英国のKode AI Limitedが提供する、ノーコードのAIエージェント基盤。チャットで質問して答えを受け取るだけのツールではなく、「役割」と「ゴール」を与えたエージェントを業務プロセスそのものに組み込むことを狙っている。ビジュアルビルダー上でエージェントを並べてつなぐと、複数のエージェントが分担して働くワークフローができあがる。OpenAI・Claude・Gemini・xAIなど主要モデルに横断対応し、上位のメタエージェント層が部門ごとのエージェントにタスクを割り振る構成が特徴。GOV.UKのAIサービス提供事業者として登録され、Cyber Essentialsの認証も取得している。
主な特徴
- ノーコードのビジュアルビルダー: エージェントの役割・ゴール・使えるツールを画面上で設定するだけでワークフローを組める。プログラミングの知識は不要で、公式も「数分でデプロイできる」ことを訴求している
- マルチエージェントのワークフロー: 1体のエージェントに何もかも任せるのではなく、目的ごとに分けた小さなエージェントを組み合わせる設計。エージェントは互いに独立してデプロイされるため、片方の変更が全体に波及しにくい
- リアルタイムに更新される記憶(Inflow context-aware memory): あらかじめ読み込ませた固定の資料だけに頼らず、タスクの進行状況やユーザーの入力に応じてエージェントの記憶を更新する。長い手続きの途中で状況が変わっても文脈を保ちやすい
- メタエージェント層によるルーティング: 個々のエージェントの上に立つオーケストレーション層が、組織全体のゴールと蓄積された記憶をもとにタスクを割り当て、ワークフローの流れを決める。部門をまたぐ処理を1つの入口から扱える
- ツール横断の実行能力: 情報の閲覧・リサーチ・要約に加え、レコードの更新など既存ツールへの書き込みまで実行できる。設定の手間を抑えたまま実務の一部を任せられる
- 人によるレビューと介入: エージェントが「何を、なぜ」やっているかが逐次見える。途中で質問したり、必要なところで人が手を入れたりできるため、いきなり全自動に振り切らずに済む
料金
| プラン | 月額料金 | 主な内容 |
|---|---|---|
| Try | 無料 | 7日間のトライアル。エージェントのリクエスト数に制限あり、500クレジット |
| Pro | $25/月 | 月1,500クレジット。追加クレジットは$30/2,000クレジット |
| Ultra | $200/月 | Proの15倍の利用量、新機能(MCP・新モデル等)への優先アクセス |
| Team / Enterprise | 要問い合わせ | チーム向けのカスタム価格、管理機能、専任サポート |
クレジットはOpenAI・Claude・Gemini・xAIなど主要モデル全体で共通して消費される。プランはいつでも変更でき、差額は日割りで調整される。トライアルの開始にクレジットカードは不要とされている。
料金は2026年8月時点の情報です。最新の料金は公式サイトをご確認ください。
メリット・デメリット
✅ メリット
- ノーコードで組めるため、開発リソースがない部署でもエージェントの試作から運用まで自分たちで回せる
- モデルを1社に縛られず、用途ごとにOpenAI・Claude・Gemini・xAIを使い分けられる
- エージェントの動作が逐次可視化され、人が確認してから次に進める設計になっている
- 無料トライアルがあり、クレジットカードなしで実際の使い勝手を試せる
- 公共部門向けの実績と認証(GOV.UK登録、Cyber Essentials)があり、調達要件が厳しい組織でも検討しやすい
⚠️ デメリット
- 料金がクレジット制のため、実際の月額コストが使い方次第で読みにくい
- 無料枠は7日間のトライアルのみで、継続的に使える無料プランは用意されていない
- 比較的新しいサービスで、日本語の情報や導入事例がまだ少ない
- 連携できる外部ツールの具体的な一覧は公開情報が限られており、既存システムとつながるかは個別に確認が必要
- マルチエージェントの設計そのものには慣れが要る。ノーコードでも「どう分担させるか」を考える負荷は残る
類似サービスとの比較
| 比較項目 | Kode | n8n | Relevance AI | Lindy |
|---|---|---|---|---|
| 主な発想 | 役割を持つエージェントの編成 | ノード型のワークフロー自動化 | AIチーム(役割別エージェント)の構築 | 業務アシスタントの自動化 |
| ノーコード度 | ノーコード中心 | ノーコード+コードノード | ノーコード中心 | ノーコード中心 |
| マルチエージェント | メタエージェント層で統括 | 手動でフローを分岐・接続 | 対応 | 対応 |
| モデルの選択 | OpenAI/Claude/Gemini/xAI 等 | 接続先を自由に選択 | 複数モデル対応 | 複数モデル対応 |
| 人の介入 | 動作の可視化とレビュー前提 | 実行ログで確認 | 承認ステップを設定可能 | 承認ステップを設定可能 |
自動化ツールとしての歴史が長いn8nは、連携先の豊富さと自由度で優位に立つ。一方Kodeは「フローを描く」のではなく「役割を与えたエージェントを置く」発想が中心で、業務のかたちが固まりきっていない領域を任せやすい。
こんな人におすすめ
- 情シスや開発チームの手を借りずに、自部門で業務の自動化を進めたい担当者
- 単発のチャット利用から一歩進んで、決まった業務フローにAIを常駐させたい企業
- 複数部門にまたがる処理を1つの窓口から扱いたい中規模以上の組織
- モデルを固定せず、用途に応じてOpenAI・Claude・Geminiなどを使い分けたいチーム
- 全自動ではなく、人が確認しながら段階的に自動化を広げたい慎重な運用を求める現場
まとめ
Kodeは、ノーコードのビジュアルビルダーとメタエージェント層を組み合わせ、AIエージェントを業務プロセスに常駐させることを狙った基盤である。リアルタイムに更新される記憶と、動作を逐次確認できる設計により、「作って終わり」ではなく運用しながら育てる使い方に向く。クレジット制の料金は使い方によってコストが変動するため、まずは7日間のトライアルで自社の業務にどれだけクレジットを消費するかを測ってから、Pro以上への移行を判断するとよい。