Block(旧Square)が2025年1月に公開したオープンソースのAIエージェント。自分のPC上で動き、コードの修正・デバッグ・デプロイといったエンジニアリング作業を自律的に進める。特定のAIベンダーに縛られないのが最大の特徴で、Anthropic・OpenAI・Google・Ollama(ローカルモデル)など15以上のプロバイダーから好きなモデルを選んで使える。現在はLinux Foundation傘下のAgentic AI Foundation(AAIF)に寄贈され、コミュニティ主導で開発が続いている。ライセンスはApache 2.0で、本体の利用料はかからない。
主な特徴
- デスクトップアプリ・CLI・APIの3つの使い方: macOS / Linux / Windows向けのネイティブアプリに加え、ターミナルから使えるCLI、他システムに組み込むためのAPIが用意されている。Rust製で動作が軽い
- 好みのLLMを選べるモデル非依存設計: Anthropic・OpenAI・Google・Ollama・OpenRouter・Azure・Bedrockなど15以上のプロバイダーに対応。APIキーを差し替えるだけでモデルを乗り換えられ、Ollamaを使えばローカルモデルだけで完結させることもできる
- MCPによる拡張(Extensions): Model Context Protocol(MCP)標準に対応し、70以上の拡張機能でデータベース・GitHub・Google Drive・ブラウザなどの外部ツールと接続できる。自作のMCPサーバーもそのまま組み込める
- レシピで作業手順を再利用: よく使う作業をYAML形式の「レシピ」として保存し、チームで共有・再実行できる。毎回同じ指示を書き直す必要がなくなる
- サブエージェントによる並列処理: 独立した複数のタスクをサブエージェントに割り振り、同時に進められる
- セキュリティ機能: プロンプトインジェクションの検知、実行権限のコントロール、サンドボックスモード、実行内容を別視点で点検するアドバーサリーレビュアーを備える
- エディタとの連携(ACP): Agent Client Protocolのサーバーとして動作し、VS Code・Zed・JetBrains系IDEから呼び出せる
料金
| プラン | 料金 | 主な内容 |
|---|---|---|
| Goose本体 | $0(Apache 2.0) | デスクトップアプリ・CLI・API・拡張機能すべて。機能制限なし |
| LLM利用料 | 各プロバイダーの従量課金 | Anthropic・OpenAI等のAPIキーを自分で用意して接続する |
| ローカルモデル利用時 | $0 | Ollama等でローカルLLMを動かす場合、API料金は発生しない |
料金は2026年8月時点の情報です。最新の情報は公式サイトをご確認ください。
メリット・デメリット
✅ メリット
- ソフトウェア自体が無料でソースも公開されており、ベンダーロックインの心配がない
- モデルを自由に選べるため、コストと品質のバランスを自分で調整できる
- ローカル実行が前提で、Ollamaと組み合わせればコードを外部に送らずに完結できる
- MCP対応が手厚く、既存のMCPサーバー資産をそのまま活かせる
- レシピで定型作業を資産化でき、チーム内で手順を共有しやすい
⚠️ デメリット
- LLMのAPIキーを自分で用意する必要があり、初期設定は商用サービスより手間がかかる
- 従量課金のモデルを使う場合、エージェントが長時間動くとコストが読みにくい
- 出力品質は選んだモデルに大きく左右され、安価なモデルでは期待通りに動かないことがある
- 自律的にコマンドを実行するため、権限設定を確認せずに使うと予期しない変更が起きうる
- 公式サポート窓口はなく、困ったときはドキュメントとコミュニティ(Discord)が頼りになる
類似サービスとの比較
| 比較項目 | Goose | Claude Code | Cline | OpenHands |
|---|---|---|---|---|
| 提供元 | Block発 / 現在はAAIF(Linux Foundation) | Anthropic | Cline Bot | All Hands AI |
| ライセンス | オープンソース(Apache 2.0) | プロプライエタリ | オープンソース | オープンソース |
| 利用形態 | デスクトップアプリ / CLI / API | CLI / デスクトップ | VS Code拡張 | Web UI / CLI |
| 使えるモデル | 15以上のプロバイダーから選択 | Claudeシリーズ | 複数プロバイダー対応 | 複数プロバイダー対応 |
| 本体の料金 | 無料 | サブスクリプションまたはAPI従量 | 無料(LLM料金は別) | 無料(LLM料金は別) |
こんな人におすすめ
- 特定のAIベンダーに依存せず、モデルを自由に選び替えたい開発者
- ローカルモデルを使ってソースコードを社外に出さずにAIエージェントを試したいチーム
- すでにMCPサーバーを自作・運用していて、それを活かせるエージェントを探している人
- 定型的な保守作業やデバッグ手順を「レシピ」として仕組み化したい人
- オープンソースであること・ソースを読めることを重視する人
まとめ
Gooseは、モデルを選べる自由と自分のマシンで動く安心感を両立したオープンソースのAIエージェントである。本体は無料で、かかるのは選んだLLMのAPI料金だけ。MCP拡張とレシピによって手元の環境や作業手順にあわせて育てていけるため、商用のコーディングエージェントに物足りなさを感じている人や、コードを外部に送りたくない事情がある人にとって有力な選択肢になる。まずはデスクトップアプリを入れ、手持ちのAPIキーかOllamaで小さなタスクから試すとよい。