日本のJsers, llc.が開発するmacOS向けのGitクライアント。Claude CodeやCursor CLIといったAIコーディングツールを内蔵ターミナルから直接動かし、その出力を色分けされたブランチグラフで確認しながらコミット・プッシュまで進められる。AIが短時間で大量の差分を生み出す進め方では「どこで何が変わったのか」を追いにくくなりがちだが、Gittonはコミット履歴・Reflog・Git worktreeといったGit本来の安全網をGUIから扱いやすくすることで、その負荷を下げようとしている。GitHubのPRワークフローとも統合され、PRの説明文やコードレビューのコメントをAIに下書きさせられる。サブスクリプションではなく買切りで提供される点も特徴。
主な特徴
- AIコーディングツールを動かせる統合ターミナル: Claude CodeやCursor CLIなどをアプリ内のターミナルタブから起動できる。タブでセッションを分けられるため、複数の作業を並行させやすい
- 色分けされたブランチグラフと差分表示: コミット履歴をグラフで俯瞰でき、ファイル単位の変更内容をその場で確認できる。cherry-pick・revert・resetといった操作もGUIから実行できる
- Reflogによるやり直し: resetやrebaseで履歴を意図せず壊してしまっても、Reflogの画面から以前の状態を探して戻せる。AIに任せた変更を思い切って試しやすくなる
- GitHub PRワークフローの統合: PRの作成・レビュー・マージをアプリ内で完結でき、PRの説明文やコードレビューの指摘をAIに生成させられる(PR関連機能にはGitHub CLI(gh)のインストールと認証が必要)
- AIプロバイダを選べる: OpenAI・Anthropic・Google・Ollamaに対応。APIキーは利用者が用意する方式で、Ollamaを選べばローカルモデルで完結させることもできる
- Git worktreeによる並行開発: 複数ブランチを同時にチェックアウトし、AIエージェントを別々のブランチで走らせるといった使い方ができる
- JavaScript / TypeScriptのプラグイン: サイドバーや設定画面、Git hooksを独自に拡張できる。公式プラグインとしてGitHub Actions・Dependency Graph・Git hooks管理が用意されている
料金
| プラン | 料金 | 主な内容 |
|---|---|---|
| 無料トライアル | $0(7日間) | リポジトリ管理、コミット・プッシュ・プル、ブランチとReflog、ターミナルなど中核機能。AI機能は試用の範囲で利用可 |
| Pro | $19.99(買切り) | AIコミットメッセージ・AIコードレビュー・AI PR説明文が無制限。GitHub PR連携をフル機能で利用可 |
料金は2026年8月時点の情報です。$19.99という金額は公式GitHubリポジトリの記載に基づきます。最新の料金は公式サイトの料金セクションをご確認ください。なお、AI機能は各AIプロバイダのAPIキーを自分で用意する方式のため、その利用料はGittonの価格とは別に発生します。
メリット・デメリット
✅ メリット
- サブスクリプションではなく買切りのため、長く使うほど費用面の負担が小さい
- AIに任せた大量の変更を、ブランチグラフとReflogで確認・巻き戻ししながら進められる
- ターミナルが内蔵されているので、エディタ・ターミナル・Gitクライアントを行き来する手間が減る
- AIプロバイダを選べ、Ollamaを使えばコードを外部サービスに送らずに済む
- JavaScript / TypeScriptのプラグインで、自分のワークフローに合わせて拡張できる
⚠️ デメリット
- macOS専用(macOS 12以降。Intel MacはRosetta 2経由)で、WindowsやLinux版は案内されていない
- GitHubのPR機能を使うにはGitHub CLIの導入と認証が別途必要
- AI機能は自前のAPIキーが前提のため、買切り価格とは別に従量課金が発生する
- 2026年2月公開の比較的新しいツールで、利用者の事例や日本語圏以外での情報はまだ多くない
- GitLabやBitbucketなど、GitHub以外のホスティング向けのPR/MR統合は案内されていない
類似サービスとの比較
| 比較項目 | Gitton | GitKraken | Sourcetree | Tower |
|---|---|---|---|---|
| 提供元 | Jsers, llc.(日本) | GitKraken | Atlassian | fournova |
| 対応OS | macOS | macOS / Windows / Linux | macOS / Windows | macOS / Windows |
| AI機能 | コミットメッセージ・PR説明文・コードレビュー生成、AIツールを内蔵ターミナルで実行 | AIによるコミットメッセージ生成など | 標準では非搭載 | AIによるコミットメッセージ生成など |
| 課金形態 | 買切り | 無料プランあり・有料はサブスク | 無料 | サブスク |
| 位置づけ | AIエージェントとの併用を前提にした設計 | 多機能な老舗、チーム向け機能が充実 | 定番の無料クライアント | 洗練されたUIと手厚いサポート |
こんな人におすすめ
- Claude CodeやCursor CLIで大量のコードを生成させ、差分の確認とコミット整理に時間を取られている人
- AIに任せた変更を思い切って試したいが、履歴を壊してしまうのが怖い人
- サブスクリプションをこれ以上増やしたくなく、買切りのツールを選びたいmacOSユーザー
- GitHubを中心にPRベースで開発していて、説明文やレビューの下書きを省力化したい人
- Ollamaなどのローカルモデルを使い、コードを外部に出さずにAI機能を利用したい人
まとめ
Gittonは、AIコーディングエージェントが生み出す大量の差分をGitの安全網に載せるためのmacOS向けクライアントである。ブランチグラフ・Reflog・worktreeといった機能をGUIから扱いやすくし、内蔵ターミナルでAIツールをそのまま動かせる点が、既存のGitクライアントとの違いになっている。macOS専用であること、AI機能には別途APIキーが必要なことは事前に確認しておきたいが、7日間の無料トライアルが用意されているため、自分の進め方に合うかどうかは実際に試して判断できる。