中国のMoonshot AIが開発するAIアシスタント。2023年10月に「Kimi Chat」として公開され、当初から長文の読み込みに強いことで知られてきた。現在は単なるチャットにとどまらず、指示を受けて自律的に作業を進めるエージェント機能、定時実行のスケジュールタスク、リアルタイムのWeb検索、コーディング支援の「Kimi Code」、資料作成やリサーチを担う「Kimi Work」までを1つのサービスに統合している。自社開発のKimi K2系・K3系モデルを基盤とし、APIも公開されているため、アプリとして使うことも自分のプロダクトに組み込むこともできる。
主な特徴
- 超長文コンテキストの処理: Kimiの出発点であり最大の強み。上位プランで使えるK3モデルは最大100万トークン規模の入力に対応し、長大な資料やソースコードをまとめて読み込ませて質問できる
- エージェントによるタスク遂行: 「調べて、まとめて、資料にする」といった複数ステップの作業を、指示を出したあとは任せて進められる。プランに応じて複数タスクの同時実行や、サブエージェントを並列で動かす構成にも対応する
- スケジュールタスクとウィジェット: 「毎朝この条件でニュースを集める」のような定期実行を設定でき、結果をダッシュボードのウィジェットとして常時表示しておける
- リアルタイム検索とマルチモーダル入力: Web検索を組み合わせて最新情報を踏まえた回答を返す。テキストだけでなく画像やファイルの読み取りにも対応する
- Kimi Code(コーディング支援): CLIツールとして提供され、コード生成・リファクタリング・テスト作成などを委任できる。生成コスト対効果を重視した設計で、開発者コミュニティでの利用が広がっている
- Kimi Work(ナレッジワーク支援): 調査・資料作成・スライド生成といった事務寄りの作業をまとめて扱える。プロジェクト単位でファイルを保管し、文脈を維持したまま作業を続けられる
- API提供: Moonshot AIのプラットフォームからAPIを利用でき、自社アプリケーションへの組み込みが可能。MCP(Model Context Protocol)サーバーの設定手順も公式ドキュメントで案内されている
料金
| プラン | 月額料金 | 年額料金 | 主な内容 |
|---|---|---|---|
| Adagio(無料) | $0 | ─ | 基本的なチャット、ファイルアップロード、Web検索 |
| Moderato | $19 | $180(月額換算$15) | クレジット60、同時実行タスク2、スケジュール/ウィジェットタスク10、プロジェクト20(ストレージ20GB) |
| Allegretto | $39 | $372(月額換算$31) | クレジット150、Goal Mode、Kimi Claw、専門データベース呼び出し5,000回 |
| Allegro | $99 | $948(月額換算$79) | クレジット360、K3の超長文チャット(最大100万トークン)、同時実行タスク4、サブエージェント8、データベース呼び出し12,000回 |
| Vivace | $199 | $1,908(月額換算$159) | クレジット720、各種上限が最大、スケジュールタスク25、プロジェクト100、データベース呼び出し24,000回 |
APIは上記のサブスクリプションとは別に、トークン単位の従量課金で提供されている。単価はモデル世代(K2系・K3系)によって異なるため、公式のAPIドキュメントで確認するとよい。
料金は2026年8月時点の情報です。最新の料金は公式サイトをご確認ください。
メリット・デメリット
✅ メリット
- 長文処理に一貫して強く、大量の資料やコードベースをまとめて読ませる用途で扱いやすい
- チャット・エージェント・コーディング・ナレッジワークが1つのサービスにまとまっており、用途ごとにツールを行き来しなくて済む
- 無料プランでも基本的なチャット・ファイルアップロード・Web検索が使え、試しやすい
- 有料プランが5段階に分かれており、必要な同時実行数やクレジット量に応じて選びやすい
- APIが公開されており、アプリとして使うだけでなく自作サービスへの組み込みにも展開できる
⚠️ デメリット
- クレジット制のため、エージェントを多用すると上位プランが前提になりやすく、月額コストが読みにくい
- 中国企業が提供するサービスであり、データの取り扱いや法域を理由に業務利用を避ける組織がある
- Goal ModeやKimi Clawなど一部機能は上位プラン限定で、無料・下位プランでは体験できない
- 日本語のドキュメントやサポート情報は英語・中国語に比べて手薄で、機能の詳細を追うのに手間がかかる
- モデルの更新サイクルが速く、プラン内で使えるモデルや上限が変わりやすい
類似サービスとの比較
| 比較項目 | Kimi | ChatGPT | Claude | DeepSeek |
|---|---|---|---|---|
| 提供元 | Moonshot AI(中国) | OpenAI(米国) | Anthropic(米国) | DeepSeek(中国) |
| 強み | 超長文処理・エージェント統合 | 機能の幅広さ・画像生成 | 長文処理・自然な文章 | 低コストと推論性能 |
| エージェント機能 | 標準搭載(同時実行・サブエージェント) | 搭載 | 搭載 | 限定的 |
| コーディング支援 | Kimi Code(CLI) | Codex等 | Claude Code | コーディング向けモデルあり |
| 無料プラン | あり(Adagio) | あり | あり | あり |
| 有料の入り口 | 月額$19〜 | 月額$20〜 | 月額$20〜 | 主にAPI従量課金 |
こんな人におすすめ
- 数百ページ規模の資料や大きなコードベースを、分割せずに一度に読み込ませたい人
- 調査から資料作成までの流れをエージェントに任せ、自分は確認と仕上げに集中したい人
- 定期的な情報収集やレポート作成を、スケジュールタスクで自動化したい人
- コーディング支援のコストを抑えつつ、CLIから作業を委任したい開発者
- チャットAPIを自作サービスに組み込む前提で、アプリ側でも同じモデルを試しておきたい人
まとめ
Kimiは、長文処理の強さを土台に、エージェント・スケジュールタスク・コーディング支援・ナレッジワークまでを1つのサービスへまとめてきたAIアシスタントである。無料プランで基本的なチャットと検索を試し、エージェントを本格的に使う段階になったら必要なクレジット量に合わせて有料プランを選ぶ、という進み方がわかりやすい。一方で、提供元が中国企業であることや、クレジット消費によるコストの読みにくさは、業務導入の前に確認しておきたい点である。