Fuser Technologies が提供する、マルチモーダル創作のためのノードベースプラットフォーム。テキスト・画像・動画・音声・3D を扱う生成 AI モデルを「無限キャンバス」上のノードとして配置し、線でつないで一連のワークフローに組み立てられる。OpenAI・Anthropic・Runway・Black Forest Labs・Stability AI など主要プロバイダーのモデルを横断して呼び出せるため、モデルごとに別々のサービスを行き来する必要がない。2025年11月に一般公開され、公式は「Every model. Every medium. One canvas.(すべてのモデルを、すべての媒体を、ひとつのキャンバスに)」を掲げている。
主な特徴
- 無限キャンバス上のノードワークフロー: 生成・編集・合成の各処理をノードとして置き、出力を次のノードの入力につなぐ形で作業を組み立てる。「プロンプトを書いて画像を作り、それを動画化して、音声を重ねる」といった多段の工程を、1 枚のキャンバス上で見える形にできる
- モデルの横断利用: 画像・動画・音声・3D 向けに 300 以上のモデル、テキスト向けに 400 以上の LLM を公式ドキュメントが掲げる。Anthropic・OpenAI・Runway・Luma・Midjourney・Replicate・Hugging Face・Groq・DeepSeek など、複数プロバイダーのモデルを同じ画面から切り替えて試せる
- レシピ(テンプレート): よく使うワークフローをレシピとして保存・共有でき、ゼロから組み立てずに既存の構成を土台にして始められる。他ユーザーが公開したレシピを複製して使うこともできる
- Compositor と Creative Code: 画像・動画・3D アセット・テキストをレイヤーとして重ねて合成・書き出しできる Compositor に加え、リアルタイムのビジュアルやモーションをコードで組む Creative Code を備える
- Apps 化と共有: 組んだノードを、パラメータだけを差し替えて使える簡易アプリとして公開できる。ワークフローの中身を知らない相手にも、入力欄と実行ボタンだけの形で渡せる
- チームでの共同編集: ワークスペース・メンバー・ロール・請求をまとめて扱えるチーム機能があり、制作チーム単位での運用を想定している
料金
クレジット制のサブスクリプション。クレジットは繰り越され、有効期限なしとされている(プランの一時停止・変更・スキップをしてもクレジットは残る)。
| プラン | 料金 | 主な内容 |
|---|---|---|
| 無料トライアル | $0(30日間) | Professional 相当の機能を試用。開始時 500 クレジット + 30 日ごとに 1,000 クレジット |
| Indie | 月額 $27(年払いで月額 $22.95 相当) | 全モデルライブラリ、商用利用ライセンス、アセット履歴、公開共有とクローン、ワークフロー 10 件 |
| Team | 10 席から(基本料金は公式サイト参照)/基本席数を超える追加席は 1 席あたり $8 | 10・25・50 席および個別対応。チーム管理と共同編集向け |
| Enterprise | 要問い合わせ | クレジット無制限、個別契約、調達プロセスに合わせた導入 |
料金は2026年8月時点の情報です。永続的な無料プランは用意されていません。最新の料金は公式サイトをご確認ください。
メリット・デメリット
✅ メリット
- 複数のモデルを 1 つのサブスクリプションで横断利用でき、サービスごとに契約を増やさずに済む
- 工程がノードとして目に見えるため、どこで結果が変わったのかを追いやすく、部分的なやり直しがしやすい
- レシピで手順を再利用・共有できるので、同じ表現を安定して量産しやすい
- クレジットが繰り越され、使わない月があっても無駄になりにくい
- 組んだワークフローを Apps として渡せば、非エンジニアのメンバーにも使ってもらえる
⚠️ デメリット
- 永続的な無料プランがなく、30 日のトライアル終了後は有料前提になる
- ノードをつなぐ操作そのものに慣れが必要で、単発の画像生成だけが目的なら手数が多い
- 生成のたびにクレジットを消費するため、動画のような重い処理では消費ペースの把握が要る
- 対応モデルが多い分、どのモデルを選ぶべきかの判断は利用者側に委ねられる
- 2025年11月公開と歴史が浅く、機能や仕様の変化が続く可能性がある
類似サービスとの比較
| 比較項目 | Fuser | ComfyUI | Krea AI | Runway |
|---|---|---|---|---|
| 形式 | クラウド/ノードキャンバス | ローカル中心/ノードグラフ | クラウド/ツール型 UI | クラウド/ツール型 UI |
| 扱う媒体 | 画像・動画・音声・3D・テキスト | 主に画像・動画 | 画像・動画中心 | 動画中心 |
| モデルの幅 | 多数のプロバイダーを横断 | 拡張とモデル導入次第 | 提供元が選定したモデル群 | 自社モデル中心 |
| 導入の手軽さ | ブラウザで即開始 | 環境構築が必要 | ブラウザで即開始 | ブラウザで即開始 |
| 無料枠 | 30日間トライアルのみ | ソフト自体は無償(自前実行) | 無料枠あり | 無料枠あり |
比較表の位置づけは各サービスの一般的な特徴に基づく整理であり、料金や対応モデルは各公式サイトで確認してほしい。
こんな人におすすめ
- 画像・動画・音声を組み合わせた制作を、複数サービスを行き来せずに 1 か所で完結させたい人
- 同じ手順の制作を繰り返すため、ワークフローをテンプレート化して安定させたいクリエイター
- ComfyUI のようなノード操作に魅力を感じつつ、ローカル環境の構築や GPU の用意を避けたい人
- 制作フローをチームで共有し、非エンジニアのメンバーにも実行だけ任せたい制作チーム
- 新しいモデルが出るたびに個別契約を増やすことに疲れている人
まとめ
Fuser は、増え続ける生成 AI モデルを「1 枚のキャンバスにまとめる」ことに賭けたプラットフォームである。ノードでつなぐ操作に慣れる手間はあるが、多段の制作工程を可視化し、レシピとして再利用し、Apps としてチームに渡せる点は、単発のチャット型ツールにはない強みになる。永続無料プランはないため、まず 30 日のトライアルで自分の制作フローに合うかを確かめ、クレジットの消費ペースを見てからプランを選ぶのが現実的だ。