ターミナルに常駐し、Claude Code や Codex といった複数のコーディングエージェントを 1 つの画面に束ねるオープンソースツール。Rust 製の単一バイナリで動き、Electron もアカウント登録もテレメトリも持たない。各エージェントは独立した実ターミナルで動作し、バックグラウンドのサーバーがセッションを保持するため、ラップトップを閉じてもネットワークが切れても処理は走り続ける。後から SSH やスマートフォンから再アタッチして、続きをそのまま確認できる。サイドバーには「作業中」「入力待ち」「完了」といった各エージェントの状態が並び、どれが止まっているのかを画面を切り替えながら探し回る必要がない。2026年3月の公開以降、GitHub Trending の 1 位を獲得し、star は 1 万を大きく超えている。
主な特徴
- セッションが生き続ける: バックグラウンドのサーバーがエージェントのターミナルを保持する。ターミナルアプリを閉じても、ネットワークが切れても、マシンを再起動しても、作業中のエージェントは動き続けるか、そのまま再開できる
- 状態が一目でわかるサイドバー: 各エージェントが「作業中」なのか「入力待ちで止まっている」のか「終わっている」のかを一覧表示する。ペインを 1 つずつ覗いて確認する手間がなくなる
- 既存のエージェント CLI をそのまま使う: Claude Code、Codex、Cursor、opencode、Grok など、普段使っているコマンドを置き換えない。Herdr が担うのはターミナルの管理だけで、エージェント自体の機能には手を入れない
- Socket API とプラグインで拡張できる: CLI とローカルの Socket API が統一されており、エージェント自身がペインを分割したり別のエージェントを起動したりできる。プラグインで機能を追加することも想定されている
- SSH やスマートフォンから再アタッチ: 手元のノート PC でも、常時起動のミニ PC でも、借りたサーバーでも動く。コードとターミナルがある場所でバイナリを走らせ、外出先から接続し直すという使い方ができる
- 依存ゼロの単一バイナリ: Rust 製で、macOS・Linux・Windows に対応。インストールスクリプトのほか、Homebrew や mise 経由でも導入できる。既存のターミナルアプリ(iTerm2、Kitty、Alacritty、WezTerm、Ghostty など)の中で動く
料金
| プラン | 料金 | 主な特徴 |
|---|---|---|
| オープンソース版 | 無料 | 全機能を利用可能。GitHub でソースコードが公開されている |
| 商用ライセンス | 要問い合わせ | オープンソースライセンスの条件に従えない組織向けの選択肢として案内されている |
料金は2026年8月時点の情報です。ライセンス表記は情報源によって記載が分かれているため、商用利用の可否や条件は必ず公式サイトとGitHub リポジトリの LICENSE を確認してください。
メリット・デメリット
✅ メリット
- 長時間かかるエージェントの処理を、ラップトップを閉じたまま走らせ続けられる
- 複数のエージェントを並行して動かしたとき、止まっているものをすぐ見つけられる
- 使い慣れたエージェント CLI をそのまま使えるため、乗り換えコストがほとんどない
- 単一バイナリで依存関係がなく、導入と撤去が簡単
- アカウント登録やテレメトリがなく、ソースコードも公開されている
⚠️ デメリット
- ターミナル前提のツールで、GUI アプリのような画面はない。CLI に不慣れだと戸惑いやすい
- キーボードショートカットが
ctrl+bを起点とする独自の体系で、tmux などと併用すると設定の調整が必要になる - 2026年3月公開の新しいプロジェクトで、機能追加や仕様変更のペースが速い
- 主要な開発が少人数で進んでいるため、企業向けのサポート体制を求める用途には向きにくい
- Windows 版は環境によって挙動が異なる場合があり、導入前の検証が必要
類似サービスとの比較
| 比較項目 | Herdr | tmux | Zellij | Claude Squad |
|---|---|---|---|---|
| 主な用途 | コーディングエージェントの多重管理 | 汎用のターミナル多重化 | 汎用のターミナル多重化 | 複数エージェントの並行実行管理 |
| エージェントの状態表示 | サイドバーで作業中・入力待ち・完了を表示 | なし | なし | セッション一覧で管理 |
| セッション永続化 | サーバーが保持し再アタッチ可能 | 可能 | 可能 | tmux に依存 |
| 拡張手段 | Socket API・プラグイン | 設定ファイル・プラグイン | プラグイン(WASM) | 設定中心 |
| 実装 | Rust の単一バイナリ | C | Rust | Go |
こんな人におすすめ
- Claude Code や Codex を日常的に使い、複数のタスクを同時に走らせている開発者
- 長時間かかるエージェントの処理を、外出中や就寝中も止めずに進めたい人
- 手元のノート PC ではなく、常時起動のマシンやレンタルサーバー上でエージェントを動かしたい人
- Electron アプリやアカウント登録を避け、ターミナル内で完結する道具を好む人
- Socket API を叩いて、エージェントの起動や監視を自前のスクリプトから制御したい人
まとめ
Herdr は、複数のコーディングエージェントを同時に動かすようになったときに生じる「どれが止まっているか分からない」「ターミナルを閉じると処理が消える」という二つの不便を、ターミナル側から解決するツールである。既存のエージェント CLI を置き換えないため導入のリスクが小さく、単一バイナリで試して合わなければ削除するだけで済む。一方で新しいプロジェクトであり仕様変更も速いため、まずは個人の開発環境で試し、運用に耐えると判断してから常用マシンへ広げるのが現実的である。