AIでスライドを作ると、見た目は整っているのに「画像として」出てきてしまい、あとから一文字も直せない ─ この詰まりを解消するために作られた日本発のWebサービスがKirigami.aiである。スライドの画像やPDF、スクリーンショットをドラッグ&ドロップするだけで、テキスト・図形・背景がそれぞれ独立したオブジェクトとして並ぶ.pptxファイルを生成する。開発者は日本の個人開発者Taiyo Kimira氏で、拠点は東京。生成AIでスライドの叩き台を作り、仕上げはPowerPointで、という現実的な作業フローをつなぐ位置にある。
主な特徴
- 画像・PDFから編集可能な.pptxを生成: アップロードした画像やPDFを解析し、PowerPointで開いてそのまま編集できるスライドとして書き出す。文字はテキストボックス、図形は図形として扱われるため、差し替えや配置変更が普通のスライド編集と同じ操作で行える
- OCRによる文字の復元: 画像内の文字を読み取り、テキストとして再構成する。生成AIのスライド画像にありがちな崩れた文字・にじんだ文字も、認識して整った文字に置き換えることを狙った設計になっている
- レイヤー分解: 背景・図形・テキストを層に分けて配置するため、「背景はそのままで見出しだけ直す」といった部分修正がしやすい
- PDFの一括変換: 複数ページのPDFをまとめて処理でき、資料まるごとの変換に対応する。消費クレジットは1ページあたりで計算される
- 多言語対応: 17言語のテキスト認識に対応しており、日本語だけでなく英語資料の変換にも使える
- Web以外の入口も用意: ブラウザからの操作に加えてAPIが提供され、Claude Code(MCP/Skills)経由での呼び出しにも対応する。定型的な変換を自動化したい場合の受け皿になる
料金
クレジット制で、画像1枚の変換に10クレジット、PDFは1ページあたり10クレジットを消費する。
| プラン | 月額料金 | 月間クレジット | 目安の変換数 | 主な特徴 |
|---|---|---|---|---|
| STARTER | $12 | 360 | 画像36枚 | テキスト編集、PDF一括変換、Web/API/Claude Code |
| PRO 20 | $20 | 600 | 画像60枚 | 上記に加えて優先サポート |
| PRO 40 | $40 | 1,200 | 画像120枚 | 優先API利用、最上位サポート |
決済はStripe経由で、ダッシュボードからいつでも解約できる。日本のカードで支払う場合はカード会社のレートで日本円に換算される。無料プランの有無は公式の料金ページに明記がないため、試用したい場合は公式サイトの案内を確認してほしい。
料金は2026年8月時点の情報です。最新の料金は公式サイトをご確認ください。
メリット・デメリット
✅ メリット
- 画像で出てきたスライドを編集可能な状態に戻せるため、生成AIで作った資料をそのまま実務に持ち込める
- ドラッグ&ドロップだけで完結し、専門知識や事前設定が要らない
- PDFの複数ページを一括で処理でき、既存資料の作り直しにも使える
- APIとClaude Code連携があるため、単発利用にも自動化にも対応できる
- クレジット制で使った分が分かりやすく、必要な規模に合わせてプランを選べる
⚠️ デメリット
- 無料プランが公式の料金ページに掲載されておらず、まず有料で始める前提になりやすい
- 複雑なデザインや装飾の多いスライドでは、変換結果に手直しが必要になる場合がある
- 元画像の解像度や文字のつぶれ具合によってOCRの精度が左右される
- 月間クレジットに上限があり、大量の資料をまとめて変換する用途では上位プランが必要になる
- 個人開発のサービスであり、大企業向けの導入サポートや契約形態を求める場合は事前確認が要る
類似サービスとの比較
| 比較項目 | Kirigami.ai | Gamma | イルシル | Adobe Acrobat |
|---|---|---|---|---|
| 主な用途 | 画像・PDFを編集可能なPPTXに変換 | AIでスライドを新規生成 | 日本語スライドをAIで生成 | PDFのファイル形式変換 |
| 入力 | 画像・PDF・スクリーンショット | テキスト指示・アウトライン | テキスト指示 | |
| 出力 | 編集可能な.pptx | Web形式・PPTX等 | 編集可能なスライド | PPTX等 |
| 画像内文字の復元 | OCRで再構成 | 該当なし(新規生成) | 該当なし(新規生成) | テキストPDFが前提 |
| 料金 | 有料(月額$12〜) | 無料枠あり | 無料プランあり | 有料(無料体験あり) |
Gammaやイルシルは「ゼロからスライドを作る」ツールであり、Kirigami.aiは「すでにある画像・PDFのスライドを編集できる形に戻す」ツールである。役割が重ならないため、生成側のツールと組み合わせて使うのが自然な形になる。
こんな人におすすめ
- Nano BananaやNotebookLMなど、画像としてスライドを出力するAIツールを使っていて、仕上げの編集に困っている人
- 支給されたPDF資料をPowerPointで作り直す作業が定期的に発生する人
- スライドの体裁は他ツールに任せ、文言や数値の差し替えだけ自分で行いたいビジネス職の人
- 資料変換の工程をAPIやClaude Codeから自動化したい開発者
まとめ
Kirigami.aiは、生成AIの「スライドは作れるが編集できない」という穴を埋める専用ツールである。新規作成の機能は持たない代わりに、画像やPDFを編集可能な.pptxへ戻す一点に集中しており、他のスライド生成AIと組み合わせたときに効果を発揮する。クレジット制で月額$12から使えるため、まずは手元の資料を1本変換して、OCRの精度と手直しの量が自分の用途に見合うかを確かめるのが分かりやすい判断方法になる。