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Hyperresearch ─ Claude Code を16ステップの深層リサーチ装置に変える、出典検証つきオープンソースハーネス

Jordan Gibbs 氏が公開しているオープンソース(MIT ライセンス)のリサーチ基盤。Claude Code に組み込んで /hyperresearch <調べたいこと> と入力すると、クエリの分解から複数視点での情報収集、矛盾の洗い出し、深掘り調査、複数の批評エージェントによる査読までを 16 ステップのパイプラインで自動実行し、1 本のレポートにまとめる。特徴は出典の扱いの厳しさで、引用文が本当に情報源に存在するか、撤回された論文を引いていないかを出力前に機械的に検証する。読み込んだ情報源はすべて Markdown と SQLite の「ボルト」に蓄積され、次のセッションはまずそこを検索してから新しいページを取りに行く。Python パッケージとして配布され、CLI や MCP サーバー経由でもボルトを扱える。

主な特徴

  • 16 ステップのリサーチパイプライン: クエリ分解 → 横断的な情報収集 → 矛盾グラフの作成 → 論点の抽出と深掘り → 複数ドラフトの執筆 → 統合 → 4 体の批評エージェントによる査読 → 修正 → 引用検証 → 推敲、という工程を順に実行する。各工程の手順書はその工程が動くときだけ読み込まれるため、長いパイプラインでも途中で指示が抜け落ちにくい
  • 質問の重さに応じた 3 段階のティア: 事実確認や比較のような範囲の定まった問いは 5 ステップの高速経路(light)に自動で振り分けられ、議論を要するテーマは 16 ステップ全部を走る full になる。章立てで数万語規模のレポートを書く dissertation はプロンプトで明示的に指定したときだけ動く
  • 引用の実在確認と撤回論文の検知: 出力前に、引用した一文が情報源に本当に書かれているか、その情報源が撤回されていないかを検査する。引用符で囲んだ文言がボルト内に一字一句存在しなければ、そのレポートは出荷されない
  • 「同じ話の転載」を数に数えない独立性監査: 同一のプレスリリースを転載した 5 本の記事を 1 つのクラスタにまとめ、5 件の裏づけではなく 1 件として扱う。情報源には引用数・媒体種別・撤回フラグなどから算出した品質スコアが付く
  • 再利用できる永続ボルト: 取得したページは YAML フロントマター付きの Markdown として保存され、SQLite が全文検索の索引を持つ。索引は Markdown から再構築できるため、ツールを外しても自分の調査資産は読める。全文検索・リンクグラフ・重複検出・エクスポートは CLI から扱える
  • オープンアクセス版の自動回収: 有料論文にぶつかって要旨しか取れない場合、Unpaywall や Europe PMC に合法的な公開版を問い合わせて全文を保存する。差し替えが起きたことは本文冒頭のバナーとフロントマターの両方に明記される
  • Claude Code の外でも使える: hyperresearch mcp で MCP サーバーとして起動でき、Claude Desktop や Cursor など MCP 対応クライアントから同じボルトを検索・追記できる。ローカル Web UI(hyperresearch serve)も同梱されている

料金

プラン料金主な内容
本体(MIT ライセンス)$0全機能。PyPI から pip install hyperresearch で導入
別途必要なもの利用状況によるClaude Code が動く Anthropic のプラン(サブスクリプションまたは API 利用)。消費量はティア・ギア・情報源数に比例する

料金は2026年8月時点の情報です。ソフトウェア自体は無償ですが、実行にかかるモデル利用料は別途発生します。最新の情報は公式リポジトリをご確認ください。

メリット・デメリット

メリット

  • 引用の実在確認・撤回検知・独立性監査といった検証工程がパイプラインに組み込まれており、出典の信頼性を人手で確かめる負担が減る
  • 読んだ情報源が手元に貯まるため、同じ領域を調べるほど 2 回目以降が速く、安くなる
  • 保存形式が素の Markdown なので、Obsidian などの既存ツールや Git でそのまま管理できる
  • 中断した実行を run resume で途中の工程から再開でき、長時間のリサーチが無駄になりにくい
  • 予算上限を設定でき、想定外にコストが膨らむ前に実行が止まる
  • 取得したページの本文を「命令ではなくデータ」として扱う仕組みが入っており、悪意あるページによる指示の乗っ取りに配慮している

⚠️ デメリット

  • Claude Code と Python 3.11〜3.13 の環境が前提で、コマンドライン操作に慣れていないと導入のハードルがある
  • 1 回の実行が長い。full ティアで数時間、dissertation では半日近くかかることもある
  • モデル利用料は自己負担で、情報源を増やすほど費用が増える
  • Anthropic のモデル前提で設計されており、他社モデルへの移植は現時点では用意されていない
  • 検証工程が保証するのは構造的な健全性であり、内容の事実正確性そのものを担保するわけではない
  • ログインが必要なページや CAPTCHA は自動突破しない(意図的な設計)ため、手作業での対応が残る

類似サービスとの比較

比較項目HyperresearchGemini Deep ResearchChatGPT Deep ResearchGPT Researcher
提供形態オープンソース(MIT)/自分の環境で実行Gemini アプリ内の機能ChatGPT 内の機能オープンソース/自分の環境で実行
実行基盤Claude Code + Anthropic モデルGoogle のモデルOpenAI のモデル複数モデルを選択可能
調査資産の蓄積Markdown + SQLite の永続ボルト会話履歴として残る会話履歴として残る実行ごとのレポート出力が中心
出典検証引用の実在確認・撤回検知・独立性監査を内蔵出典リンクの提示出典リンクの提示出典リンクの提示
所要時間30 分〜数時間(ティア依存)数分〜十数分数分〜数十分数分程度
導入の手軽さコマンドライン操作が必要すぐ使えるすぐ使えるセットアップが必要

こんな人におすすめ

  • 学術論文や一次資料を含む調査を行い、引用の正確さが成果物の価値を左右する研究者・アナリスト
  • 同じ分野を継続的に調べており、読んだ資料を再利用できる形で蓄積したい人
  • 生成されたレポートの出典を後から検証する作業に時間を取られている人
  • Claude Code をすでに使っており、リサーチ工程もエージェントに委ねたい開発者
  • ローカルにデータを置きたい、または Markdown ベースで調査資産を自分の手元に持っておきたい人

まとめ

Hyperresearch は、既存の「深層リサーチ」機能が数分でレポートを返すのに対し、時間をかけてでも出典の確かさを機械的に検証する方向に振り切ったツールである。導入にはコマンドライン環境が要り、実行にはモデル利用料と待ち時間がかかるため、日常的な調べ物には向かない。一方で、引用の正しさが問われる調査や、同じ領域を長く追いかける仕事では、読んだ資料が手元に貯まっていく設計が効いてくる。まずは軽い問いを light ティアで走らせ、出力されたレポートと保存されたノートを見てから、本格的な運用を判断するとよい。

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