構築できる
- 多様なデータソース対応: REST/GraphQL/SOAP/JSON-RPC/XML-RPC形式のAPI、PostgreSQL/MySQL/MariaDB/MSSQL/Oracle/SQLiteなどのデータベース、CSV/Excel/XMLファイルまで幅広く対応する
- 複数の転送プロトコル: STDIOとSSE(Server-Sent Events)に対応。HTTP-Streamable transportは本稿執筆時点で開発中である
- セキュアな認証: APIキー認証やOAuth2.0をサポートし、機密データソースへの接続も想定した設計になっている
- 複数のデプロイ形態: ローカルでのSTDIO実行のほか、コンテナ化してのオンプレミス設置、Azure Container Instanceを使ったクラウドホスティング(アドオン)を選べる
- マーケットプレイス: パートナーが構築したMCPサーバーを公開・共有できる仕組みがある
料金
料金は月額サブスクリプション制で、上位プランほど扱えるツール数や対応プロトコルが増える構成になっている。
| プラン | 月額 | 主な内容 |
|---|---|---|
| Starter | $0 | MCPサーバー1個・ツール1個・STDIOのみ。公開コミュニティ向けサーバー向け |
| Pro | $25 | MCPサーバー1個・ツール6個・STDIO/SSE対応。private な本番運用向け |
| Scale | $60 | MCPサーバー1個・ツール無制限・STDIO/SSE・OAuth2.0対応 |
| Cloud Hosting Add-on | $55 | Azure Container Instance(1vCPU/4GB RAM)でのクラウドホスティング。任意のアドオン |
料金は2026年9月時点の情報です。最新の料金は公式サイトをご確認ください。
メリット・デメリット
✅ メリット
- OpenAPI仕様書などの既存ドキュメントから数秒でツール定義を自動生成できる
- REST/GraphQLからデータベース・ファイル形式まで、対応するデータソースの幅が広い
- STDIO・SSE・OAuth2.0といったMCPの主要仕様を実装している
- 無料のStarterプランがあり、小規模な用途はまず試しやすい
⚠️ デメリット
- 無料プランはツール1個・STDIOのみに制限され、実用にはPro以上の契約が必要になる
- クラウドホスティングは月額$55の別料金アドオン扱いで、本番運用のコストが読みにくい
- HTTP-Streamable transportには本稿執筆時点で未対応(開発中)
- 公開から日が浅いサービスで、日本語の情報や導入事例はまだ少ない
類似サービスとの比較
| 比較項目 | MCP-Builder.ai | MCPCore | Zapier MCP | 公式SDK(Python/TypeScript) |
|---|---|---|---|---|
| 提供元 | APICHAP | ─ | Zapier | Anthropic ほか |
| 主な用途 | API/DBをMCPサーバーに自動変換 | 同左(クラウド型のノーコード構築) | 既存の自動化基盤にMCPエンドポイントを追加 | コードを書いてMCPサーバーを実装 |
| 構築方法 | OpenAPI等のアップロードで自動生成 | ノーコード | Zapier上の設定 | 手組み(コーディング必須) |
| 対応データソース | API/DB/ファイル形式まで幅広い | ─ | Zapier連携先が中心 | 任意(実装次第) |
| 向いている層 | 非エンジニアも含む幅広い層 | ノーコード志向のチーム | 既にZapierを使っているチーム | エンジニア・カスタマイズ重視のチーム |
こんな人におすすめ
- 社内のREST APIを、コードを書かずにAIエージェントから安全に呼び出せるようにしたい担当者
- 既存のPostgreSQLやMySQLなどのデータベースをLLMのツールとして公開したい人
- OpenAPI仕様書しかない外部SaaSを素早くMCP化し、Claude・ChatGPT・Copilotに接続したい開発者
- 自分で構築したMCPサーバーをマーケットプレイスで配布し、収益化にも興味がある人
まとめ
MCP-Builder.aiは、MCPサーバーそのものを提供するサービスではなく、OpenAPI仕様書やデータベース接続情報から「AIが使えるMCPサーバー」をノーコードで作り出すための構築・ホスティング基盤である。対応データソースの幅とSTDIO/SSE/OAuth2.0といった仕様対応の広さが強みだが、無料プランはツール1個・STDIOのみと制約が大きく、本番運用にはPro以上の有料プラン、クラウド常時稼働にはさらに別料金のアドオンが必要になる。まずは無料枠で自社APIの一つをMCP化し、AIエージェントから実際に呼び出せるかを小さく試してから、必要な機能に応じてプランを選ぶとよい。