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Hermes One ─ Hermes Agent をデスクトップで動かすコミュニティ製アプリ。3Dオフィスでエージェントを可視化

Hermes One は、Nous Research が開発する自律型 AI エージェント「Hermes Agent」を、ターミナルではなくデスクトップアプリから扱えるようにするコミュニティ製のクライアントである。Electron で作られており macOS・Windows・Linux に対応。MIT ライセンスのオープンソースで、アプリ自体は無料で使える。開発は有志コミュニティによるもので、Nous Research の公式プロダクトではない点は最初に押さえておきたい。特徴的なのは、エージェントのプロファイル(役割ごとに切り分けた AI の作業環境)を 3D の「オフィス」として可視化する画面を持つことで、コマンドラインのログを追うのとはまったく違う手触りでエージェントの状態を把握できる。

主な特徴

  • ガイド付きインストールで導入のハードルを下げる: Hermes Agent は本来コマンドラインで環境構築する必要があるが、Hermes One は依存関係の解決を含めたインストールウィザードを備える。npm の CLI パッケージ hermesone からアプリの導入・更新も行える
  • マルチプロバイダー対応のチャット画面: OpenRouter・Anthropic・OpenAI・Google Gemini・xAI・Groq・ローカルエンドポイントなど複数の提供元に接続でき、300 を超えるモデルから選べる。ストリーミング表示、スラッシュコマンド、トークン消費量の表示、Markdown レンダリングに対応する
  • プロファイル切り替えとセッション全文検索: 用途ごとに独立した Hermes 環境(プロファイル)を作り、GUI から切り替えられる。設定は ~/.hermes(Windows は %LOCALAPPDATA%\hermes)に置かれる。過去の会話はセッション単位で管理され、全文検索で遡れる
  • 3D オフィスでエージェントを見る: プロファイルを 3D 空間のオフィスとして表示する画面を備える。建物に入る、チャットからの指示で 3D 世界のタスクを実行させる(Office World Actions)といった要素が段階的に追加されている
  • メッセージングと自動実行の連携: Telegram・Discord・Slack・WhatsApp・Signal・Matrix など多数のメッセージングゲートウェイに接続でき、チャットアプリ越しにエージェントを呼び出せる。cron ビルダーによる定期実行のスケジュール設定も GUI から行える
  • レジストリとマーケットプレイス: アプリ内の Discover ギャラリーと hermesone add コマンドから、スキル・MCP サーバー・エージェント・ワークフローを導入できる。コミュニティが公開したレジストリ(hermes-registry)を通じて機能を後から足していく設計になっている
  • 実行環境を選べる: ローカル実行のほか、SSH 経由のリモート、Docker、Modal、Daytona、Vercel Sandbox など複数の実行バックエンドに対応する。エージェントのコード実行を手元の環境から切り離したい場合に効いてくる

料金

プラン料金主な内容
アプリ本体$0(MIT ライセンス)全機能を無料で利用可能。ソースコードは GitHub で公開
LLM 利用料各プロバイダーの従量課金OpenRouter・Anthropic・OpenAI などの API キーを自分で用意する。ローカルモデルを使えばこの費用も不要

料金は2026年8月時点の情報です。最新の情報は公式サイトをご確認ください。

メリット・デメリット

メリット

  • Hermes Agent のセットアップと日常運用を GUI で完結でき、ターミナル操作に不慣れでも扱いやすい
  • MIT ライセンスの完全なオープンソースで、アプリの利用料がかからない
  • 特定の LLM ベンダーに縛られず、API キーを差し替えるだけでモデルを乗り換えられる
  • チャットアプリ連携・スケジュール実行・サブエージェントの並列実行など、エージェント運用に必要な機能が一通り揃っている
  • レジストリ経由でスキルや MCP サーバーを後から追加でき、用途に合わせて育てられる

⚠️ デメリット

  • Nous Research の公式アプリではないため、Hermes Agent 本体の仕様変更に追随するまでに時間差が生じる可能性がある
  • バックエンドとして Hermes Agent 本体を動かす前提であり、完全にゼロ知識で始められるわけではない
  • LLM の API キーは自分で用意する必要があり、実際の利用にはプロバイダー側の費用がかかる
  • バージョン 0 系の開発途上のプロダクトで、更新が速い分だけ挙動が変わることがある
  • Windows では署名の都合で初回起動時に SmartScreen の警告が表示される

類似サービスとの比較

比較項目Hermes OneHermes Agent(公式 CLI)LibreChatOpen WebUI
形態デスクトップアプリ(Electron)コマンドラインセルフホストの Web アプリセルフホストの Web アプリ
主な用途自律エージェントの操作・監視自律エージェントの実行複数 LLM のチャット UI複数 LLM のチャット UI(ローカル LLM に強い)
エージェントの自律実行対応(本体の機能を GUI から利用)対応限定的限定的
導入のしやすさインストーラーで導入環境構築が必要Docker などで自前構築Docker などで自前構築
料金無料(オープンソース)無料(オープンソース)無料(オープンソース)無料(オープンソース)

こんな人におすすめ

  • Hermes Agent に興味はあるが、コマンドラインでの環境構築でつまずいていた人
  • 複数の LLM プロバイダーを使い分けながら、ひとつのアプリでエージェントを運用したい人
  • Telegram や Slack からエージェントを呼び出し、定期タスクも任せたい人
  • オープンソースで、データの置き場所を自分で決められるエージェント環境を探している人
  • エージェントの状態をログではなく画面で把握したい人

まとめ

Hermes One は、Hermes Agent という強力だが導入の敷居が高いエージェント基盤に、デスクトップ GUI という入口を用意したプロジェクトである。マルチプロバイダー対応・メッセージング連携・スケジュール実行・レジストリ経由の拡張と、エージェントを日常的に回すための道具は揃っている。一方で公式アプリではなく、バージョンも 0 系の開発途上であることは前提として理解しておきたい。まずは無料で導入し、手持ちの API キーを差してチャットから触ってみるのが分かりやすい入り方になる。

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