Kilo Code は、VS Code・JetBrains 系 IDE・コマンドラインで動く MIT ライセンスのオープンソース AI コーディングエージェント。自然言語で指示するとコードを書き、既存コードのリファクタリングやバグ修正、複数ファイルにまたがる作業までエージェントとして進めてくれる。特徴は「モデルを選べること」と「料金の透明さ」で、独自ゲートウェイ経由で 500 以上のモデルに接続でき、モデル利用料に上乗せ(マークアップ)を取らない設計になっている。自分の API キーを持ち込む BYOK やローカルモデルの利用も可能。開発元の Kilo Code, Inc. は 2026 年 7 月にデータサイエンス基盤で知られる Anaconda に買収されたが、既存の製品・プラン・サポートはそのまま継続すると発表されている。
主な特徴
- VS Code / JetBrains / CLI の 3 面対応: 同じエージェントを VS Code 拡張、IntelliJ IDEA や PyCharm などの JetBrains 拡張、ターミナルの CLI から使える。エディタを乗り換えても操作感を保てる
- モードの切り替えで役割を使い分け: 実装を進める Code モード、設計や計画を立てる Architect モード、原因を切り分ける Debug モードに加えて、独自ルールを持たせた Custom モードを自分で定義できる
- 500 以上のモデルに接続、上乗せ料金なし: Kilo Gateway を通して 60 以上のプロバイダーのモデルを 1 つの窓口から利用でき、料金は各プロバイダーの実費のまま。フロンティアモデル、オープンウェイトモデル、自分の API キー、ローカルモデルを状況に応じて選べる
- Auto Model による自動ルーティング: タスクの重さに応じて効率重視・フロンティア・無料の各層へモデルを自動で振り分ける。難しい場面だけ高性能モデルを使う運用がしやすい
- MCP サーバー連携: Model Context Protocol に対応し、外部サービスや社内ツールをエージェントの手足として接続できる
- オープンソース(MIT): コードが GitHub で公開されており、中身を確認したうえで導入できる。組織のポリシーで外部ツールの検証が必要な場合に扱いやすい
料金
Kilo Code の料金は「プラットフォームの利用料」と「AI の推論料金」が分かれている点に注意したい。
| プラン | 料金 | 主な内容 |
|---|---|---|
| Free & Open Source | $0 | VS Code / JetBrains / CLI 拡張、エージェント機能、任意のモデルを利用可能 |
| Teams | 1 人あたり月額 $15 | Free の内容に加え、利用状況の分析、共有エージェントモード、請求の一元化、チーム管理、データプライバシー設定、優先サポート |
| Enterprise | 要問い合わせ | Teams の内容に加え、モデル・プロバイダーの制限、監査ログ、SSO / OIDC / SCIM、SLA、専任サポート |
推論側は次の 3 通りから選ぶ。
| 方式 | 料金 | 主な内容 |
|---|---|---|
| 無料モデル / BYOK / ローカル | $0 | ゲートウェイ経由の無料モデル、自分の API キーの持ち込み、ローカルモデルの利用 |
| Kilo Gateway | 月額 $0 + 従量課金 | 60 以上のプロバイダーの 500 以上のモデルに、実費のまま従量課金でアクセス |
| Kilo Pass | 月額 $19(Starter)/ $49(Pro)/ $199(Expert) | 毎月のクレジット付与とボーナスクレジット、Auto Model ルーティング |
このほか、クラウド上でエージェントやコードレビューを動かす機能は時間単位の従量課金となる。
料金は2026年8月時点の情報です。最新の料金は公式サイトをご確認ください。
メリット・デメリット
✅ メリット
- 拡張機能そのものは無料・オープンソースで、まず費用をかけずに試せる
- モデル利用料に上乗せがなく、どのモデルにいくら払っているかが見えやすい
- 特定のモデルベンダーに縛られず、新しいモデルが出たら差し替えて使える
- VS Code・JetBrains・CLI のどこからでも同じエージェントを使える
- MIT ライセンスで公開されているため、導入審査が必要な組織でも中身を確認できる
⚠️ デメリット
- 拡張が無料でも推論コストは別途かかるため、使い方次第で月額の見通しが立てにくい
- モデル選択やモードの使い分けなど、設定の自由度が高いぶん初期の学習コストがある
- エージェントに広い権限を与えると意図しないファイル変更が起こりうるため、差分の確認は欠かせない
- 2026 年 7 月に Anaconda 傘下となったばかりで、中長期の製品方針は今後の発表を待つ必要がある
類似サービスとの比較
| 比較項目 | Kilo Code | Cline | Roo Code | Cursor |
|---|---|---|---|---|
| 形態 | IDE 拡張 + CLI | IDE 拡張 | IDE 拡張 | 専用エディタ |
| オープンソース | あり(MIT) | あり | あり | なし |
| モデル選択 | 500+ モデル、BYOK・ローカル可 | BYOK 中心 | BYOK 中心 | 提供元が用意したモデル中心 |
| モデル料金への上乗せ | なし | なし(実費) | なし(実費) | サブスクリプションに内包 |
| JetBrains 対応 | あり | 限定的 | 限定的 | なし(独自エディタ) |
| チーム向け機能 | Teams / Enterprise プラン | 限定的 | 限定的 | チームプランあり |
こんな人におすすめ
- AI コーディング支援を試したいが、まず無料で始めて必要になってから課金したい開発者
- モデルの選択権を自分で持ちたい、新しいモデルが出るたびに乗り換えたい人
- VS Code と JetBrains を併用していて、同じエージェントを両方で使いたい人
- ターミナル中心の作業が多く、CLI からエージェントを呼び出したい人
- 外部ツールの導入にソースコードの確認が求められる組織のチーム
まとめ
Kilo Code は、オープンソースであること、モデルを自由に選べること、モデル利用料に上乗せを取らないことの 3 点を軸にした AI コーディングエージェントである。拡張機能自体は無料なので導入のハードルは低く、推論の支払い方法だけを自分の使い方に合わせて選べばよい。まずは無料モデルや手持ちの API キーで動かしてみて、使用量が増えてきたら Kilo Pass やチーム向けプランを検討するのが現実的な進め方になる。