マーケティング用のビジュアル制作に特化したAIクリエイティブアシスタント。米国のNFxAI Ventures LLCが提供している。一般的な画像生成AIが「1枚のきれいな絵」を作るのに対し、Marketogenは広告として成立する構成 ─ 目を引く導入から課題提起、解決策の提示、行動喚起まで ─ を持った複数枚のセットを、テキストのブリーフ1つから組み立てる点に軸を置く。ブランドの視覚的な好みを学習する「StyleDNA」と、1つのブリーフから最大6枚のシーケンスを構成する「Campaign Engine」が中核で、出力は編集可能なベクターレイヤーとしてFigmaへ書き出せる。
主な特徴
- StyleDNAでブランドの見た目を学習: 気に入ったデザインをアップロードすると、AIが配色・余白・書体の傾向といった視覚的な好みを取り込む。以降の生成物が同じトーンで揃うため、担当者やタイミングが変わってもブランドから外れにくい
- Campaign Engineで物語構造ごと生成: 1つのブリーフから最大6枚のシーケンスを自動構成する。単なる画像の連番ではなく、フック → 課題 → 解決 → CTA という広告の定番構造に沿って各スクリーンの役割が割り振られる
- Figmaへ編集可能なレイヤーで書き出し: 出力は焼き込まれた画像ではなく、テキストや図形が生きたベクターレイヤーとしてエクスポートできる。文言の差し替えやサイズ違いの展開を、デザイナーが普段どおりのワークフローで仕上げられる
- 3つの接点から同じDNAで呼び出せる: Webスタジオ、Figmaプラグイン、ChatGPT連携の3経路が用意されており、どこから使っても同じStyleDNAが適用される。企画はChatGPT上の会話で、仕上げはFigmaで、といった分業がしやすい
- 静止画から動画への展開: 生成した静止デザインを、ReelsやTikTokに向いた動きのある動画へ変換する機能を備える。縦型SNSの運用まで同じ素材から伸ばせる
料金
| プラン | 月額料金 | 主な特徴 |
|---|---|---|
| 無料 | $0 | アカウント登録後、無料で生成を試せる |
| 有料プラン | 要確認 | 生成量の拡大・チーム利用などの上位機能 |
料金は2026年8月時点の情報です。無料で使い始められる点は公開情報で確認できますが、有料プランの具体的な金額・生成上限は本記事執筆時点で確認できませんでした。最新の料金は公式サイトをご確認ください。
メリット・デメリット
✅ メリット
- 広告の型(フック → 課題 → 解決 → CTA)を前提に生成するため、1枚絵の画像生成AIより「そのまま出稿に近い」状態で出てくる
- StyleDNAによって、複数回・複数人の生成でもブランドの見た目がぶれにくい
- Figmaに編集可能なレイヤーとして渡せるので、AIの出力を叩き台にして人が仕上げる分業が成立する
- Webスタジオ・Figmaプラグイン・ChatGPTと入り口が複数あり、既存の作業導線に合わせて選べる
- 静止画から縦型動画までを同じ素材で展開できる
⚠️ デメリット
- 比較的新しい小規模なサービスで、料金体系や生成上限などの情報が公開範囲では見つけにくい
- StyleDNAの学習には、ブランドの参考デザインを自分で用意して読み込ませる手間がかかる
- 生成された文言(コピー)はそのまま使える保証がなく、日本語での訴求文は人の手直しが前提になる
- Figmaを使わないチームでは、編集可能レイヤーという最大の利点を活かしきれない
- 汎用の画像生成AIに比べ、広告以外の用途(イラスト・素材制作など)には向かない
類似サービスとの比較
| 比較項目 | Marketogen | Canva Magic Studio | AdCreative.ai | Midjourney |
|---|---|---|---|---|
| 主な用途 | 広告キャンペーン一式の生成 | 汎用デザイン制作全般 | 広告クリエイティブの量産 | 高品質な画像生成 |
| 物語構造の自動構成 | あり(最大6枚) | なし | 限定的 | なし |
| ブランド学習 | StyleDNA | ブランドキット | ブランド設定 | 参照画像 |
| 出力の編集性 | Figmaへベクターレイヤー | Canva内で編集 | 画像中心 | 画像のみ |
| 想定ユーザー | マーケター・デザイナー | 幅広い一般ユーザー | 広告運用担当 | クリエイター |
こんな人におすすめ
- SNS広告のクリエイティブを頻繁に差し替える必要があり、たたき台の作成に時間を取られているマーケティング担当者
- ブランドのトーンを保ったまま、バリエーションを短時間で増やしたいデザイナー
- 専任デザイナーがおらず、それでも広告として成立する見た目を用意したいスタートアップの創業者
- AIの出力を最終形ではなく素材として受け取り、Figmaで仕上げたい制作チーム
- ChatGPT上の会話からそのままビジュアル制作へつなげたい人
まとめ
Marketogenは、「きれいな画像」ではなく「広告として機能する一式」を出すことに寄せたAIクリエイティブアシスタントである。StyleDNAでブランドの見た目を固定し、Campaign Engineで物語構造ごと複数枚を組み、Figmaに編集可能な形で渡す ─ この一連の流れが、AI生成物を制作フローに乗せるうえでの実務的な価値になっている。一方で新しめのサービスのため、料金や上限といった条件面は公式サイトで最新情報を確認したうえで、まず無料枠で自社ブランドの再現度を試すのが現実的な入り口になる。