画像編集ソフト「Krita」の中から生成AIを呼び出し、選択範囲へのインペイント・アウトペイント・アップスケール・リファインをテキストプロンプトだけで行えるプラグイン。オープンソース(GPL-3.0)で公開されており、Windows・Linux・macOSに対応する。裏側ではComfyUIをバックエンドに使い、ローカルGPUでの実行に加え、GPUを持たないユーザー向けのクラウド生成サービス「Interstice」も選べる。2023年9月の公開以降も開発は活発で、2026年8月にはセグメンテーション制御レイヤーへの対応(v1.53.0)が加わるなど、対応モデルや操作性のアップデートが続いている。
主な特徴
- 選択範囲へのインペイント・アウトペイント: Kritaのレイヤー・選択ツールと組み合わせて、選択した範囲だけをテキストプロンプトで塗りつぶし・拡張・追加削除できる。周囲となじむよう自動的に整合させる
- ライブペインティング: 描いている最中のキャンバスをAIがリアルタイムに解釈し、生成結果を確認しながら描き進められるモード
- コントロール入力による構図指定: 落書き・線画・Cannyエッジ・ポーズ・深度・法線・セグメンテーションなど複数のコントロールレイヤーで構図やポーズを指定でき、細かい調整なしに狙った絵を生成できる
- IP-Adapterとリージョン機能: 参照画像でスタイルや構図を転写できるIP-Adapter(顔の入れ替えにも対応)、レイヤーごとに個別のプロンプトを割り当てられるリージョン機能を備える
- 幅広い拡散モデルとアップスケール: Flux 2・Z-Image・Stable Diffusion 1.5/XL/Illustriousなど複数系統のモデルに対応し、4K・8K以上へのアップスケールも行える。2026年8月にはAnima向けのセグメンテーション制御が追加されるなど、モデル対応が継続的に更新されている
料金
| プラン | 価格 | 内容 |
|---|---|---|
| プラグイン本体 | 無料 | オープンソース(GPL-3.0)。ローカルGPUでの実行に追加コストはかからない |
| Intersticeクラウド(買い切り・小) | 10€ | 5,000トークン(有効期限なし) |
| Intersticeクラウド(買い切り・大) | 28€ | 15,000トークン(有効期限なし) |
料金は2026年8月時点の情報です。消費トークン数は生成モードや解像度によって変動します(例: ライブ生成640x512で1トークン、通常生成1024x1024・SDXLで10トークン、3840x2160で58トークン)。無料お試しトークンの有無を含め、最新の料金は公式サイトでご確認ください。
メリット・デメリット
✅ メリット
- プラグイン本体はオープンソース(GPL-3.0)で無料。ローカルGPUがあれば追加コストなしで使い続けられる
- Kritaのレイヤー・選択ツールと統合されているため、既存の描画ワークフローを離れずにAI生成を使える
- 落書き・線画・深度マップ・ポーズなど複数のコントロール入力で構図を細かく指定でき、意図した絵を再現しやすい
- GPUを持たないユーザーでも、Intersticeのクラウド生成サービスに切り替えて利用できる
- ComfyUIをバックエンドに採用しており、Flux 2・Z-Image・Stable Diffusion 1.5/XL/Illustriousなど幅広いモデルに対応する
⚠️ デメリット
- ローカルで動かすにはNVIDIA GPUで6GB以上のVRAMが必要とされており、条件を満たさない環境では生成が非常に遅くなる
- Windows Store版・Steam版・Linux版Flatpakなど一部のKrita配布形態は非推奨で、事前にインストール方法を確認する必要がある
- クラウド生成はトークンの従量課金制のため、利用量が増えるとコストがかさむ
類似サービスとの比較
| 比較項目 | Krita AI Diffusion | Photoshop 生成塗りつぶし | Stable Diffusion WebUI | InvokeAI |
|---|---|---|---|---|
| 提供元 | Acly(個人開発者) | Adobe | AUTOMATIC1111ほかOSSコミュニティ | Invoke AI |
| 統合形態 | Krita内蔵プラグイン | Photoshop内蔵機能 | 単体Webアプリ | 単体アプリ(独自キャンバスUI) |
| ライセンス | オープンソース(GPL-3.0) | 商用(Photoshopの一機能) | オープンソース(AGPL-3.0) | Community版はオープンソース(Apache-2.0) |
| 実行環境 | ローカルGPU/クラウド選択可 | クラウドのみ | 主にローカルGPU | ローカルGPU/クラウド選択可 |
| 価格モデル | プラグイン無料+クラウドは従量課金 | Photoshopサブスクリプションに包含 | 無料 | Community版無料、上位版は有料 |
こんな人におすすめ
- Kritaで絵を描いており、既存の作業フローを離れずに生成AIでインペイント・アウトペイントを試したい人
- コントロール入力で構図やポーズを細かく指定しながら、狙った絵を効率よく作りたいイラストレーター
- GPUを持たないが、クラウド生成サービスを使ってKrita上でAI生成を試したい人
- オープンソースのツールを使い、ローカル環境で無料にAI画像生成を運用したい人
まとめ
Krita AI Diffusionは、画像編集ソフトKritaの中に生成AIを組み込み、選択範囲へのインペイント・アウトペイントやコントロール入力による構図指定を、既存の描画ワークフローを崩さずに行えるオープンソースプラグインである。ローカルGPUがあれば無料で使え、GPUがなくてもIntersticeのクラウド生成サービスに切り替えられる柔軟さが特徴だ。ComfyUIをバックエンドに複数の拡散モデルへ対応しており、2023年9月の公開以降も機能追加が続いている。