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LangAlpha ─ Claude Codeの手法を金融リサーチに持ち込んだ、オープンソースの投資調査AIエージェント

Ginlix AIが公開しているオープンソース(Apache 2.0)の投資リサーチ用AIエージェント。GitHubリポジトリでは「Claude Code for Finance」と説明されており、コーディングエージェントで培われた作り ─ 作業内容がフォルダに残る永続ワークスペース、複数のサブエージェントによる並列作業、必要なときだけツールを呼び出す仕組み ─ を、株式や決算資料のリサーチに置き換えた構成になっている。1回のやり取りで答えを出すのではなく、調べた内容をワークスペースに積み上げ、新しい材料が出るたびに投資の見立てを更新していく使い方を想定している。Dockerで自分のPCやサーバーに立てる自己ホスト版と、Ginlix AIが提供するホスト版(langalpha.ai)の2通りで使える。

主な特徴

  • リサーチが積み上がる永続ワークスペース: 調査ごとにwork/results/data/といったフォルダとエージェント用のノートファイルが作られ、セッションをまたいで文脈が引き継がれる。前回の分析を土台に、新しい決算やニュースで見立てを更新していける
  • 並列サブエージェントによる同時調査: メインのエージェントが複数のサブエージェントを非同期で立ち上げ、株価データ・SEC提出書類・バリュエーションなどを同時並行で担当させる。各サブエージェントは独立した文脈を持つため、調査対象が増えても議論が混線しにくい
  • Pythonでデータを処理してトークンを節約: 大量の時系列データをそのままAIに読ませるのではなく、エージェントがPythonコードを書いてサンドボックス上で集計・加工し、結果だけを受け取る方式(Programmatic Tool Calling)。株価数年分のような重いデータでもコンテキストを圧迫しにくい
  • 金融データへの多段接続: 株価・ファンダメンタルズ・マクロ指標・オプション・ニュースなどをMCP経由で取得。データ提供元はginlix-data → FMP → Yahoo Financeの順にフォールバックする設計で、APIキーを1つも用意しなくてもYahoo Finance経由で最低限は動く(そのぶん日中足が使えない、遅延クォートになるなどの制約はある)
  • 既製のリサーチ手順(スキル)を同梱: DCFモデルの作成、決算分析、モーニングノート、ドキュメント生成など23種類の手順があらかじめ用意されており、ゼロからプロンプトを組み立てなくても定型の調査を回せる
  • 定期実行と成果物の書き出し: cronによる時刻指定の自動実行や価格トリガーでの起動に対応(価格トリガーはホスト版のリアルタイムフィード前提)。成果はWord・Excel・PowerPoint・PDFなどの形式で出力でき、インタラクティブなチャートに注釈を描き込むこともできる

料金

提供形態料金主な内容
自己ホスト(オープンソース)無料(Apache 2.0)Dockerで構築。LLMのAPIキーとデータ用APIキーは自前で用意する
ホスト版(langalpha.ai)無料で開始クラウド環境・データ基盤込み。LLMキーは持ち込み(BYOK)
ホスト版の有料プラン要確認月間の利用上限の拡大、クレジットの追加購入

公式サイトには「ホスト版は無料で始められ、有料プランで月間上限の拡大とクレジットの追加ができる」と記載があるが、2026年8月時点で具体的な金額は公開されていない。また自己ホスト・ホスト版のいずれでも、LLM(Claude・GPT・Geminiなど)の利用料は別途かかる点に注意したい。

料金は2026年8月時点の情報です。最新の料金は公式サイトをご確認ください。

メリット・デメリット

メリット

  • オープンソースのため、コードを読んで挙動を確認でき、自分の環境に閉じて動かせる。調査対象や保有銘柄を外部サービスに預けたくない場合に選びやすい
  • 調査結果がファイルとして残るので、「なぜその結論になったか」を後から追える。使い捨てのチャットとは性質が違う
  • サブエージェントの並列実行とPythonでの前処理により、扱うデータ量が増えても破綻しにくい
  • APIキーなしでもYahoo Financeで動作を試せるため、導入のハードルが低い
  • レポートをWord・Excel・PowerPointなどの実務で使う形式に書き出せる

⚠️ デメリット

  • セットアップにDockerの知識が要る。完全な初心者がすぐ使えるツールではない
  • 精度の高いデータを求めるならFMPなど有料データの契約が事実上必要で、無料構成では日中足やマクロ指標に穴が出る
  • LLMの利用料がユーザー負担のため、大規模な調査を回すとモデル側のコストが積み上がる
  • Dockerサンドボックスはクラウドサンドボックス(Daytona)に比べて分離性が下がると公式に明記されている
  • 公式が「投資助言ではなく調査ツール」と明言しているとおり、出力の検証は利用者の責任になる
  • ホスト版の有料プランの具体的な価格が公開されておらず、コスト試算がしづらい

類似サービスとの比較

比較項目LangAlphaOpenBB汎用AIチャット(Claude / ChatGPT等)自作のClaude Code+金融MCP
位置づけ金融特化のAIエージェント基盤投資リサーチ用のデータ基盤汎用の対話AI汎用コーディングエージェントの転用
ライセンスオープンソース(Apache 2.0)オープンソース中心プロプライエタリハーネスは商用、構成は自前
調査の継続性ワークスペースに蓄積分析環境として保持会話・プロジェクト単位ワークスペースに蓄積
金融データ接続標準で多段フォールバック幅広いデータ統合が中心検索や連携に依存自分でMCPを組む必要がある
既製の調査手順23種類のスキルを同梱ツールキット中心自分でプロンプトを用意自分で用意

こんな人におすすめ

  • 個別株の調査を継続的に行っていて、毎回ゼロから調べ直すのをやめたい個人投資家
  • 決算シーズンに複数銘柄を並行して追う必要があり、下調べを自動化したいアナリスト
  • 手元の環境で完結させたい、または挙動をコードレベルで確認したいエンジニア寄りのユーザー
  • Claude Codeのようなエージェントをコーディング以外の領域に応用する事例を知りたい開発者
  • 調査レポートをWordやExcelの形で他のメンバーに共有する必要がある人

まとめ

LangAlphaは、コーディングエージェントの設計思想 ─ 作業がファイルとして残り、サブエージェントが並列に動き、重い処理はコードに逃がす ─ を金融リサーチにそのまま持ち込んだオープンソースのエージェント基盤である。継続的に銘柄を追う調査スタイルとは相性がよい一方、Dockerでの構築やデータ契約、LLM利用料といった前提があり、気軽に触るツールではない。まずは自己ホスト版をYahoo Finance構成で動かして手応えを確かめ、本格運用の段階でデータ提供元やホスト版を検討するのが現実的だろう。あくまで調査を助ける道具であり、出力をそのまま投資判断にするものではない点は公式の注意書きどおりである。

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